授業している間だけ病院のことを忘れた。でも終わったとたんパニックが襲ってくる。「どうして私が?肺がん?ホントに?」夫には、病院から検査で引っかかったというラインを送っておいた。かなり心の中はパニックになっているところに娘からライン電話。声がいつもと違ったらどうしようとビクビクしながらの電話だった。

   3時過ぎ、急に病院から電話が入った。
「今すぐ来てください。外科の先生が来られます。」
「今すぐって? 5時じゃだめですか?」
「できるだけ早く。」

   まわりには急用ができたと飛び出して、4時前には病院へ。すぐに診察室へ呼ばれると、 60代前後かなと思われる男性の医師だった。 
   「60%から70%は悪性だと思うね。このNoduleが・・」
   そんな単語は聞いたことがなく、また頭がパニック。先生に綴りを書いてもらってもわからない。先生は簡単な絵を描いてくださったがピンとこない。また通訳の方に来てもらった。 

   結論は1ヶ月以内に手術をしたほうがよいということ。でも4月始めから3週間ほどの一時帰国の予定で、航空券を手配済み。それだけでなく3月末に、日本から来る夫と合流して、ネパールにいる友人家族と一緒に5泊6日のトレッキングも計画している。頭の中で色々な考えが回る。

   「ネパールは今更キャンセルできない。日本への航空券は、帰りはマイレージを使ったから、それを捨てることになるけど仕方ない。行きはスクート(LCC )で、それほど高くなかったから仕方ないか。仕事はネパールに行くまで休めない。」
   「バンコクで手術っていくらになるの?保険の限度額って100万円だっけ?でも日本に帰ってから病院行って、手術はいつできる?日本は10連休前だし。」

   とにかく費用が知りたいので、通訳の方に聞いてもらうと、それは後で看護師に確認してもらわないとわからないとのこと。3月末のネパールトレッキングのことを聞くと、先生は「そりゃ、肺が全部あるうちに行った方がいいね。いつ帰ってくるの?」と気楽なお返事。4月1日だと答えると、「じゃあ、3日に予約をいれておこう。私もその次の週に海外に行くからね。」
  というのは、タイは2週目の週末からソンクラーンという正月休み。でも海外旅行から帰って2日目の手術でいいんですか!?

   「手術は準備を含めて3時間くらい。前日にちょっと検査があるけどね。それと今日、肺活量検査をしておこう。」
   もう先生はやる気満々(笑)。でも通訳の方によると、今も週3回は手術をされて著名な外科医とのこと。お話をしている間に、だんだんバンコクで手術を受けた方がいいかなという気がしてきた。

   費用の概算を出してもらう間に、夫にラインした。ちょうど2時間の時差のおかげですぐに連絡がついた。先生から聞いたことを告げ、4月に日本に帰っても、今年の10連休のことを考えるとその前に受けられるとは思えないと話した。
    そうしているうちに概算がでた。約50万バーツ(170万円)。保険が100万円までなので残り70万か。でも命に代えられない。

   バンコクで手術を受けるメリット
      ①早く受けられる
      ②ネパールのトレッキングもキャンセルしなくてよいし、そのまま夫にバンコクに残ってもらえる
      ③夫以外に知らせる必要がない
      ④6月からの仕事もそのまま復帰できるはず
   ラインしているうちに決心がついた。ずっとついて下さった通訳の方にそう伝え、手術前日の予約を取って帰宅した。
  
 
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