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がんになっても地球旅行

病気には無縁と思ってた元バックパッカー、タイの大学で日本語教師をしていた2019年4月バンコクで肺腺癌(1A)手術。2022年6月に日本に帰国後もタイをメインに地球旅行に出かけています。

2021年07月

インプラント完了

 いよいよインプラントの上に義歯をかぶせたらインプラントも終了だ。手術から2か月半後の予約が入っていたが、これが5月末で、このときすでにバンコクはコロナで大騒動。びくびくしながらマスクにフェイスガードまで持参して8時過ぎに到着。(予約は9時)でも8時半にカウンターで予約票を出すと、すぐに呼ばれた。

「この予約はキャンセルになってるので、あの予約のブースが空いたら、もう1度予約を取ってください。」
どういうこと?私はキャンセルなんてしてないのに。

 9時前にブースが開いてその予約票を出した。
「今日はコロナのためにキャンセルになりました。でも先生が2回も電話したみたいだけど。」
そういえば、先週知らない番号から連続2回電話があった。
「すみません、知らない番号は出ないので・・・」
結局予約は2週間後になった。

 3月からの受診は、前回書いたように玄関でコロナの問診表を書いて、受付で確認される。その後シールをくれるのだが、これがそのシール。なんか可愛くて、プラスチックの眼鏡ケースに張り付けている。普通は丸いシールを渡されることが多いが、さすがに歯科病院。

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 9時の予約だったので、また8時過ぎに着いた。久しぶりのSpecial Clinicだが、前よりも患者が少ないように思う。さすがに連日感染者数の最高記録を更新しているような状態だと、歯医者には行かないか。

 この日、また先生から支払金額の説明があり、今回と次回で分割で払うとのことだった。そしてこの日は口全体の型取りをしただけなので、30分ほどで終わった。

 そして2週間後、6月も終わりが近づいたころ。その日は予約は11時だったので、また10時過ぎには到着したが、名前を呼ばれたのは11時5分ほど前だった。いつも通り口にマウスウオッシュを含み、顔に布がかぶせられ、インプラントの芯を外しているのか、回しているのかという作業が始まった。とにかく何も見えないし、タイ語で「口を開けて」とか「こっちを向いて」とか言われるだけなので、相変わらず状況がわからない。

 いつも最初に「英語とタイ語のどちらがいい?」と聞いてくれるのに、なぜかこの日は聞いてもらえずずっとタイ語(まあたいした内容じゃない)。しかも私は歯科治療に関してはもう人生の3分の2以上をかけている大ベテラン(自慢にならないか)。義歯の調整の流れも分かっている。
「(日本語だと)ギリギリしてください」も歯にシートが挟まれたのを感じたので、すぐに反応。

 そして驚いたのだが、そのギリギリの動作はたった1回しかなかったのだ。これまで日本での歯科治療だと、4,5回は確認されたような気がする。これは腕がいいのか、それともマイペンライなのか。結局1時間もかからなかった。

 終わってから言われたことが一瞬わからなかった。私の表情を見て、「ずっと指示がわかってたので大丈夫だと思ってたけど、英語の方がいいんだね」と英語で言い直してくださった。以前に比べて、違和感はないかという質問だったっが、もう長い間右奥歯で噛んでいないので、なんかピンとこない。でも高さに違和感はなかった。
「じゃあレントゲンだけ撮って、次は半年後の予約。」

 ついにインプラント終了だ!ただ予約は12月末だったので、いったん保留。というのは、年末年始にかけて日本に帰る可能性もあるから。
 費用と時間については、次回にまとめようと思う。これは自分の記録と思っているので、総費用や時間をすぐにわかるようにしておきたい。


 
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(世界肺癌学会議 IASLCの指針を参考に作成)

1) どのようにがんの診療をすべきか?

  • 通常の時と同様に、病理診断、病期診断、および点滴治療が必要な患者さんは入院あるいは外来で診療を行う。現在治療している患者さんは、そのまま継続を試みるが、長期経過観察中やがんサバイバーの方の診察は延期を考慮される。
  • 抗がん薬の点滴による治療は継続する。点滴の投与スケジュールを変更(毎週投与から3週毎への投与、3週毎の投与から4~5週毎への投与)し、外来受診の回数を減らすことも考慮する。病勢が安定していれば、1サイクル分の休薬期間を設けることも考慮する。画像評価を少し延期することも可能である。血液検査は、近医にて施行することを考慮する。

2) 肺がん疑いの患者への検査は?

  • 前もって電話で、あるいは診察室に入る前にCOVID-19に関する症状スクリーニングを行う。
  • CTガイド下針生検が困難になる重大な合併症がなければ、CTガイド下針生検で病理診断を行う(日本ではまず気管支鏡を行うことが多いが、COVID-19流行地域では気管支鏡の施行自体が医療者の曝露リスクが高い)。
  • 気管支鏡やEBUSは、マスクと透明なプラスチック・シールドなどの個人防護具(PPE)を用いて行う。症例により異なるが、緊急性のない検査なら2~4週の延期は可能である(特に病院内にCOVID-19患者が急増しているとき)。

3) 肺がんの疑われる、高齢者や基礎疾患のある患者への生検は?

  • 肺がんが疑われた場合には、COVID-19流行前と同様に、病理診断や病期診断の検査を行う。
  • 経胸壁(CTガイド下あるいはエコー下)針生検による確定診断が望ましい。
  • 症例により異なるが、気管支鏡検査は2~4週の延期を考慮できる。

4) 新しく診断されたがん患者に対する手術は?

  • 術前治療がすでに終了している場合、あるいは新しく診断されたsolid-typeの結節影の場合は、遅延無く手術が行われるべきである。
  • 肺がん部位のsolid componentの程度、PETでのSUV値、solid部分の大きさ、あるいは肺野条件でのすりガラス部分の縦隔条件での消失割合など総合的な判断に基づき手術延期が可能か否かを決定するが、極めて難しい判断となる。
  • 低リスクの早期がん病変、CT画像で微少浸潤腺がん、50%未満のsolid component、3 cm以下の原発巣など比較的早期のがんでは、4週間の手術延期は可能と考える。腫瘍量が大きい場合(例えば4 cm以上、N1陽性、明らかなN2陽性)には、腫瘍内科医は術前の化学療法や化学放射線療法を推奨する。

5) 高齢や基礎疾患を有する患者に対する手術は?

  • 体幹部定位放射線治療(SBRT)などの有効な局所療法が可能な施設が近くにあればそこでの治療が適切であると思われるが、遠距離を移動することは避けたほうが良い。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者であっても、外科手術の対象となるか否かはCOVID-19流行前と同じ基準で判断するのが望ましい。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者の手術適応の判断が難しい場合は、SBRTの可能施設か腫瘍内科へ紹介する。

6)術後化学療法は?

  • 術後再発リスクの高い患者(T3/4 or N2)で、65歳未満で全身状態が良ければ、化学療法が行われるべきである。
  • 再発リスクが中等度の患者(T2b-T3N0 or N1)では、個々の症例のリスクとベネフィット (年齢、基礎疾患の有無、全身状態、副作用など)を考慮するが、治療することが望ましい。
  • 再発リスクが低い患者(T1A-T2bN0)では、個々の症例における化学療法のリスクとベネフィットを考え、治療のメリットが低ければ治療の延期を考慮する。
  • 術後6~12週後の化学療法開始も許容される。
  • 高齢者(年齢≥70歳)や基礎疾患のある患者では、中止も考慮する。
  • 発熱性好中球減少症のリスクが10-15%<のレジメンでは、G-CSF投与を考慮する。
  • 術前・術後療法の適応は、COVID-19流行前と同じ基準で行う。
  • 切除可能なcStage III症例では、術前化学療法を行うべきである。

7)化学放射線療法は続ける?どうして?

  • 限局型小細胞癌、切除不能非小細胞肺癌 (stage III)では同時化学放射線療法を行うべきである。
  • 化学放射線療法は、通常がんの根治を目指して行っているので、既に治療が開始されている場合には完遂するべきである。
  • 切除不能非小細胞肺癌 (stage II)の治療オプションとして、化学放射線療法を考慮することができる。
  • 上大静脈症候群、喀血、脊髄圧迫、骨転移による疼痛、他の生命を脅かすようなOncology emergencyに対して放射線照射を行うべきである。

8)新規化学療法の導入は?

新しく診断された患者には、通常化学療法が行われるべきである。患者がCOVID-19に罹患している場合は、肺炎の状態を考慮して治療を少し遅らせるべきかどうかを慎重に判断する。

9)化学療法は続けるべき?

  • 一般に、切除不能肺癌に対する化学療法は続けるべきである。
  • 治療プロトコールを2週間に1回から3週間に1回のものに変更する、可能であれば点滴治療から内服薬に変更する、など受診回数を減らすことが考慮される。
  • 適切な用量調整にもかかわらず発熱性好中球減少症のリスクが10%<の場合には、G-CSFの一次的予防投与を考慮する。
  • 採血検査を近医で行うことも考慮する。
  • 化学放射線療法後の限局型小細胞肺癌に対する予防的全脳照射(PCI)は行うべきである。

10) 維持療法は続けるべき?

  • 続けることが望ましい。
  • 3から4週の休薬期間または治療と治療の間隔を延長することは考慮しても良い。

11) 新規治療は導入すべき?

新しく診断された転移のあるがん患者に対して治療の種類に関わらず標準的治療を提供し、疾患を制御し、生活の質を維持し、より良いPSを維持または達成すべきである。

12) 分子標的治療薬・免疫チェックポイント阻害薬の治療は?

  • 分子標的治療は行うべきである。経過観察の期間は個人の状況により6週から12週程度まで延長しても良い。
  • 抗PD- (L) 1抗体薬の投与では、例えば2-3週サイクルから4-6週サイクルの治療に変更または遅らせることを考慮する。
  • 局所進行非小細胞肺癌の放射線化学療法後の地固め療法としてDurvalumabの適応がある場合は、行うべきである。
  • 抗PD-(L)1抗体薬を12あるいは18ヶ月以上投与している症例では、次サイクルを遅らせる、サ イクル数を減らす、あるいは全体に治療間隔を長くすることを考慮しても良い。

※Content 4 was written referring to the guideline of The International Association for the Study of Lung Cancer (IASLC) with permission of IALC.
以上の内容は世界肺癌学会議の了承を得て、IALCの指針を参考に記載しました。

※各がん腫に対する治療方針の詳細はESMOの診療指針を参照 (ESMOの了解取得済み):
https://www.esmo.org/guidelines/cancer-patient-management-during-the-covid-19-pandemi



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コロナとオリンピックで病院に行けない日本

 タイのニュースは、連日コロナばかりなので気づいていなかったが、もうオリンピックまの開幕まであと1週間。昨日夫からのラインに「日本はオリンピックで22日から25日が連休になるために、今週は病院ばかりだ」と書いてきたので、オリンピックが直前だと実感したのだ。

 夫は緊急ではないが、持病と歯医者で月何回かは病院通い。それがオリンピック連休で前倒しになったということらしい。でも4連休にもなると、その間に体調を崩した人はどうすればいいのだろう。まして子どもだったら親は気が気じゃないだろう。

 タイは病院は24時間やっているところが多い。私立病院も国立病院も、待たされるかもしれないが24時間対応と書いてある。私の家からタクシーで30分以内に行ける病院は、国立病院が3カ所、英語の通じる私立病院が3カ所以上あるが、すべて24時間対応だ。

 コロナのために、がんの検診を行かない人も多いと聞く。でもがんは初期であれば、完治できる病気になっている。2人に1人ががんになると言われているのに、体調の変化を見逃してステージが上がってから見つかったら命に関わる。

 オリンピック期間中、日本国中から医師の派遣が要請されているという話もどうなったんだろう。もし自分の主治医がオリンピックとパラリンピック期間にいてくれなかったら、きっと不安だろう。

 今経過観察中の方は、コロナ禍であっても定期検診を欠かしてはいけないと思う。もちろん病院側から変更を要求されることもあるだろう。でも病院の都合よりも自分の体の方が大切だ。ましてオリンピックに関わることで変更されるなんてとんでもない。と私が怒っても、きっとそんな事態が日本の中で起こっているのだろうなあ。

 昨日もIOCのバッハ会長が、菅総理にコロナの状況が改善したら観客を入れてほしいと要望したというニュースを読んだ。オリンピック後の日本の事を一切考えず、目先の利益のことしか考えていない人間がIOCのトップか。前の日本のトップもセクハラ発言で辞職したが、このバッハ会長という人は、後年どうな評価が下されることやら。

 日本のワクチン接種は、今日で40,156,708人、2回接種をした人が 25,023,470人(人口比20%弱)。私の知人も接種を終えた人が増えた。タイよりはずいぶん進んでいる。でもオリンピック後に、一気に増えるとかの恐れは残っている。今更中止はないだろうから、無観客で大きな騒動が起こらず、無事終わってくれるのを祈るだけだ。

余談
 トラックの移動販売で、スイカを丸1個買ってしまった。それほど大きくなかったけれど、さすがに持て余してた。タイ人はスイカをおかずにご飯を食べると聞いたことがあるので、試してみようかと思ったが、ネットでスイカご飯というのを見つけて作ってみた。
要するにスイカの炊き込みご飯なのだが、まあすごく美味しいというほどでもないが、まずくもなかった。もう1度作るかと聞かれたら、また丸ごと買ったら作るかなという程度。

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ストレスの原因はワクチン争奪戦と90日レポートetc

 先日バムルンラート病院のモデルナワクチン予約について書いたが、当日とりあえずアクセスしようと思ったらできなかった。後で知ったが、1時間で当日分は締め切ったそうだ。そして、サミティベート病院の方だが、月曜日に連絡が来て、明日11時から始まるとのことだった。でも1時間半ほど前にSMSとラインで、システム不調のために一旦延期するとのことだった。

 サミティベート病院は、お金はもちろん先払いで、個人的理由のキャンセルは返金不可。それは他の病院も同じかもしれないが、ちょっと驚いたのは、いったんリンクが開いたら、同時に10人まで申し込めることができて(つまり他人の申し込みもOK)、そのリンクの申し込み後、払い込みの確認が取れた後、ようやく予約が完了するとのことだった。

 これはちょっときつい。延期になったけれど、開始時間にリンクを開いても、すぐアクセスできるとは思えない。しかも10人まとめて入力する人がたくさんいたら、すぐにつながらないのではないだろうか。私は今午後からオンラインの授業を取っているので、11時から何時間も待ち続けるのは難しい。

 今回は6月末までに登録した人が対象のはずなのに、それを10人までOKということは、その6月末に登録した人でさえあぶれる人が出てくるんじゃないだろうか。サミティベートは多くの人に機会をと考えているのかもしれないが、なんか納得がいかない。

 バムルンラート病院は、受信歴のある人だけが対象だった。それでも申し込みがパンクしそうになったというのに、誰でもOKの申し込みは、いったいどんな争奪戦になるんだろう。

 私の結論は、結局サミティベートには申し込まないということだ。というのは、私はたぶんBNH病院の予約が有効だと思うのだ。どうせモデルナが輸入されるのは同時期で、病院によっては数が違うかもしれないが、BNH病院は今のところ患者だけの申し込みしか受け付けていないと思うし、私は60歳以上でがん手術を受けた患者、まあ優先順位は早い方だと信じたい。

 BNH病院は、ワクチンが到着した時点で予約を確定し、お金を請求するそうだ。つまり前払いの必要がない。お金持ちなのか、購入数が少ないのかどっちだろう。でももうワクチン争奪戦でイライラするのも嫌だから、もしこれでだめなら日本の一時帰国を本気で考えよう。

 さてもうひとつのストレスは、またもや90日レポート。前回は、オンラインが使えないままで郵送したら、翌日使えることになっていて、そのままオンライン申請が通った。だから郵送の書類は戻ってこなかった。今回は、そのページは開くものの、個人情報を入力して確認のボタンを押すと、「近くのイミグレに連絡してください」という表示が出る。

 オンラインができる日の朝(15日前)にアクセスしてだめだったので、すぐに郵便局からEMSで郵送し、イミグレには14日前に着いた。その後も7日まではできるはずなので、毎日1回はやってみるが、全然進まない。これはいったいどういうことなんだろう。基本情報は、コロナのために入国カード番号も1年半同じままで、これまでと全く変わらない。このところ毎回90日レポートのために、かなりの時間をかけている。

 最後のストレスは、昨日アップした記事が「にほんブログ村」に反映されない。これも何度か試したけどだめだった。だから急遽、今日も愚痴をアップすることにしたのだが。さあ今日はどうだろう。

屋台のおばちゃんから買うタイミルクティーシェイク、たった10バーツ 
このビニールのちゃちな持ち手を考えた人はえらいなあ
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(世界肺癌学会議 IASLCの指針を参考に作成)

1) どのようにがんの診療をすべきか?

  • 通常の時と同様に、病理診断、病期診断、および点滴治療が必要な患者さんは入院あるいは外来で診療を行う。現在治療している患者さんは、そのまま継続を試みるが、長期経過観察中やがんサバイバーの方の診察は延期を考慮される。
  • 抗がん薬の点滴による治療は継続する。点滴の投与スケジュールを変更(毎週投与から3週毎への投与、3週毎の投与から4~5週毎への投与)し、外来受診の回数を減らすことも考慮する。病勢が安定していれば、1サイクル分の休薬期間を設けることも考慮する。画像評価を少し延期することも可能である。血液検査は、近医にて施行することを考慮する。

2) 肺がん疑いの患者への検査は?

  • 前もって電話で、あるいは診察室に入る前にCOVID-19に関する症状スクリーニングを行う。
  • CTガイド下針生検が困難になる重大な合併症がなければ、CTガイド下針生検で病理診断を行う(日本ではまず気管支鏡を行うことが多いが、COVID-19流行地域では気管支鏡の施行自体が医療者の曝露リスクが高い)。
  • 気管支鏡やEBUSは、マスクと透明なプラスチック・シールドなどの個人防護具(PPE)を用いて行う。症例により異なるが、緊急性のない検査なら2~4週の延期は可能である(特に病院内にCOVID-19患者が急増しているとき)。

3) 肺がんの疑われる、高齢者や基礎疾患のある患者への生検は?

  • 肺がんが疑われた場合には、COVID-19流行前と同様に、病理診断や病期診断の検査を行う。
  • 経胸壁(CTガイド下あるいはエコー下)針生検による確定診断が望ましい。
  • 症例により異なるが、気管支鏡検査は2~4週の延期を考慮できる。

4) 新しく診断されたがん患者に対する手術は?

  • 術前治療がすでに終了している場合、あるいは新しく診断されたsolid-typeの結節影の場合は、遅延無く手術が行われるべきである。
  • 肺がん部位のsolid componentの程度、PETでのSUV値、solid部分の大きさ、あるいは肺野条件でのすりガラス部分の縦隔条件での消失割合など総合的な判断に基づき手術延期が可能か否かを決定するが、極めて難しい判断となる。
  • 低リスクの早期がん病変、CT画像で微少浸潤腺がん、50%未満のsolid component、3 cm以下の原発巣など比較的早期のがんでは、4週間の手術延期は可能と考える。腫瘍量が大きい場合(例えば4 cm以上、N1陽性、明らかなN2陽性)には、腫瘍内科医は術前の化学療法や化学放射線療法を推奨する。

5) 高齢や基礎疾患を有する患者に対する手術は?

  • 体幹部定位放射線治療(SBRT)などの有効な局所療法が可能な施設が近くにあればそこでの治療が適切であると思われるが、遠距離を移動することは避けたほうが良い。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者であっても、外科手術の対象となるか否かはCOVID-19流行前と同じ基準で判断するのが望ましい。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者の手術適応の判断が難しい場合は、SBRTの可能施設か腫瘍内科へ紹介する。

6)術後化学療法は?

  • 術後再発リスクの高い患者(T3/4 or N2)で、65歳未満で全身状態が良ければ、化学療法が行われるべきである。
  • 再発リスクが中等度の患者(T2b-T3N0 or N1)では、個々の症例のリスクとベネフィット (年齢、基礎疾患の有無、全身状態、副作用など)を考慮するが、治療することが望ましい。
  • 再発リスクが低い患者(T1A-T2bN0)では、個々の症例における化学療法のリスクとベネフィットを考え、治療のメリットが低ければ治療の延期を考慮する。
  • 術後6~12週後の化学療法開始も許容される。
  • 高齢者(年齢≥70歳)や基礎疾患のある患者では、中止も考慮する。
  • 発熱性好中球減少症のリスクが10-15%<のレジメンでは、G-CSF投与を考慮する。
  • 術前・術後療法の適応は、COVID-19流行前と同じ基準で行う。
  • 切除可能なcStage III症例では、術前化学療法を行うべきである。

7)化学放射線療法は続ける?どうして?

  • 限局型小細胞癌、切除不能非小細胞肺癌 (stage III)では同時化学放射線療法を行うべきである。
  • 化学放射線療法は、通常がんの根治を目指して行っているので、既に治療が開始されている場合には完遂するべきである。
  • 切除不能非小細胞肺癌 (stage II)の治療オプションとして、化学放射線療法を考慮することができる。
  • 上大静脈症候群、喀血、脊髄圧迫、骨転移による疼痛、他の生命を脅かすようなOncology emergencyに対して放射線照射を行うべきである。

8)新規化学療法の導入は?

新しく診断された患者には、通常化学療法が行われるべきである。患者がCOVID-19に罹患している場合は、肺炎の状態を考慮して治療を少し遅らせるべきかどうかを慎重に判断する。

9)化学療法は続けるべき?

  • 一般に、切除不能肺癌に対する化学療法は続けるべきである。
  • 治療プロトコールを2週間に1回から3週間に1回のものに変更する、可能であれば点滴治療から内服薬に変更する、など受診回数を減らすことが考慮される。
  • 適切な用量調整にもかかわらず発熱性好中球減少症のリスクが10%<の場合には、G-CSFの一次的予防投与を考慮する。
  • 採血検査を近医で行うことも考慮する。
  • 化学放射線療法後の限局型小細胞肺癌に対する予防的全脳照射(PCI)は行うべきである。

10) 維持療法は続けるべき?

  • 続けることが望ましい。
  • 3から4週の休薬期間または治療と治療の間隔を延長することは考慮しても良い。

11) 新規治療は導入すべき?

新しく診断された転移のあるがん患者に対して治療の種類に関わらず標準的治療を提供し、疾患を制御し、生活の質を維持し、より良いPSを維持または達成すべきである。

12) 分子標的治療薬・免疫チェックポイント阻害薬の治療は?

  • 分子標的治療は行うべきである。経過観察の期間は個人の状況により6週から12週程度まで延長しても良い。
  • 抗PD- (L) 1抗体薬の投与では、例えば2-3週サイクルから4-6週サイクルの治療に変更または遅らせることを考慮する。
  • 局所進行非小細胞肺癌の放射線化学療法後の地固め療法としてDurvalumabの適応がある場合は、行うべきである。
  • 抗PD-(L)1抗体薬を12あるいは18ヶ月以上投与している症例では、次サイクルを遅らせる、サ イクル数を減らす、あるいは全体に治療間隔を長くすることを考慮しても良い。

※Content 4 was written referring to the guideline of The International Association for the Study of Lung Cancer (IASLC) with permission of IALC.
以上の内容は世界肺癌学会議の了承を得て、IALCの指針を参考に記載しました。

※各がん腫に対する治療方針の詳細はESMOの診療指針を参照 (ESMOの了解取得済み):
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インプラント手術


 抜歯は12月上旬で、世間はコロナの心配もあまりなかった。でもそれから3か月後には病院の様子もすっかり変わっていた。予約は11時だったので、10時20分ごろ3階外科の受付カウンターに予約票を出すと、何か書類がいると言われた。あまりわからないまま、もう1度1階へと言われたので、1階の受付カウンターで聞くと、玄関の外で書類を書くようにいわれた。入るときに気づかなかったのだが、実は入り口は2つに分かれていて、右側は職員用で検温だけで入れるが、左側はコロナの問診票が必要だったのだ。

紫が職員、緑が患者や訪問者用
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コロナの問診票(赤字は私の日本語訳なので誤訳もあるかも)
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 玄関の外でこの用紙に記入し、入ったところでチェックを受ける。これにあと「どこに住んでいるか」とも聞かれた。
 再び3階の外科へ戻り、受付で書類を出す。そして予約時間を5分ほど過ぎたころ、看護師さんに呼ばれた。

 「抜歯の痕は、きれいに治ってるね。じゃあ今日は2本インプラントを埋め込むからね。」いつも通り顔に布をかぶせられているので、まったく様子はわからない。先生が「口を開けて」という指示が何度も繰り返されるだけ。というのは、右奥歯なのでかなり大きな口を開けなければならない。だから先生の手が離れたとたん、私は少し口を閉じてしまうのだ。

 「ちょっと左を向いて、はい、口開けて。」
とにかく大口を開けているのがつらい。インプラント手術は、今回も麻酔を打っているので、あまり痛みは感じない。でも口を開けすぎて、反対側の顎が外れそうな気がしてきた。

 実は、3年ほど前に頭を打って軽いむち打ちを起こし、それ以来、大きく口を開けると左側が「かくっ」という感じで音がするのだ。きっと顎の骨がずれているんじゃないかと思う。日頃はそれほど大口を開けることもないので、何の支障もない。でもこの時は本当に痛くてつらかった。インプラントの痛みより、この顎が外れそうな痛さのほうが、我慢できないほどだった。

 何時間も続いたように感じた手術は、実際1時間ほどだった。2本も埋め込んで1時間だから、やっぱり手際がいいと思う。さすがに今日は可能止めの薬を出すと言ってくれた。それと当分食べるときに右奥を使わないようにと。そして看護師さんが、保冷剤をキッチンペーパーで巻いたものを渡してくれた。

 さあ、今日はいくらかかるんだろう。これまで現金で払ってきたが、さすがに今日は日本のクレジットカードで支払おうと思っていた。
Drug(薬代)52バーツ
Outpatient service fee per day(外来費、いつも入っている)50バーツ
Inplantation of tooth(インプラント)17,000バーツ
Doctor's fee(医師の費用)19,500バーツ
Inplant materials(インプラントの材料費)21,890バーツ
Standard IC(ちょっと訳しにくいが、これもいつもある)100バーツ
Ridge augmentation/area(補強のため)1,700バーツ
 合計 61,142バーツ(21万4000円ほど)

 そしていつも使っているカードを出すと、「使えないみたいです」と言われびっくり。これまでずっと使っているセゾンカードなんだけど!この日は、他に日本のカードを持って来ておらずめちゃくちゃ焦った。タイのイオンカードは限度額が低いままのはず・・・銀行もそれほど入っていないクルンタイしか持って来ていないし・・・ 

 仕方なくイオンカードで25000バーツを、残りをクルンタイのデビットで払ったが、クルンタイにそれだけ残額があるかも記憶になく、ドキドキものだった。でも幸い残っていたようで、無事支払いを終えた。

 薬は最初に行った1階の登録のカウンターと同じ並びにあった。でも2日分の可能止めをもらって52バーツって安すぎる。本当に効くんだろうかと疑いたくなる。でも薬を飲み終わって手術痕もなんともなかったから、まあ効いたんだろう。

 それから2週間後に、手術痕のチェックに行った。
「傷痕はきれいだね。じゃあもうこれで外科は終わり。レントゲンだけ撮って、Special Crinicを取って帰ってね。」
この外科の先生も、笑顔で明るい人だった。

レントゲン室
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 看護師さんに連れられて、同じ階のレントゲン室へ。今回は、小さな部分レントゲンでなくて、いわゆる3Dレントゲン。これも日本でインプラントをした時に撮ったことがあるので、タイ語だけの指示でも問題はなかった。部屋が違うと会計も別らしく、終わってすぐに支払いもした。400バーツ。信じられない、日本だと5000円以上したけどなあ。

 そして外科の支払いは外来費50にStandard IC 150で合計 200バーツ。もうありがたくて涙がでるわ。これで無保険なんだけど。

 さすがに今回は、完全に血が止まり、口の中に血の味がしなくなるまで3日間ほどかかった。だから丸一日くらいは、何かを食べてもあまりおいしくなかった。でもやっぱり痛みはそれほどでもなく、痛み止めも初日に飲んだだけだった。
 これであとは義歯をかぶせるのみとなった。次の予約はほぼ2か月後の5月。でもそれで終わりらしいので、約半年だ。なんだかあっという間に終わりそうだ。


 
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(世界肺癌学会議 IASLCの指針を参考に作成)

1) どのようにがんの診療をすべきか?

  • 通常の時と同様に、病理診断、病期診断、および点滴治療が必要な患者さんは入院あるいは外来で診療を行う。現在治療している患者さんは、そのまま継続を試みるが、長期経過観察中やがんサバイバーの方の診察は延期を考慮される。
  • 抗がん薬の点滴による治療は継続する。点滴の投与スケジュールを変更(毎週投与から3週毎への投与、3週毎の投与から4~5週毎への投与)し、外来受診の回数を減らすことも考慮する。病勢が安定していれば、1サイクル分の休薬期間を設けることも考慮する。画像評価を少し延期することも可能である。血液検査は、近医にて施行することを考慮する。

2) 肺がん疑いの患者への検査は?

  • 前もって電話で、あるいは診察室に入る前にCOVID-19に関する症状スクリーニングを行う。
  • CTガイド下針生検が困難になる重大な合併症がなければ、CTガイド下針生検で病理診断を行う(日本ではまず気管支鏡を行うことが多いが、COVID-19流行地域では気管支鏡の施行自体が医療者の曝露リスクが高い)。
  • 気管支鏡やEBUSは、マスクと透明なプラスチック・シールドなどの個人防護具(PPE)を用いて行う。症例により異なるが、緊急性のない検査なら2~4週の延期は可能である(特に病院内にCOVID-19患者が急増しているとき)。

3) 肺がんの疑われる、高齢者や基礎疾患のある患者への生検は?

  • 肺がんが疑われた場合には、COVID-19流行前と同様に、病理診断や病期診断の検査を行う。
  • 経胸壁(CTガイド下あるいはエコー下)針生検による確定診断が望ましい。
  • 症例により異なるが、気管支鏡検査は2~4週の延期を考慮できる。

4) 新しく診断されたがん患者に対する手術は?

  • 術前治療がすでに終了している場合、あるいは新しく診断されたsolid-typeの結節影の場合は、遅延無く手術が行われるべきである。
  • 肺がん部位のsolid componentの程度、PETでのSUV値、solid部分の大きさ、あるいは肺野条件でのすりガラス部分の縦隔条件での消失割合など総合的な判断に基づき手術延期が可能か否かを決定するが、極めて難しい判断となる。
  • 低リスクの早期がん病変、CT画像で微少浸潤腺がん、50%未満のsolid component、3 cm以下の原発巣など比較的早期のがんでは、4週間の手術延期は可能と考える。腫瘍量が大きい場合(例えば4 cm以上、N1陽性、明らかなN2陽性)には、腫瘍内科医は術前の化学療法や化学放射線療法を推奨する。

5) 高齢や基礎疾患を有する患者に対する手術は?

  • 体幹部定位放射線治療(SBRT)などの有効な局所療法が可能な施設が近くにあればそこでの治療が適切であると思われるが、遠距離を移動することは避けたほうが良い。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者であっても、外科手術の対象となるか否かはCOVID-19流行前と同じ基準で判断するのが望ましい。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者の手術適応の判断が難しい場合は、SBRTの可能施設か腫瘍内科へ紹介する。

6)術後化学療法は?

  • 術後再発リスクの高い患者(T3/4 or N2)で、65歳未満で全身状態が良ければ、化学療法が行われるべきである。
  • 再発リスクが中等度の患者(T2b-T3N0 or N1)では、個々の症例のリスクとベネフィット (年齢、基礎疾患の有無、全身状態、副作用など)を考慮するが、治療することが望ましい。
  • 再発リスクが低い患者(T1A-T2bN0)では、個々の症例における化学療法のリスクとベネフィットを考え、治療のメリットが低ければ治療の延期を考慮する。
  • 術後6~12週後の化学療法開始も許容される。
  • 高齢者(年齢≥70歳)や基礎疾患のある患者では、中止も考慮する。
  • 発熱性好中球減少症のリスクが10-15%<のレジメンでは、G-CSF投与を考慮する。
  • 術前・術後療法の適応は、COVID-19流行前と同じ基準で行う。
  • 切除可能なcStage III症例では、術前化学療法を行うべきである。

7)化学放射線療法は続ける?どうして?

  • 限局型小細胞癌、切除不能非小細胞肺癌 (stage III)では同時化学放射線療法を行うべきである。
  • 化学放射線療法は、通常がんの根治を目指して行っているので、既に治療が開始されている場合には完遂するべきである。
  • 切除不能非小細胞肺癌 (stage II)の治療オプションとして、化学放射線療法を考慮することができる。
  • 上大静脈症候群、喀血、脊髄圧迫、骨転移による疼痛、他の生命を脅かすようなOncology emergencyに対して放射線照射を行うべきである。

8)新規化学療法の導入は?

新しく診断された患者には、通常化学療法が行われるべきである。患者がCOVID-19に罹患している場合は、肺炎の状態を考慮して治療を少し遅らせるべきかどうかを慎重に判断する。

9)化学療法は続けるべき?

  • 一般に、切除不能肺癌に対する化学療法は続けるべきである。
  • 治療プロトコールを2週間に1回から3週間に1回のものに変更する、可能であれば点滴治療から内服薬に変更する、など受診回数を減らすことが考慮される。
  • 適切な用量調整にもかかわらず発熱性好中球減少症のリスクが10%<の場合には、G-CSFの一次的予防投与を考慮する。
  • 採血検査を近医で行うことも考慮する。
  • 化学放射線療法後の限局型小細胞肺癌に対する予防的全脳照射(PCI)は行うべきである。

10) 維持療法は続けるべき?

  • 続けることが望ましい。
  • 3から4週の休薬期間または治療と治療の間隔を延長することは考慮しても良い。

11) 新規治療は導入すべき?

新しく診断された転移のあるがん患者に対して治療の種類に関わらず標準的治療を提供し、疾患を制御し、生活の質を維持し、より良いPSを維持または達成すべきである。

12) 分子標的治療薬・免疫チェックポイント阻害薬の治療は?

  • 分子標的治療は行うべきである。経過観察の期間は個人の状況により6週から12週程度まで延長しても良い。
  • 抗PD- (L) 1抗体薬の投与では、例えば2-3週サイクルから4-6週サイクルの治療に変更または遅らせることを考慮する。
  • 局所進行非小細胞肺癌の放射線化学療法後の地固め療法としてDurvalumabの適応がある場合は、行うべきである。
  • 抗PD-(L)1抗体薬を12あるいは18ヶ月以上投与している症例では、次サイクルを遅らせる、サ イクル数を減らす、あるいは全体に治療間隔を長くすることを考慮しても良い。

※Content 4 was written referring to the guideline of The International Association for the Study of Lung Cancer (IASLC) with permission of IALC.
以上の内容は世界肺癌学会議の了承を得て、IALCの指針を参考に記載しました。

※各がん腫に対する治療方針の詳細はESMOの診療指針を参照 (ESMOの了解取得済み):
https://www.esmo.org/guidelines/cancer-patient-management-during-the-covid-19-pandemi



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クリーニングと抜歯

 抜歯の前日に、Special Clinicでクリーニングをしてもらい、インプラントの相談をした。2本インプラントをすると言うと、先生もその方がいいとおっしゃった。この日は、1400バーツだった。やっぱり安い。

 翌日は、また3階の外科へ。夕方6時の予約だったので、抜歯の前に夕食を食べてしまおうと思い、5時には病院へ着くと食堂へ行った。人はあまりいない。海老のパッポンカリーがあったので、それにした。 たったの50バーツで、しかも海老の頭が唐揚げになっているのがついていて、香ばしくて美味しかった。 

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 予約の30分前に、予約票をだした。この外科は、外ではなく中の待合室で待つことができる。外科は限られた治療だから、Special Clinicより先生も患者も少ないのだろうと思う。予約時間より20分ほど過ぎてから名前を呼ばれ、看護師さんに連れられて診察室の方へ向かう。

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 私はこれまでに日本で何度も抜歯を経験している。若い頃に親知らずも4本とも抜いたのだが、その時、どちらかの親知らずが生えている向きが悪かったらしく、相当時間がかかったのだ。しかも翌日かなり腫れて、鏡を見るとまるでおたふく風邪のようだった。

 診察の椅子に座り、またマウスウオッシュのような液を含んで30秒、うがいをする。先生は、もういきなり「ちょっとチクッとするね」と言いながら、麻酔薬の注射を。でも最初は痛いと思ったが、その後は注射が追加されたかもわからなかった。しかも日本だと「麻酔が効くまで10分ほどこのままにしておきますね」とか言われるのに、ものの数分で抜歯が始まった。

 いつも口だけしか開いていない布をかぶせられるので、周りの様子は全くわからない。先生はタイ語で看護師に指示を出しているし、聞こえにくいこともあって、自分の状況がまったくわからない。
「はい、噛んで、このままずっと噛んでいてください」と言われ、抜歯が終わったことに気がついた。実は本当にいつ抜歯されたかわからなかった。一度、看護師に頭を押さえられたので、その時だったと思う。でも痛さもあまり感じず、なんか知らないうちに終わってしまった。そして時間も30分もかからなかった。

「痛み止めとか持ってる?」 Yesとも言えないのでうなづく。
「じゃあ、痛かったらそれを飲んで。」えっ?ほかに化膿どめとかの薬は出ないの?

 この日の支払いも1400バーツ。うち抜歯の費用は250+医師費用600バーツ。クリニックの半額じゃないだろうか。麻酔を打つのでバスで病院へ行ったため、帰るのに1時間ほどかかったが、家に着くころには、少し出血もおさまってきたようだ。一応寝る前に痛み止めを飲んでベッドへ。でもほとんど痛みもなく、翌日もなんともなかった。

 日本だと抜歯の痕を確認するのじゃないかと思うが、そんなことはしないらしい。次の予約はもう3月のインプラント手術。やっぱり日本より、時間も短くてすみそうだ。


 



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マヒドン歯科病院からビクトリーモニュメントへ

 昨日書いたバムルンラート病院のモデルナ予約は1時間で今日の分が終わったとか。なんせ、今日はすでに9000人を超える新規感染者というニュースで、コロナに対する恐怖が強まっている。
 でもこの記事の日時は昨年11月末で、まだ第2波も来ていなかったころ。今更ながら気楽だったなあと思える。今だと怖くて歯科に行けないかもしれない。さて、患者登録を終えた次の日に戻る。

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 翌日朝8時と言われたが、バイクで出かけたので7時半ごろには着いた。でもカウンターには誰もいなくて、結局8時までは待っていた。
 職員の方が来られたので、昨日もらったメモを見せる。すぐに横のカウンターで血圧を測って、外の待合のイスで待っているように言われた。

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 結局名前が呼ばれたのは9時過ぎだった。ということは、診察は9時からなのか。中はかなり広くて、ずいぶん奥の方まで歩いて行った。昔、阪大歯科病院にも行ったことがあるのだが、なんだか雰囲気が似ている。

 担当の先生は30代くらいの男性。椅子に座ると、看護師さんに「口に30秒ほど含んでからゆすいでください」言われ(たと思い)、そのマウスウオッシュのような液体を含んだ。それからイスが倒され、驚いたことに口の周りだけが開いている布を顔にかぶせられた。これだと患者は何も見えない。先生は、英語が上手な方だった。そのため、会話も指示もすべて英語でよくわかる。

 一通り口の中を見て、「レントゲンを撮ってきて」と言われ、看護師さんに連れていってもらう。この大きな診察室の一部にレントゲンを撮る場所もあった。あっという間に撮り終わり、元のイスへ。

「右下奥歯だけど、抜かないとだめかな。左は何ともないですよ。」
「インプラントは、どれくらいの時間と費用がかかりますか?」
「ずっとタイにいるの?半年ちょっとかな。費用は、かぶせるものによって、一本45000バーツから70000バーツくらい。」
 やっぱり、日系のクリニックよりずっと安い。
「右の一番奥はもう抜いてるから、一本しかインプラントをしないなら、一番奥の上は抜いたほうがいいね。」

 えっ?そうだっけ。全く覚えていなかったのだが、右下の奥歯は以前抜いてしまったようだ。でも上の奥歯は残っていて、今まで何も不便を感じていなかった。でも歯は、上下ないとかみ合わせが悪くなり、インプラントにも悪い影響を与えるので、その上奥歯を抜いて、1本インプラントにするか、右下奥に2本インプラントにするかだそうだ。
 
「とにかく外科の予約を取って、相談してみて。それから次回に決めましょう。」診察室の外にも待合があって、右手のカウンターが支払いで、左手のカウンターが予約だった。(下の写真の室内)

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 この日の支払いは、保険のない実費で1100バーツ(3850円)。小さなレントゲンを2枚撮ったけど、1枚100バーツ。日本で保険を使っても、初診だと絶対これくらいはするなあ。外科の予約は土曜日だが翌日に取れ、Special Clinicは10日後くらいに予約ができた。

 翌日午前9時の予約だった。この日はバスで行ってみた。というのは、せっかくの土曜日なので、帰りに買い物でも行こうかなと思ったからだ。外科は3階なので、その受付に昨日もらった予約票を出す。9時過ぎに名前を呼ばれて、診察室へ。

 昨日のSpecial Clinicよりは小さいようだ。歯科の外科って、抜歯やインプラント以外に何があるんだろう。今度の担当の先生も30代くらいの男性。
「タイ語と英語のどちらがいいですか?」と聞いてもらえて、当然「英語でお願いします」と即答。

 「インプラントは1本なら、右上奥歯も抜かなきゃいけないね」と昨日と同じことを言われた。さすがに健康な歯を抜くくらいなら、もう1本インプラントをしたほうがいいと思い、「2本にします」と決心。
「じゃあ、次の抜歯の予約を取ってね」とあっという間に診察は終わった。でも支払いもたったの200バーツだった。

 ビクトリーモニュメントの周りは、美味しいお店が多いと聞く。せっかくなので、カオマンガイのお店に行くことにした。

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Hainanese Chicken Rice Restaurant 
ข้าวมันไก่ตอนจีวา
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 この後も、久しぶりにセントラルの向かいのドンキーへ行って、ちょっと日本の調味料を購入。歯医者に行ったと思えない充実した一日だった。

 
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(世界肺癌学会議 IASLCの指針を参考に作成)

1) どのようにがんの診療をすべきか?

  • 通常の時と同様に、病理診断、病期診断、および点滴治療が必要な患者さんは入院あるいは外来で診療を行う。現在治療している患者さんは、そのまま継続を試みるが、長期経過観察中やがんサバイバーの方の診察は延期を考慮される。
  • 抗がん薬の点滴による治療は継続する。点滴の投与スケジュールを変更(毎週投与から3週毎への投与、3週毎の投与から4~5週毎への投与)し、外来受診の回数を減らすことも考慮する。病勢が安定していれば、1サイクル分の休薬期間を設けることも考慮する。画像評価を少し延期することも可能である。血液検査は、近医にて施行することを考慮する。

2) 肺がん疑いの患者への検査は?

  • 前もって電話で、あるいは診察室に入る前にCOVID-19に関する症状スクリーニングを行う。
  • CTガイド下針生検が困難になる重大な合併症がなければ、CTガイド下針生検で病理診断を行う(日本ではまず気管支鏡を行うことが多いが、COVID-19流行地域では気管支鏡の施行自体が医療者の曝露リスクが高い)。
  • 気管支鏡やEBUSは、マスクと透明なプラスチック・シールドなどの個人防護具(PPE)を用いて行う。症例により異なるが、緊急性のない検査なら2~4週の延期は可能である(特に病院内にCOVID-19患者が急増しているとき)。

3) 肺がんの疑われる、高齢者や基礎疾患のある患者への生検は?

  • 肺がんが疑われた場合には、COVID-19流行前と同様に、病理診断や病期診断の検査を行う。
  • 経胸壁(CTガイド下あるいはエコー下)針生検による確定診断が望ましい。
  • 症例により異なるが、気管支鏡検査は2~4週の延期を考慮できる。

4) 新しく診断されたがん患者に対する手術は?

  • 術前治療がすでに終了している場合、あるいは新しく診断されたsolid-typeの結節影の場合は、遅延無く手術が行われるべきである。
  • 肺がん部位のsolid componentの程度、PETでのSUV値、solid部分の大きさ、あるいは肺野条件でのすりガラス部分の縦隔条件での消失割合など総合的な判断に基づき手術延期が可能か否かを決定するが、極めて難しい判断となる。
  • 低リスクの早期がん病変、CT画像で微少浸潤腺がん、50%未満のsolid component、3 cm以下の原発巣など比較的早期のがんでは、4週間の手術延期は可能と考える。腫瘍量が大きい場合(例えば4 cm以上、N1陽性、明らかなN2陽性)には、腫瘍内科医は術前の化学療法や化学放射線療法を推奨する。

5) 高齢や基礎疾患を有する患者に対する手術は?

  • 体幹部定位放射線治療(SBRT)などの有効な局所療法が可能な施設が近くにあればそこでの治療が適切であると思われるが、遠距離を移動することは避けたほうが良い。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者であっても、外科手術の対象となるか否かはCOVID-19流行前と同じ基準で判断するのが望ましい。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者の手術適応の判断が難しい場合は、SBRTの可能施設か腫瘍内科へ紹介する。

6)術後化学療法は?

  • 術後再発リスクの高い患者(T3/4 or N2)で、65歳未満で全身状態が良ければ、化学療法が行われるべきである。
  • 再発リスクが中等度の患者(T2b-T3N0 or N1)では、個々の症例のリスクとベネフィット (年齢、基礎疾患の有無、全身状態、副作用など)を考慮するが、治療することが望ましい。
  • 再発リスクが低い患者(T1A-T2bN0)では、個々の症例における化学療法のリスクとベネフィットを考え、治療のメリットが低ければ治療の延期を考慮する。
  • 術後6~12週後の化学療法開始も許容される。
  • 高齢者(年齢≥70歳)や基礎疾患のある患者では、中止も考慮する。
  • 発熱性好中球減少症のリスクが10-15%<のレジメンでは、G-CSF投与を考慮する。
  • 術前・術後療法の適応は、COVID-19流行前と同じ基準で行う。
  • 切除可能なcStage III症例では、術前化学療法を行うべきである。

7)化学放射線療法は続ける?どうして?

  • 限局型小細胞癌、切除不能非小細胞肺癌 (stage III)では同時化学放射線療法を行うべきである。
  • 化学放射線療法は、通常がんの根治を目指して行っているので、既に治療が開始されている場合には完遂するべきである。
  • 切除不能非小細胞肺癌 (stage II)の治療オプションとして、化学放射線療法を考慮することができる。
  • 上大静脈症候群、喀血、脊髄圧迫、骨転移による疼痛、他の生命を脅かすようなOncology emergencyに対して放射線照射を行うべきである。

8)新規化学療法の導入は?

新しく診断された患者には、通常化学療法が行われるべきである。患者がCOVID-19に罹患している場合は、肺炎の状態を考慮して治療を少し遅らせるべきかどうかを慎重に判断する。

9)化学療法は続けるべき?

  • 一般に、切除不能肺癌に対する化学療法は続けるべきである。
  • 治療プロトコールを2週間に1回から3週間に1回のものに変更する、可能であれば点滴治療から内服薬に変更する、など受診回数を減らすことが考慮される。
  • 適切な用量調整にもかかわらず発熱性好中球減少症のリスクが10%<の場合には、G-CSFの一次的予防投与を考慮する。
  • 採血検査を近医で行うことも考慮する。
  • 化学放射線療法後の限局型小細胞肺癌に対する予防的全脳照射(PCI)は行うべきである。

10) 維持療法は続けるべき?

  • 続けることが望ましい。
  • 3から4週の休薬期間または治療と治療の間隔を延長することは考慮しても良い。

11) 新規治療は導入すべき?

新しく診断された転移のあるがん患者に対して治療の種類に関わらず標準的治療を提供し、疾患を制御し、生活の質を維持し、より良いPSを維持または達成すべきである。

12) 分子標的治療薬・免疫チェックポイント阻害薬の治療は?

  • 分子標的治療は行うべきである。経過観察の期間は個人の状況により6週から12週程度まで延長しても良い。
  • 抗PD- (L) 1抗体薬の投与では、例えば2-3週サイクルから4-6週サイクルの治療に変更または遅らせることを考慮する。
  • 局所進行非小細胞肺癌の放射線化学療法後の地固め療法としてDurvalumabの適応がある場合は、行うべきである。
  • 抗PD-(L)1抗体薬を12あるいは18ヶ月以上投与している症例では、次サイクルを遅らせる、サ イクル数を減らす、あるいは全体に治療間隔を長くすることを考慮しても良い。

※Content 4 was written referring to the guideline of The International Association for the Study of Lung Cancer (IASLC) with permission of IALC.
以上の内容は世界肺癌学会議の了承を得て、IALCの指針を参考に記載しました。

※各がん腫に対する治療方針の詳細はESMOの診療指針を参照 (ESMOの了解取得済み):
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バムルンラード病院 モデルナ予約は明日から 

  
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 いつだったか、日本大使館とバムルンラード病院が日本人向けのワクチン情報のセミナーを行なったと聞いて、大使館のHPにアップされていたものをYouTubeで見た。その時に、ライン登録をするといろいろな情報が入ると言っていたので、ライン登録もした。今日、10時からにモデルナについてのLive放送があるとラインが入った。しかも英語の同時通訳もつくとのことで、さっきまで見ていた。

 私は、すでにサミティベートの予約をしているし、BNH病院のリストにも残っていると思うので、これ以上の予約をする必要はないと思う。でも100%正しい情報かと言われると自信はないが、一応英語で説明されていたことのポイントは以下だと思う。

*モデルナワクチンの申し込みは明日7月9日より、ホームページで。
*申し込みには、ワクチン履歴や病歴を記入してもらい、病院側はそれで優先順位を決める。
*ワクチンを打つ人のみ、料金の請求が来る。
*第4四半期(10月から12月)だけしか決まっていないので、正確な時期はわからない。

 またその中で、もうすでにアストラゼネカを1回打った人が、モデルナやファイザーを打つことは有効だと勧めていた。シノバックを2回打った人でさえ、期間を開ければ打った方がいいという意見だったと思う。(シノバックのところは、関係ないと思い、あまり真剣に聞いていなかったので、自信はないです)

 早いもの順ではなく、タイ人も日本人も同じ条件で審査されるようなので公平かなとは思う。私も、もしこの病院で手術を受けていたら、きっと優先順位は上がるんじゃないだろうか。まあでも、サミティベートは連絡が来れば支払うつもりなので、12月までに2回の接種ができると信じたい。

 まだモデルナの予約をされていない方で、関心のある方のお役に立てればと思い、大急ぎでアップしました。私も、明日どんな申込みなのか、ちょっとホームページを覗くつもりです。



 

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(世界肺癌学会議 IASLCの指針を参考に作成)

1) どのようにがんの診療をすべきか?

  • 通常の時と同様に、病理診断、病期診断、および点滴治療が必要な患者さんは入院あるいは外来で診療を行う。現在治療している患者さんは、そのまま継続を試みるが、長期経過観察中やがんサバイバーの方の診察は延期を考慮される。
  • 抗がん薬の点滴による治療は継続する。点滴の投与スケジュールを変更(毎週投与から3週毎への投与、3週毎の投与から4~5週毎への投与)し、外来受診の回数を減らすことも考慮する。病勢が安定していれば、1サイクル分の休薬期間を設けることも考慮する。画像評価を少し延期することも可能である。血液検査は、近医にて施行することを考慮する。

2) 肺がん疑いの患者への検査は?

  • 前もって電話で、あるいは診察室に入る前にCOVID-19に関する症状スクリーニングを行う。
  • CTガイド下針生検が困難になる重大な合併症がなければ、CTガイド下針生検で病理診断を行う(日本ではまず気管支鏡を行うことが多いが、COVID-19流行地域では気管支鏡の施行自体が医療者の曝露リスクが高い)。
  • 気管支鏡やEBUSは、マスクと透明なプラスチック・シールドなどの個人防護具(PPE)を用いて行う。症例により異なるが、緊急性のない検査なら2~4週の延期は可能である(特に病院内にCOVID-19患者が急増しているとき)。

3) 肺がんの疑われる、高齢者や基礎疾患のある患者への生検は?

  • 肺がんが疑われた場合には、COVID-19流行前と同様に、病理診断や病期診断の検査を行う。
  • 経胸壁(CTガイド下あるいはエコー下)針生検による確定診断が望ましい。
  • 症例により異なるが、気管支鏡検査は2~4週の延期を考慮できる。

4) 新しく診断されたがん患者に対する手術は?

  • 術前治療がすでに終了している場合、あるいは新しく診断されたsolid-typeの結節影の場合は、遅延無く手術が行われるべきである。
  • 肺がん部位のsolid componentの程度、PETでのSUV値、solid部分の大きさ、あるいは肺野条件でのすりガラス部分の縦隔条件での消失割合など総合的な判断に基づき手術延期が可能か否かを決定するが、極めて難しい判断となる。
  • 低リスクの早期がん病変、CT画像で微少浸潤腺がん、50%未満のsolid component、3 cm以下の原発巣など比較的早期のがんでは、4週間の手術延期は可能と考える。腫瘍量が大きい場合(例えば4 cm以上、N1陽性、明らかなN2陽性)には、腫瘍内科医は術前の化学療法や化学放射線療法を推奨する。

5) 高齢や基礎疾患を有する患者に対する手術は?

  • 体幹部定位放射線治療(SBRT)などの有効な局所療法が可能な施設が近くにあればそこでの治療が適切であると思われるが、遠距離を移動することは避けたほうが良い。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者であっても、外科手術の対象となるか否かはCOVID-19流行前と同じ基準で判断するのが望ましい。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者の手術適応の判断が難しい場合は、SBRTの可能施設か腫瘍内科へ紹介する。

6)術後化学療法は?

  • 術後再発リスクの高い患者(T3/4 or N2)で、65歳未満で全身状態が良ければ、化学療法が行われるべきである。
  • 再発リスクが中等度の患者(T2b-T3N0 or N1)では、個々の症例のリスクとベネフィット (年齢、基礎疾患の有無、全身状態、副作用など)を考慮するが、治療することが望ましい。
  • 再発リスクが低い患者(T1A-T2bN0)では、個々の症例における化学療法のリスクとベネフィットを考え、治療のメリットが低ければ治療の延期を考慮する。
  • 術後6~12週後の化学療法開始も許容される。
  • 高齢者(年齢≥70歳)や基礎疾患のある患者では、中止も考慮する。
  • 発熱性好中球減少症のリスクが10-15%<のレジメンでは、G-CSF投与を考慮する。
  • 術前・術後療法の適応は、COVID-19流行前と同じ基準で行う。
  • 切除可能なcStage III症例では、術前化学療法を行うべきである。

7)化学放射線療法は続ける?どうして?

  • 限局型小細胞癌、切除不能非小細胞肺癌 (stage III)では同時化学放射線療法を行うべきである。
  • 化学放射線療法は、通常がんの根治を目指して行っているので、既に治療が開始されている場合には完遂するべきである。
  • 切除不能非小細胞肺癌 (stage II)の治療オプションとして、化学放射線療法を考慮することができる。
  • 上大静脈症候群、喀血、脊髄圧迫、骨転移による疼痛、他の生命を脅かすようなOncology emergencyに対して放射線照射を行うべきである。

8)新規化学療法の導入は?

新しく診断された患者には、通常化学療法が行われるべきである。患者がCOVID-19に罹患している場合は、肺炎の状態を考慮して治療を少し遅らせるべきかどうかを慎重に判断する。

9)化学療法は続けるべき?

  • 一般に、切除不能肺癌に対する化学療法は続けるべきである。
  • 治療プロトコールを2週間に1回から3週間に1回のものに変更する、可能であれば点滴治療から内服薬に変更する、など受診回数を減らすことが考慮される。
  • 適切な用量調整にもかかわらず発熱性好中球減少症のリスクが10%<の場合には、G-CSFの一次的予防投与を考慮する。
  • 採血検査を近医で行うことも考慮する。
  • 化学放射線療法後の限局型小細胞肺癌に対する予防的全脳照射(PCI)は行うべきである。

10) 維持療法は続けるべき?

  • 続けることが望ましい。
  • 3から4週の休薬期間または治療と治療の間隔を延長することは考慮しても良い。

11) 新規治療は導入すべき?

新しく診断された転移のあるがん患者に対して治療の種類に関わらず標準的治療を提供し、疾患を制御し、生活の質を維持し、より良いPSを維持または達成すべきである。

12) 分子標的治療薬・免疫チェックポイント阻害薬の治療は?

  • 分子標的治療は行うべきである。経過観察の期間は個人の状況により6週から12週程度まで延長しても良い。
  • 抗PD- (L) 1抗体薬の投与では、例えば2-3週サイクルから4-6週サイクルの治療に変更または遅らせることを考慮する。
  • 局所進行非小細胞肺癌の放射線化学療法後の地固め療法としてDurvalumabの適応がある場合は、行うべきである。
  • 抗PD-(L)1抗体薬を12あるいは18ヶ月以上投与している症例では、次サイクルを遅らせる、サ イクル数を減らす、あるいは全体に治療間隔を長くすることを考慮しても良い。

※Content 4 was written referring to the guideline of The International Association for the Study of Lung Cancer (IASLC) with permission of IALC.
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