海外に住むということは、何らかの努力をしないと日本の事情は入ってこない。昔オーストラリアに3年間住んだが、その時はインターネットが普及してそれほど経っていない頃だったので、ネットで少しはニュースが入るものの、日本語の本や新聞に飢えて、スカイプやラインもなかったから、家族と簡単に話もできなかった。

 その当時と比べると、今は別世界だ。月に数回はラインで家族と話し、毎日TVerで配信される日本のテレビドラマも見ている。Yahooニュースを見て、日本で何が起こっているのかも知っている。本当にインターネットさまさまだ。

 それにスマホは賢い。というのは、最近Yahooを見ていると、「がん」に関する記事がかなり目につくのだ。これは私の検索履歴から、興味のある記事を引っ張り出しているのだろう。ということで、このところ毎日「がん」というトピックの記事を目にしているので、その中で心に残ったことを書いてみようと思う。

 「がん哲学外来へようこそ」樋野興夫著より
 海外にいると、簡単に日本の本を買うことができないのは事実だ。ベストセラーになるようなものは、簡単に紀伊国屋(バンコクには数軒ある)で並んでいるが、欲しい本があって探しても、そう簡単に見つからない。
 この本のことも、ネット記事(デイリー新潮編集部)で読んで知った。著者の樋野先生は、順天堂大学医学部教授で、この「がん哲学外来」という「対話の場」を作られたそうだ。

 まだ本を読んでいないので、感想を書くことはできないが、そのネット記事だけでも腑に落ちることがたくさんあり、中でも次の一節が心にささった。

 「がんを心配するのは一日一時間でいい。」

 今でこそ、自分が手術をしたことを忘れてしまいそうになるが、それでも1日中がんのことを考えない日は1日もない。もちろん再発に怯えているわけではなく、がんになったからこそ、いつか来る人生の終わりについて考え、それに向けて自分が何をしたいのか、今何をすべきなのかと考えることが多くなった。だから心配というより、「がんにかかった自分の人生」について毎日考えることは、大切なことだと思っている。

 もうひとつは写真家、幡野広志さんの記事で「病気になった今が幸せだと言える理由」

 私はこの方のことも全く知らなかったが、2017年に余命3年と告知された36歳の写真家だ。彼の言葉に心から納得した。「病気になってから、自分の好きなことだけしかしていない。健康な時なら、嫌なことも無理してやろうかなという気になるけど、病気になってまで、ね。好きなことだけしていればいいかなと。だから今これまでの人生で一番生きやすいです。」

 最近のブログにはとても素敵なウラジオストックの写真が掲載されていた。お仕事で行かれたようなので、お元気にされているのかなと思う。私もそうだが、幡野さんの言葉に励まされている方は、たくさんいるだろう。これからもそんなブログを発信していただいて、私も勇気をもらいたい。




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