でももし仕事を辞めたいと思っていたら、どうだろう。それは、病気と闘うための目標となりえないかもしれない。私自身、昨年度後半は大学の制度が変わったために、ちょっとやる気をなくし辞めることも考えていた。それがコロナで動けなくなり、またロックダウン生活が4ヶ月近くも続いた後は、人と接することで仕事をするのが楽しくなった。
教師という仕事は、本当にありがたい仕事だと思う。絶えず感謝されたり、必要とされていることを実感できるからだ。実は海外の日本語教師という仕事は、給与的にはかなり低く、若い人の定着率は低い。
タイは、日本人の最低賃金というものがあり、企業などであれば50,000バーツ以上となっている。その中でコールセンターと教師は別扱いなのだ。タイの国立大学の給与はどこも同じで20000バーツちょっと、それに住居手当がつくだけなので、30,000バーツに満たない。つまり日本円だと10万円ほどだ。
それで生活できるのかと言われると、私のようにタイ料理が大好きで、料理を作ることも好きで、お酒も飲まなければ、なんとか生活はできる。でも外食で日本料理を食べたいと思うと、かなり苦しい。
その収入でも日本語教師をしている海外の多くの日本人教師は、その国の日本語学習者の役に立ちたくて、必要とされることを感じて、教師を続けている。
ほんの些細なことであっても、人の役に立ち感謝されることは、生きる喜びだ。3日ほど前、珍しく西洋人がバイクタクシーにスマホの地図を見せながら、困っている様子だった。するとバイクタクシーの運転手が私に手招きをした。
行き先はドイツ大使館で、私も知っている場所だったので、下手なタイ語でもわかってもらえた。そのドイツ人(だと思う)も、にこにことサンキューと言ってバイクにまたがった。たったそれだけのことでも、朝からちょっと嬉しくなった。
そうなのだ。やはり人と関わらなければ、人の役に立てないし、感謝されることもない。コロナで人との関わりが減った母は、本当にノイローゼになりそうと言っている。
早くコロナ禍が終わり、また以前のように人との関わりが増える世界に戻ってほしい。小さな親切をして、ありがとうと言ってもらえて、自分も誰かにありがとうと言える世界。その積み重ねが生きていく目標にもなるはずだから。
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