「どうか花のことでご自分を責めないでください 他の誰かを 責めないでください なにかを恨まないでください ヘイトスパイラルを止めてください もうこれ以上 こんなことが起こらないように 花が望んだやさしい世界に少しでも近づけるように」
私はこれまでテラスハウスを見たことはないし、木村花さんのことは全く知らなかった。ただどんな番組かは聞いたことがあったし、海外の同様の番組で、やはり問題が起きたとネットで見たことはある。
私にも娘が二人いる。もし娘たちこんなことが起こったらと思うと、恐ろしくてしかたがない。そして、木村さんのお母様のようなコメントができる自信がない。きっと中傷をしたすべての人を恨み、許せないと思うのではないだろうか。
でも、ひとつ思い出したことがあった。それは2001年の911テロの時のことだ。
当時私はオーストラリアにいて、大学院生だった。オーストラリアは移民の国なので、その大学には、世界中からの留学生がいて、イスラム圏から来ている学生も多かった。事件の直後大学は、アメリカからの学生だけでなく、イスラム圏からの学生へのメンタルケアも行っていた。
クラスにはアメリカ人の男性もいて、911で知り合いが行方不明だと言っていた。でもその彼が、アメリカの友人からだというメールを転送してくれたのだ。
もうずいぶん昔のことなので、詳細は覚えていない。でもそのメッセージははっきりしていて、「憎しみは憎しみしか生まない。自分の悲しみを憎しみに変えてはいけない」というものだった。
誰もが苦しい今の状態で、その苦しみや辛さを他の人やものにぶつけてしまいそうになるかもしれない。でもそんなことをしても、自分の苦しみがなくなるわけではない。
ものすごくつらい思いをなさっているはずの木村さんのお母様が、あのツイッターを出されたことを心から尊敬する。そしてお母様のご希望通りヘイトスパイラルがなくなり、優しい世界になることを願い、木村花さんのご冥福をお祈りしたい。
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