体調はとてもいい。体力もかなり回復して、日常生活にはほとんど問題がなくなった。と言っても1日出歩くと疲れるし、肋間神経痛はずっとピリピリした感じがある。それは疲れるとひどくなるようだ。しかも痛いところは、左胸で時々位置が変わり、今は左の肋骨の上が時々痛い。

    それでもタイに戻って1ヶ月半、娘と知人の結婚披露宴パーティーを兼ねたアユタヤ旅行へ行き、週一回のボランティアを始め、バイクに乗り始めた。職場では病気を打ち明けている一人以外は、誰も私が入院、手術をしたことに気づいていないし、体調が悪そうだと言われたこともない。

   自分自身で気をつけていることは、まず無理をしない事、そして食事だ。タイは外食文化が盛んで、外で買ってもあまり高くない。でも油っこいものが多いし、私の近くの市場はローカルなので、辛さはタイ人向けだ。

    がんになる前から、食生活にはかなり気を配って、夕食の半分以上は自分で味付けをして作ってきた。もちろんタイ料理は大好きなので、メインは買ってきて、野菜料理は自分で作るというパターンだった。でも退院後は、辛いものもを食べたいと思わず、ほとんど和食を作って食べていた。あの頃は、夫が持ってきてくれたサバ缶に大いに助けられた。市場では魚介類のおかずが少ないし、大抵はかなり辛いのだ。 

    体調は良かったものの、やはりずっと咳が出ることが気になっていた。もう十数年前から、ひどい咳が止まらない事があり、レントゲンは何もなかったので、過敏症による咳と言われていた。 香水や消臭剤のような匂い、温度差、チリやホコリ、ちょっとしたきっかけで2、30秒咳が止まらない。

    授業が本格的に始まってから、そんな咳が出るようになった。それと喉の奥深いところに少し痛みもある。風邪とは思わないが、何か気管支に異常があったらどうしようかと不安だった。夜に咳が出るわけではないので、咳止めは一切飲んでいなかった。

    前日に、W先生の受信の前にレントゲンを撮るようにと、確認の電話があった。受診は5時からなので1時間前に行けばいい。もし他の症状が見つかった場合、海外旅行保険が適用してもらえるかわからないので、保険会社に電話をした。

   「私は肺がんの手術を受けて、その経過観察に行きますが、喉の奥が痛いので、もしがんと関係のない症状であれば、保険はききますか?」
   「診断書があれば、後日払い戻しをしますので大丈夫です。」
   「経過観察の診断書の中に、その記載があっても大丈夫ですか?それとも別の診断書が必要ですか?」
   「BNH病院なら、こちらから後で問い合わせもできますので、大丈夫です。」

   少し安心して、翌日の検診に出かけた。レントゲンは待ち時間もなくあっという間だったが、前回同様W先生は遅れて来られるようだ。やはり通訳の方をお願いしようと、受付に申し出て、待っている間に質問したいことをメモした。

①疲れると肋間神経痛(ピリピリ)がひどくなる。いつ頃まで続くのか。
②最近、左上の肋骨のあたりが抑えると痛い。
③授業が始まった頃から咳が出るようになった。
④喉の奥の方が少し痛い。

 診察は結局40分ほど遅れたが、いつもマイペンライ(大丈夫)のW先生は、また軽い感じで全部の質問に答えてくれた。
「神経を繋いだから6ヶ月から9ヶ月くらいは、神経痛は続くかなあ。咳と喉は、大声を出しすぎているためだと思うよ。まあ声を出すなというのは、無理かもしれないけどね。咳止めの薬だけ出しておこうか。でもあまりしゃべりすぎないように。」

  う〜ん、しゃべりすぎないようにって・・・しゃべるのが仕事なんですよねぇ。しかも元来おしゃべりなので、黙っているのがつらい。これまでも日本で風邪をひいた時、喉が痛くなるたびに「あまりしゃべらないように」と言われても、ちゃんと守れなかった。まあ授業のないときは黙っていよう。

  W先生と話すと本当に気が楽になる。レントゲン結果も問題なく、肺もちゃんと伸びているそうだ。何をやっても構わないと言ってもらえた。次回はまた3ヶ月後なのだが、その直前に日本へ戻り、CTを撮ることを話すと、「じゃあ、そのデータ持ってきたらX線いらないから」とこれもありがたいお言葉。タイでの費用が安くなるし被曝量も減る。

   あっという間に診察が終わり、会計を待つ間に、家族にラインで結果を知らせた。実はこの検診が終わるまで少し迷っていたのだが、来週は連休になるので、ベトナムへ行きたいと思っている。すでに航空券は手配済みで、万が一ダメだと言われたら、あきらめるつもりだった。でもこれで心置きなく、久しぶりの一人旅だ。




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