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がんになっても地球旅行

病気には無縁と思ってた元バックパッカー、タイの大学で日本語教師をしていた2019年4月バンコクで肺腺癌(1A)手術。2022年6月に日本に帰国後もタイをメインに地球旅行に出かけています。

2019年06月

バンコクの病院費用

  以前にも少し書いたが、バンコクには日本語で受診可能な病院がいくつかある。日本人がよく行くのは、駐在家族も多く住むBTSスクムビット線から行くのが便利なサミティベート病院、パムルンラード病院、バンコク病院の3つだと思う。そしてシーロムエリアにもBNH病院という外国人やタイ人富裕層が行く病院がある。BTSシーロム線のサラデーン駅から歩いて10分くらいのところだ。
 
 2年前にバンコクで働き始めて間もない頃、ずっとエアコンのある部屋にいるためか、ドライアイでコンタクトが入れられなくなった。その時はまだ日本出国から3ヶ月以内だったので、持っていたクレジットカードで自動付帯の保険を選び電話をした。

 ちょうど友人がBNH病院の眼科に行ったことがあると言うので、私も同じ病院にした。受付で保険会社からのFAXを確認してくれ、すぐに眼科に案内された。担当してくれた女性医師はとてもきれいな英語を話され、アドバイスも的確だった。1ヶ月程目薬を入れ続け、症状は良くなり、そしてアドバイス通りコンタクトを2ウィークスからワンデイに変えた。 

 その半年後くらいに、ちょっとバカなことをしてしまった。2泊でミャンマーへ行くために、バンコクのガタガタの道を小さいカートを引っ張りながら歩いていると、柱から飛び出したようにつけられている金属製の箱のようなものに、思いっきり頭をぶつけてしまった。頭は少したんこぶのようになって、翌日ヤンゴンのホテルで目覚めた時はほっとした。最悪、脳出血で寝ている間に死んでしまったらどうしようと、ほんの少しは心配していたのだ。

 バンコクから戻って数日すると、ぶつけたところではない首筋が痛くなり、病院へ行くことにした。この時はクレジットカードの使用付帯の保険を利用して、ナナ駅から10分程歩いたところにあるパムルンラード病院に行くことにした。一度日本人御用達の病院へ行ってみたいと思ったからだ。

 パムルンラード 病院は日本人用サロンがあり、受付はそこへ行く。すべて日本語で対応してもらえて、病院内はまるでホテルのようだった。BNH病院よりも豪華で待ち合いのソファの近くには、水やジュースもおいてある。

 診察にはタイ語から日本語への通訳がずっとついてくれた。このときは最初の診察のあと頭部CTを撮りまたその結果を聞いた。検査の間は一人で行ったが、それ以外は通訳のお世話になり、やはり安心感があった。CTになんの以上もなく、結局軽いむち打ちになったということで、痛み止めや筋肉を緩める薬をもらった。

 以下はその2カ所の病院での費用である。
BNH病院眼科
 Physician Evaluation  医師                                 1000B
 Nursing or Midwifery Charge  看護師                    100B
 Packaged Medical Charge  診察パッケージ          350B
 Medical Supplies and Equipment  その他           380B
 Drugs and Parenteral Nutrition   投薬                 2215B    
   合計 4045B でもなぜか割引があって 3823.5B (約13383円)

パムルンラード病院外科
   Doctor's Fee  医師                 1500B
   Nursing Service 看護師                                         110B
   Facility その他                                                      270B
   CT Scan-Radiologist's Fee 検査技師                   1600B
   CT Scan CT検査                                                8250B
   Medicine 投薬                                                   1232B
                              合計 12839B  (約44937円)

 1バーツ=3.5円で計算しているが、保険なしの自費払いだったらびっくりする値段だ。日本で同様の治療を受けて10割負担でも、もう少し安いような気がするが。まあ、バンコクでも超高級にあたる病院なので、私立でも普通の病院であればもう少し安いし、国立ならもっと安いと思う。でも国立病院の待ち時間は、相当なものだと聞いている。

 駐在の方は、会社がすべて保険を負担してくれるから、何の心配もなく超高級な病院に行けるだろうが、現地採用は自分で保険に入らなければならない。私も、今回の肺がん手術を含めてクレジットカードの保険で対応してきたが、今後は既往歴があれば、同じ病気には使えない。がんの経過観察については、自費で払う必要がある。

 

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術後1ヶ月のまとめ

 ブログを始めて1ヶ月半、そして実際にはもうすぐ手術後3ヶ月になる。一時帰国も含めて長期の休暇中だったおかげで、このブログもコツコツ書き続けることができた。でも仕事が始まって、これまでのペースでの更新は無理だと実感している。

 もしこのブログを初めて見ていただいた方にわかりやすいように、そして自分自身のメモとしても、手術、入院、退院後についてまとめてみたい。 

肺がん発覚まで 
 一生忘れられないレントゲン写真で再検査と言われた日と、手術をすると決めた日。バンコクでこんな日を迎えるなんて、夢にも思わなかった。

胸部X線で再検査? [2019/02/25]
いきなり手術!?① [2019/02/27] 
いきなり手術!? ② [2019/02/27]

入院、手術
 トレッキングを含む1週間のネパール旅行から帰って、考える間もなく入院、手術。担当医からは、「肺が全部あるうちに行った方がいいよ」と言われたトレッキングについては、後日まとめてみたい。

手術2日前 [2019/04/01]
手術前日 [2019/04/02]
手術当日① [2019/04/03]
手術当日② [2019/04/03]
手術翌日 [2019/04/04]
術後2日目 [2019/04/05]
術後3日目 [2019/04/06]
術後4日目ー病理結果 [2019/04/07]
術後5日目ー退院 [2019/04/08]

退院から術後1ヶ月まで
 退院後すぐ一人暮らしに戻った。でも家の中のことはすぐできるようになり、毎日、灼熱のバンコクで散歩していた。少しつかれると、肋間神経痛のために左胸がビリビリと痛んだ。
術後6日目 [2019/04/09]

術後1週間目 [2019/04/10]
術後10日頃
術後2週間頃
抜糸 [2019/04/21]
術後4週目
術後1ヶ月  [2019/05/03]

体調の変化
*退院後1週間程は午後になると微熱が出たので、ずっとパラセタモールを飲んでいた。またかなり咳が出たので、一週間程咳止めも飲んでいた。
*どちらの薬もその後は全く飲んでいない。
*術後3週目頃には、歩く速度も普通で、1時間くらいは平気で歩けるようになった。ただし、帰宅するとぐったりして横になっていた。
*術後4週目頃には、普通に買い物をしたり食事をしたりしても、帰宅して横になることもなくなった。
*咳は時々でる。特に温度変化や何か強い匂いを感じると出るが、これはもうずいぶん前から「過敏症」と言われる咳かもしれない。 
 

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一時帰国準備

 肺がんが見つからなければ、4月早々に帰国するはずだった。その航空券もずいぶん前に手配していたが、退院後すぐにスクート(LCC)に診断書などを送ったら、クーポンで払い戻しをしてくれることになった。アメリカン航空のマイレージで取ったチケットは、無料で日付変更をしてくれる。どちらも無駄にならずにすんでよかった。

 ネットで調べてみると、肺がんの手術後3ヶ月程はあまり飛行機に乗らない方がいいと書いてあるサイトもあった。外科手術の1ヶ月後程度だと、医者の診断書がいる場合があるとも書いてあった。でも主治医のW先生は、「全然大丈夫」と気楽な返事をしてくださったので、術後1ヶ月半にならない5月3週目に帰ることにした。 

 4月始めに帰れば間に合ったのだが、実は今、日本の運転免許が失効している。でも私は日本の生活に車は必須なので、手続き方法などを調べてみたが、大阪は門真試験場まで行かなくてはならない。でもその試験場の場所が不便なのだ。免許があれば車で行けるが、公共交通機関だと時間もかなりかかる。

 これまたネットで調べてみると、同じような状況の人が、タイで国際免許を取っていったと書いてあった。これだ!ちょうどタイの免許も本免許に切り替わったので、国際免許も取れる。ということで、またチャトチャック の陸運局まで出かけた。

 昼過ぎに着いて、前回と同じ受付に行くと、1階だと言われた。入る時に気づかなかったが、入り口を入ってすぐ左に「International Licence」という部屋があり、すぐ受付があり、そのままカウンターに行き書類を提出した。

 必要な書類は、パスポート、ワークパーミット、免許証、これらのコピー、写真2枚。ただしタイの免許証は最初の2年間の仮免許ではなく、切り替えた本免許じゃないとだめなようだ。私は先日切り替えたばかりなのでOK。

 待つことほんの10分で、505バーツを支払って国際免許を受け取った。これで日本に帰ってすぐ車を運転できる。 それに私はタイの自動二輪免許も持っているので、国際免許にはそれも含まれている。まあ、日本でバイクの運転はしないだろうけど。

 日本への航空券は、たまたまAir Asiaのプレミアムフラットベッドが格安の日があり、10000バーツちょっとで買うことができた。今回はまだ術後1ヶ月半で、もし気圧の変化から負担が大きいかもしれないという不安も感じたので、ほぼフラットで寝ていられるのはありがたい。

 さあ、1年ぶりの帰国だ。去年とは全く違う気持ちで帰ることになる。やらなければならないこともたくさんあるし、会いたい知人友人もたくさんいる。病気のことを忘れるなんてありえないけど、精一杯楽しみたい。

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娘に話す 術後1カ月

 日本は平成から令和に変わることで大騒ぎになっている。タイでも普通のニュースで取り上げられているし、久しぶりに会ったタイ人の先生にも「新しい王様になったんでしょう」(タイは王制なので、emperorという言葉はなじみがない)と言われた。実はタイでもこの5月4日、5日に王様の戴冠式がある。

 この10連休を利用して、長女が旅行の最後にバンコクに寄ってくれた。だからこの時に病気のことを話そうと決めていた。彼女はたった2泊で帰ってしまうので、帰る前日は一日一緒に過ごし、その夜に打ち明けようと思った。そしてそれがちょうど術後1ヶ月にあたる日だった。

 朝はゆっくりして、お昼はスクムビットにあるホテルでランチを食べた。それから二人とも見たいと思っていた「アベンジャーズエンドゲーム」を見る。3時間もの大作なので疲れないか心配していたら、最初の方のストーリーが分かりにくいところで、うっかり寝落ちしてしまい、娘につつかれた。どうしても英語音声、タイ語字幕では理解できないところが多い。でもその後は夢中になり一気に3時間が過ぎた。

 映画の後も、彼女のお土産探し、夕食と、以前と変わらないペースで動くと、最後にずいぶん疲れを感じた。家に戻って一息ついたところで、話を切り出した。
 「ちょっとびっくりすると思うけど、でももう大丈夫なことだから。」
これだけ言われても何のことかわからないだろうなあ。 娘は何を言ってるのという顔をする。
 「私、4月始めに、肺がんの手術を受けたの。でも本当に初期に見つかったから、切ったら大丈夫って言われたし。リンパ節転移もなかったから、ホントに大丈夫だから。」 

 娘に口をはさませず、一気にこれまでの経過を話した。2月末に、大学の検診結果で再検査と言われたこと。病院に行ったら、すぐ悪性で手術をしたほうがいいと言われたこと。そしてその日に夫と相談して手術をバンコクで受けると決めたこと。 

 「手術も2時間ちょっとぐらいで、あっという間だったって。まあICUにいたときは、かなり痛かったんだけど、その後は我慢できないほどじゃなかったし。傷跡もこんなに小さいんだよ」と見せると、急に娘は涙ぐんだ。

 「えっ?大丈夫だって。」
 「そうじゃなくて。お母さんのその小さい傷でもすごく痛いんだったら、あの子たちって、もっと大きな傷が残ってて、きっとものすごく痛かったんだろうなって。」

 娘は看護師ではないが、仕事で病気の子どもたちと接している。そのため母親のことよりも、その子どもたちのことの辛さを感じてしまったのだろう。私はそれを聞いてほっとした。私のことで泣かれたら、どうしてよいのかわからなくなっただろう。そして娘につられてもらい泣きしてしまった。  

 夫が手術に立ち会って、最初の予定より長くバンコクに滞在したことも、合点がいったようだ。今後のバンコクでの診察や、日本に一時帰国したあとのことも話をして、それほど大きなショックを受けず納得したように見えた。もちろんもう大人なので、心の中のショックは母親に隠していたかもしれないが。

 長女に話せたことで、本当に気持ちが楽になった。そして話しているうちに、ニュージーランドにいる次女にも話そうという気持ちになった。会うチャンスがないならともかく、6月に彼女がここに来るのは、話すべきだということだろう。 



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術後4週目の生活

 まだ4月中にしなければならないことがいくつか残っていた。まず試験結果が良くなかった学生の呼び出し補習。タイ人学生は礼儀正しいが、時間にいい加減なことが多い。予想通り呼び出した学生は全員時間通りには来ず、日を設定しなおす必要も出た。

 次に運転免許の更新。2年前にタイに来た時、国際免許からの切り替えで車の運転免許を取り、学科試験(これがかなり難しくかった)と実技試験を受けてバイクの免許も取った。タイは最初の2年間は Temporaly Licence(仮免許)で2年経って本免許に切りかえる。 

 私はワークパーミットを持っているので、在留証明書などはいらない。パスポートのビザのページや、ワークワーミットの必要そうなページはすべてコピーし、青ボールペンでサインをしておく。後は健康診断書だが、これも口頭で確認するだけの簡単なものなので、ちょっとしたクリニックでやってくれるし、陸運局の近くにもクリニックがある。実は今回の健康診断は、手術の前に済ませていた。というのは免許だけでなく、ビザの延長にも簡単な健康診断がいるからだ。

 陸運局はスクムビット沿線のバンチャークにもあるが、私はチャトチャックの近くにある陸運局のほうが便利なのと、こちらの方が外国人に慣れているようで、2年目に免許を取ったときも、それほど困らなかった。

 今回は更新だけなので、必要な書類を用意して提出した後、目の検査。単純な色盲検査と、視覚範囲の検査、遠近感の検査(これが少し難しい。2本の棒をボタンを押しながら動かして、並んだところで止める)。そしてブレーキテスト。信号の色が変わったらブレーキを踏む。

 午後から行ったが、1時間半程で2枚の免許を手にした。タイの免許は5年間有効なので、2025年の誕生日まで。その時、ふと思った。次の免許更新まで再発がなければ、がんも完治したということなんだ。 

 帰りは急がないので、バスを乗り継いで帰宅した。ずっと座っていたが、来たのがノンエアコンのバスで、かなり時間もかかった。家に戻ると傷口ではなく、左胸がもぎとられるような感じになる。これが神経痛なんだなあ。まだ1ヶ月も経っていないので、仕方ないけれど。



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ビザとワークパーミット更新

 今回の記事はあまり病気とは関係がない。でもタイで働いている者、長期滞在をしている者にとっては、本当に大切で気がかりな事だ。もちろん大きな会社に勤めていて、タイ人の通訳が付き添ってくれる場合は、気持ちは楽だろう。それでも手間と時間がかかるのは同じだ。

   タイのビジネスビザは、まず日本の大使館や領事館で取る。それもいろいろな書類が必要で、東京と大阪でも違った。東京大使館で申請した同僚と同じ書類では、大阪領事館では不足だと言われたのだ。 

   タイに来るとすぐに労働局へ行って、ワークパーミットを申請する。この時はよくできる学生が通訳として付いて来てくれたが、また書類の不備を指摘され、翌日は事務の方やタイ人の先生と一緒に行って、ようやく発給された。

   次に、日本で発給されるビザは3ヶ月経つと切れるので、またイミグレーションに行かなくてはならない。この時は、私はすんなり発給されたが、タイの他の学校から移ってきた同僚が、以前の学校の手続きの不備のためペンディングとなった。彼女のミスではないので、その後無事発給はされたが、イミグレの対応は親切とは言いがたい。

   ビザやワークパーミットは1年間しか有効でないので、昨年4月も更新したが、イミグレだけで8時間くらいかかり、ワークパーミットも3、4時間待った上、後日の受け取り。もうどちらも悪い思い出しかない。

   今年は自分一人だけで更新に行かねばならず、体調も心配でかなり不安だった。先週学校へ書類をもらいに行った時も、試しに3階まで階段を登ったら、心臓がバクバクして呼吸を戻すのに3、4分かかった。

   4時半には目が覚めてしまい、軽く食事をして5時50分に家を出た。すぐにタクシーが捕まって6時20分にはイミグレに着き、すでに並んでいる人達に続いた。といっても床に座って待つことができるのでつらくなかった。7時前に番号札を配りだして、6時55分の受け取りで61番。その後は入り口の前のイスでiPadを見ながら過ごした。


 8時過ぎると、番号順に呼び出されて並びなおす。開始は8時半だが、その前に入れてもらえて、チケットカウンターでノンイミBのチケットは19番だった(ビザにはいろいろ種類があり、働くためのビザはノンイミグラントBというカテゴリー)。9時半過ぎには順番が来て、書類の確認と受付。今年は特に何の問題もなく、9時50分には延長したビザをゲット。

 次はリエントリービザ。まずチケットを取ってから、もらったばかりのビザ―のコピーをしにいく。10時に受付をしてもらい、10時半にはリエントリーも受け取った。すぐにタクシーで労働局へ向かう。高速に入るまでが少し混んでいたけど、11時過ぎにはワークパーミットのキューをもらった。

 労働局は、建物の外にちょっとした市場が出ていることがあり、今日も数は多くなかったが出ていた。ブラブラ見て歩いた後、食べ物の屋台も出ていたので昼食をとる。コーヒーを買って戻ったが、そこからが長かった。

 結局受付をしてもらえたのは14時20分。でも去年より親切な男性で、今日受け取りたいのかを聞かれ、そうだと答えるとまず書類費用の100バーツを払い、またキューをもらいに行った。でもそれからもちょっと待って、3時20分ワークパーミットも受け取れた。3時半までにお金を払わないといけないらしく、本当にギリギリだったが、1日で終わってよかった。

 外に出てGrabでタクシーを呼ぼうかと思ったが、ちょうどバイタクが通りかかったので停めた。振動がひびくかもと心配だったが、以外に何ともなかった。これでたぶん日常生活でできないことはなくなったと思う。明日で術後3週間と思うと、回復は早いほうだろう。朝早くから動いて疲れたけど、気分が悪くなったり、痛みがひどかったりと、恐れていたことは何もなくてよかった。

   

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抜糸 [2019/04/21]

   昨日は退院後初めてスクムビットへ出かけた。プロンポンのFUJIスーパーの近くに、Key Booksという古本屋があり、タイ在住の日本人にはお馴染みのところだ。私も月2回は通い文庫本を仕入れてくる。読み終わった本も買い取ってくれるので便利だ。4冊買ってリュックに入れると、意外に重さを感じた。やはりいろいろな点で、以前との違いを感じる。

   一人なので、昼食は気楽なターミナル21のフードコートへ。手術後ほとんどタイ料理を食べていなかったが、ラートナーというあんかけ麺とサトウキビのジュースはとても美味しかった。でも辛いカレーやソムタム(パパイヤのサラダ)を食べる自信がない。

   もうひとつ、どうしても行きたいところがあった。私は昨年、眉のアートメイクをした。昔から興味があって、タイに住んだらやりたいと思っていたからだ。でもネットで刺青やアートメイクをしているとMRIが受けられないと書いてあったのが心配だったのだ。

   そのサロンに行くとちょうどオーナー女性がおられた。
「ちょっとお聞きしたいのですが。私は去年眉のアートメイクをしましたが、アートメイクをすると、脳MRI を受けられないと聞いたのです。」
「全然大丈夫ですよ。使っているのは、鉄ではなくカラーだけですから。」
それで安心した。今は必要なくても、脳MRIはいつか必ず受ける必要があるだろう。
 

   ちょうど帰宅した頃、病院からショートメールが来ていて、レントゲンが12時、W先生の診察が12時50分からになった。夕方遅い時間じゃなくなってよかった。

   朝洗濯をして、軽くサンドイッチを作って食べた後、病院へむかった。先に検査室でレントゲンを撮る。もう3回目だから慣れたものだ。終わっていつもの内科へ行ったら、そこではなく外科だと言われた。そうか、W先生の診察だ。ということは、もうあのきれいなM先生には会えないのか。

   W先生が来られたのは1時前で、私の前に二人が待っていた。少し迷ったが、看護師さんに通訳の方をお願いした。抜糸をしながら落ち着いて質問できるか自信がなかったし、専門用語をあわてて忘れてしまう可能性もある。それで先に通訳の方に質問を伝えた。

*今後の検査や診察のスケジュール
*再発の可能性
*脳MRIや腫瘍マーカーの必要性
*毎年受けている人間ドックは必要か?
*左胸がピリピリするのはいつまで続くのか
*してはいけない事、してもよい事

   抜糸は、通訳の方が質問してくださる間に終わった。先生の答えを聞くことに集中していたおかげで、痛みはほとんど感じなかった。先生は、いつも通り気楽な様子で答えてくださった。

   今後3ヶ月ごとのX線、1年後にCT撮影。再発の可能性は低い。脳MRIやマーカーも今は必要ない。人間ドックは受けた方がいい。左胸は神経を切ってつないだので、半年くらい痛いかもしれない。
   「何をしてもかまわないよ。サウナ?OK、OK。日本への飛行機?大丈夫。」
   「私の左肺はどれくらい残っているんですか?」
   「32/42だから...76.19%だね。」

   家に帰ってネットで検索すると、W先生はチュラロンコン大学病院で、心臓、肺が専門の高名な外科医だった。傷口も測ると10cmほどで、左腕をを下ろすと隠れる位置だ。痛みもたいしたことがないのは、やはり手術がお上手なおかげだろうか。
   


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