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がんになっても地球旅行

病気には無縁と思ってた元バックパッカー、タイの大学で日本語教師をしていた2019年4月バンコクで肺腺癌(1A)手術。2022年6月に日本に帰国後もタイをメインに地球旅行に出かけています。

2021年09月

たった4日の自主隔離短縮に3万円!

 タイはワクチン2回接種していれば、10月からの隔離は1週間になった。確か5月ごろだったか、一度短縮されたことがあるが、4月末のバンコクのクラスター以来一気に増え、また2週間に戻ってしまった。さあ今回はどうだろう。11月からはバンコクを含む10以上の県で隔離検疫なしの受け入れが予定されている。

 そして日本も10月1日からの水際対策措置が実施と大使館から連絡があったのだが、読んで思わず???となってしまった。内容は以下だったが、簡単に書きなおしている

1 以下の条件にすべて当てはまる人
(1)令和3年10月1日午前0時以降に入国・帰国される方。
(2)ファイザー、アストラゼネカ、モデルナの接種証明のみが有効。
(3)ワクチン2回以上接種していること、異種ワクチンでも2回必要。
(4)2回目のワクチン接種日から、14日以上経過していること。
(5)入国後10日目以降に改めて自主的に受けたPCR検査又は抗原定量検査の陰性の結果を厚生労働省に届け出た方。

 最後の(5)だけ大使館の文章をそのまま使ったが、読んでここに引っかかったのだ。これはつまり10日目に、自分でPCR検査を受けに行き、その結果を自分で厚生労働省に届けるということか。

 しかも検査はPCR検査か抗原定量検査のみで、タイで入手できるATK(簡易キット)ではだめということだよなあ。それで厚生労働省のHPで、大阪府で検査ができるリストを見てびっくり。病院だと15000円から40000円もするのだ。ただし伊丹空港の中に検査センターがあり、それが底値で2300円、そして大阪PCR検査センターというのも4か所あり2980円。

 これって10日目にわざわざ空港か大阪市内に出向いて検査を受け、それを自分で届け出る。そうすれば残り4日はもう好きにしてよいということか。たった4日のために、歩いて行ける病院だと38500円、空港までだと交通費が往復1500円ほどかかるので計3800円。イヤー私ならあと4日家にいるほうがましだと思う。

 それにネット上では、日本の自主隔離は完全な閉じ込め生活ではなくて、近くに買い物に行ったりする人も多いし、もっとルール違反をしている人もいると聞く。私も、早朝とか夜に家の近くを散歩するくらいはいいのではないかと思っている。つまりタイの完全閉じ込め生活に比べるとずいぶん甘いのに、なぜここに来て水際対策の緩和とか偉そうなことを言うんだろう。こんな緩和の仕方を誰が望んでいるというのだろう。

 ちなみに東京だと底値は羽田空港の2000円だった。そして同じ母体の検査センターが都内で2300円。でもそれ以外の都市は病院しかなければ、やはり2,3万はかかるようだ。

 私は今、年末に日本に帰るかどうかをものすごく悩んでいる。父の一周忌に合わせてと思っていたが、タイへ戻るときの手続きや費用を考えると、気が重くなってきたのだ。それに来年5月以降には、もう本帰国をしようと思っているので、1月末にこちらに戻っても残り4か月ほどになる。それに一周忌に関しては、母も弟も「気にしないでいい」と言ってくれているのだ。

 前回タイの隔離機関短縮は1ヶ月しか持たなかった。さあ今度はどうだろう。本当にタイが「開国」されるのか。11月に隔離なしで受け入れも、間に合うか怪しいと思っているし、その後また入国した外国人から感染者が見つかったら、また隔離期間を作るんだろうか。とにかくタイは、急な発表というのも多いので、早くから予定はたてられない。

  今日のバンコクのワクチン接種率、2回接種した人が48%を超えた(1回目は97.2%)。やっぱり開国に向けて、政府も必死なんだなあ。


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(世界肺癌学会議 IASLCの指針を参考に作成)

1) どのようにがんの診療をすべきか?

  • 通常の時と同様に、病理診断、病期診断、および点滴治療が必要な患者さんは入院あるいは外来で診療を行う。現在治療している患者さんは、そのまま継続を試みるが、長期経過観察中やがんサバイバーの方の診察は延期を考慮される。
  • 抗がん薬の点滴による治療は継続する。点滴の投与スケジュールを変更(毎週投与から3週毎への投与、3週毎の投与から4~5週毎への投与)し、外来受診の回数を減らすことも考慮する。病勢が安定していれば、1サイクル分の休薬期間を設けることも考慮する。画像評価を少し延期することも可能である。血液検査は、近医にて施行することを考慮する。

2) 肺がん疑いの患者への検査は?

  • 前もって電話で、あるいは診察室に入る前にCOVID-19に関する症状スクリーニングを行う。
  • CTガイド下針生検が困難になる重大な合併症がなければ、CTガイド下針生検で病理診断を行う(日本ではまず気管支鏡を行うことが多いが、COVID-19流行地域では気管支鏡の施行自体が医療者の曝露リスクが高い)。
  • 気管支鏡やEBUSは、マスクと透明なプラスチック・シールドなどの個人防護具(PPE)を用いて行う。症例により異なるが、緊急性のない検査なら2~4週の延期は可能である(特に病院内にCOVID-19患者が急増しているとき)。

3) 肺がんの疑われる、高齢者や基礎疾患のある患者への生検は?

  • 肺がんが疑われた場合には、COVID-19流行前と同様に、病理診断や病期診断の検査を行う。
  • 経胸壁(CTガイド下あるいはエコー下)針生検による確定診断が望ましい。
  • 症例により異なるが、気管支鏡検査は2~4週の延期を考慮できる。

4) 新しく診断されたがん患者に対する手術は?

  • 術前治療がすでに終了している場合、あるいは新しく診断されたsolid-typeの結節影の場合は、遅延無く手術が行われるべきである。
  • 肺がん部位のsolid componentの程度、PETでのSUV値、solid部分の大きさ、あるいは肺野条件でのすりガラス部分の縦隔条件での消失割合など総合的な判断に基づき手術延期が可能か否かを決定するが、極めて難しい判断となる。
  • 低リスクの早期がん病変、CT画像で微少浸潤腺がん、50%未満のsolid component、3 cm以下の原発巣など比較的早期のがんでは、4週間の手術延期は可能と考える。腫瘍量が大きい場合(例えば4 cm以上、N1陽性、明らかなN2陽性)には、腫瘍内科医は術前の化学療法や化学放射線療法を推奨する。

5) 高齢や基礎疾患を有する患者に対する手術は?

  • 体幹部定位放射線治療(SBRT)などの有効な局所療法が可能な施設が近くにあればそこでの治療が適切であると思われるが、遠距離を移動することは避けたほうが良い。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者であっても、外科手術の対象となるか否かはCOVID-19流行前と同じ基準で判断するのが望ましい。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者の手術適応の判断が難しい場合は、SBRTの可能施設か腫瘍内科へ紹介する。

6)術後化学療法は?

  • 術後再発リスクの高い患者(T3/4 or N2)で、65歳未満で全身状態が良ければ、化学療法が行われるべきである。
  • 再発リスクが中等度の患者(T2b-T3N0 or N1)では、個々の症例のリスクとベネフィット (年齢、基礎疾患の有無、全身状態、副作用など)を考慮するが、治療することが望ましい。
  • 再発リスクが低い患者(T1A-T2bN0)では、個々の症例における化学療法のリスクとベネフィットを考え、治療のメリットが低ければ治療の延期を考慮する。
  • 術後6~12週後の化学療法開始も許容される。
  • 高齢者(年齢≥70歳)や基礎疾患のある患者では、中止も考慮する。
  • 発熱性好中球減少症のリスクが10-15%<のレジメンでは、G-CSF投与を考慮する。
  • 術前・術後療法の適応は、COVID-19流行前と同じ基準で行う。
  • 切除可能なcStage III症例では、術前化学療法を行うべきである。

7)化学放射線療法は続ける?どうして?

  • 限局型小細胞癌、切除不能非小細胞肺癌 (stage III)では同時化学放射線療法を行うべきである。
  • 化学放射線療法は、通常がんの根治を目指して行っているので、既に治療が開始されている場合には完遂するべきである。
  • 切除不能非小細胞肺癌 (stage II)の治療オプションとして、化学放射線療法を考慮することができる。
  • 上大静脈症候群、喀血、脊髄圧迫、骨転移による疼痛、他の生命を脅かすようなOncology emergencyに対して放射線照射を行うべきである。

8)新規化学療法の導入は?

新しく診断された患者には、通常化学療法が行われるべきである。患者がCOVID-19に罹患している場合は、肺炎の状態を考慮して治療を少し遅らせるべきかどうかを慎重に判断する。

9)化学療法は続けるべき?

  • 一般に、切除不能肺癌に対する化学療法は続けるべきである。
  • 治療プロトコールを2週間に1回から3週間に1回のものに変更する、可能であれば点滴治療から内服薬に変更する、など受診回数を減らすことが考慮される。
  • 適切な用量調整にもかかわらず発熱性好中球減少症のリスクが10%<の場合には、G-CSFの一次的予防投与を考慮する。
  • 採血検査を近医で行うことも考慮する。
  • 化学放射線療法後の限局型小細胞肺癌に対する予防的全脳照射(PCI)は行うべきである。

10) 維持療法は続けるべき?

  • 続けることが望ましい。
  • 3から4週の休薬期間または治療と治療の間隔を延長することは考慮しても良い。

11) 新規治療は導入すべき?

新しく診断された転移のあるがん患者に対して治療の種類に関わらず標準的治療を提供し、疾患を制御し、生活の質を維持し、より良いPSを維持または達成すべきである。

12) 分子標的治療薬・免疫チェックポイント阻害薬の治療は?

  • 分子標的治療は行うべきである。経過観察の期間は個人の状況により6週から12週程度まで延長しても良い。
  • 抗PD- (L) 1抗体薬の投与では、例えば2-3週サイクルから4-6週サイクルの治療に変更または遅らせることを考慮する。
  • 局所進行非小細胞肺癌の放射線化学療法後の地固め療法としてDurvalumabの適応がある場合は、行うべきである。
  • 抗PD-(L)1抗体薬を12あるいは18ヶ月以上投与している症例では、次サイクルを遅らせる、サ イクル数を減らす、あるいは全体に治療間隔を長くすることを考慮しても良い。

※Content 4 was written referring to the guideline of The International Association for the Study of Lung Cancer (IASLC) with permission of IALC.
以上の内容は世界肺癌学会議の了承を得て、IALCの指針を参考に記載しました。

※各がん腫に対する治療方針の詳細はESMOの診療指針を参照 (ESMOの了解取得済み):
https://www.esmo.org/guidelines/cancer-patient-management-during-the-covid-19-pandemi



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謙譲語と謙遜表現

 今日のタイトルは、PCで変換されるから漢字だが、実は書きなさいと言われたら自信はない。本当に日本語教師をしていたのかと言われそうだが、外国人へ日本語を教えるのに、難しい書く必要はあまりないのだ。実際4年弱しか教えておらず経験も少ないので、日本語教育についての話題はほとんど書いたことはない。でもひとつ、日常生活の中でなんとなく疑問に思ったことを書いてみたい。

 ほとんどの学生たちが頭を悩ませるのものとして、敬語が一番にあげられるかもしれない。日本語の敬語は、外国人の日本語学習者だけではなく、日本人にも使い方は難しい。私自身も無意識に使ってきたが、実際教えるようになると、誤用に気づくこともある。
 
 敬語には、尊敬語と謙譲(けんじょう)語と言う種類がある。学生たちに説明するときは、尊敬語は「相手を一段上に上がってもらう」とか「持ち上げる」表現と教えている。謙譲語は、「自分が一段下がる」とか「下の立場にする」表現と説明する。
 
 タイ語の敬語は尊敬語にあたるものとして、国王や王族、僧に使う特別な言葉がある。タイ語を勉強している人間にとって、これはこれで大変だ。王様に使われる単語は以上に長いことが多い。タイ人は覚えているのだろうかと思い学生に聞いたことがあるが、聞いて理解はできるが、間違えずに使う自信がないと言っていた。

 一方、謙譲語にあたる表現はないように思う。(ただ私もまだまだ学習途中のため、まちがっていたら、どうぞご指摘ください)そのため、学生には謙譲語がイメージしにくいのだ。そして外国人はルール通りに敬語を作るので、「お(ご)+動詞+なります」(尊敬語)と「お(ご)+動詞+します」(謙譲語)の区別が難しい。
「いつ日本へお帰りになりますか。」(相手の動作なので尊敬語)
「今日お届けします。」(自分の動作なので謙譲語)
 *昨日の例文がコピペミスもあり間違えていましたので訂正しました
 
こんな授業のようなことを書くつもりはなかった(苦笑)。それよりも日本人が使う表現に疑問を感じたことを書きたかったのだ。

 以下の表現を聞いて、どう思われるだろうか。

 「私とは違い皆さんは、充分な経験をお持ちのかたばかりですから・・・」
 「つまらないものですが、よろしければどうぞ。」

 会話で聞く場合と、文章で読むのでは、かなり印象が違う。どちらも謙遜表現であると思うが、私は上の文は、嫌味に聞こえるし、下の文は、「つまらないなら、いらない」と突っ込みそうだ。 

 手土産を「つまらないものですが」と渡すのは、もう昭和の文化かもしれない。平成生まれの娘は聞いたことがないと言う。私だって言った記憶がない。つまり謙遜表現というものは、消えつつあるのではないかと思ったのだ。そして使い方によっては、相手に嫌味を言っているように聞こえることもある。もう何でもストレートに表現する世の中になっているのかなあと思う。

 ただ日本には「一を聞いて十を知る」とか「忖度」とか、はっきり口に出さないことを美徳とする文化があるので、謙遜表現も完全に消えてなくなることはないと思う。でも私のように思ったことをすぐ口に出してしまう人間にとって、謙遜表現は難しい。

規制前にメモリアルブリッジからチャオプラヤー川を眺めて
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(世界肺癌学会議 IASLCの指針を参考に作成)

1) どのようにがんの診療をすべきか?

  • 通常の時と同様に、病理診断、病期診断、および点滴治療が必要な患者さんは入院あるいは外来で診療を行う。現在治療している患者さんは、そのまま継続を試みるが、長期経過観察中やがんサバイバーの方の診察は延期を考慮される。
  • 抗がん薬の点滴による治療は継続する。点滴の投与スケジュールを変更(毎週投与から3週毎への投与、3週毎の投与から4~5週毎への投与)し、外来受診の回数を減らすことも考慮する。病勢が安定していれば、1サイクル分の休薬期間を設けることも考慮する。画像評価を少し延期することも可能である。血液検査は、近医にて施行することを考慮する。

2) 肺がん疑いの患者への検査は?

  • 前もって電話で、あるいは診察室に入る前にCOVID-19に関する症状スクリーニングを行う。
  • CTガイド下針生検が困難になる重大な合併症がなければ、CTガイド下針生検で病理診断を行う(日本ではまず気管支鏡を行うことが多いが、COVID-19流行地域では気管支鏡の施行自体が医療者の曝露リスクが高い)。
  • 気管支鏡やEBUSは、マスクと透明なプラスチック・シールドなどの個人防護具(PPE)を用いて行う。症例により異なるが、緊急性のない検査なら2~4週の延期は可能である(特に病院内にCOVID-19患者が急増しているとき)。

3) 肺がんの疑われる、高齢者や基礎疾患のある患者への生検は?

  • 肺がんが疑われた場合には、COVID-19流行前と同様に、病理診断や病期診断の検査を行う。
  • 経胸壁(CTガイド下あるいはエコー下)針生検による確定診断が望ましい。
  • 症例により異なるが、気管支鏡検査は2~4週の延期を考慮できる。

4) 新しく診断されたがん患者に対する手術は?

  • 術前治療がすでに終了している場合、あるいは新しく診断されたsolid-typeの結節影の場合は、遅延無く手術が行われるべきである。
  • 肺がん部位のsolid componentの程度、PETでのSUV値、solid部分の大きさ、あるいは肺野条件でのすりガラス部分の縦隔条件での消失割合など総合的な判断に基づき手術延期が可能か否かを決定するが、極めて難しい判断となる。
  • 低リスクの早期がん病変、CT画像で微少浸潤腺がん、50%未満のsolid component、3 cm以下の原発巣など比較的早期のがんでは、4週間の手術延期は可能と考える。腫瘍量が大きい場合(例えば4 cm以上、N1陽性、明らかなN2陽性)には、腫瘍内科医は術前の化学療法や化学放射線療法を推奨する。

5) 高齢や基礎疾患を有する患者に対する手術は?

  • 体幹部定位放射線治療(SBRT)などの有効な局所療法が可能な施設が近くにあればそこでの治療が適切であると思われるが、遠距離を移動することは避けたほうが良い。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者であっても、外科手術の対象となるか否かはCOVID-19流行前と同じ基準で判断するのが望ましい。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者の手術適応の判断が難しい場合は、SBRTの可能施設か腫瘍内科へ紹介する。

6)術後化学療法は?

  • 術後再発リスクの高い患者(T3/4 or N2)で、65歳未満で全身状態が良ければ、化学療法が行われるべきである。
  • 再発リスクが中等度の患者(T2b-T3N0 or N1)では、個々の症例のリスクとベネフィット (年齢、基礎疾患の有無、全身状態、副作用など)を考慮するが、治療することが望ましい。
  • 再発リスクが低い患者(T1A-T2bN0)では、個々の症例における化学療法のリスクとベネフィットを考え、治療のメリットが低ければ治療の延期を考慮する。
  • 術後6~12週後の化学療法開始も許容される。
  • 高齢者(年齢≥70歳)や基礎疾患のある患者では、中止も考慮する。
  • 発熱性好中球減少症のリスクが10-15%<のレジメンでは、G-CSF投与を考慮する。
  • 術前・術後療法の適応は、COVID-19流行前と同じ基準で行う。
  • 切除可能なcStage III症例では、術前化学療法を行うべきである。

7)化学放射線療法は続ける?どうして?

  • 限局型小細胞癌、切除不能非小細胞肺癌 (stage III)では同時化学放射線療法を行うべきである。
  • 化学放射線療法は、通常がんの根治を目指して行っているので、既に治療が開始されている場合には完遂するべきである。
  • 切除不能非小細胞肺癌 (stage II)の治療オプションとして、化学放射線療法を考慮することができる。
  • 上大静脈症候群、喀血、脊髄圧迫、骨転移による疼痛、他の生命を脅かすようなOncology emergencyに対して放射線照射を行うべきである。

8)新規化学療法の導入は?

新しく診断された患者には、通常化学療法が行われるべきである。患者がCOVID-19に罹患している場合は、肺炎の状態を考慮して治療を少し遅らせるべきかどうかを慎重に判断する。

9)化学療法は続けるべき?

  • 一般に、切除不能肺癌に対する化学療法は続けるべきである。
  • 治療プロトコールを2週間に1回から3週間に1回のものに変更する、可能であれば点滴治療から内服薬に変更する、など受診回数を減らすことが考慮される。
  • 適切な用量調整にもかかわらず発熱性好中球減少症のリスクが10%<の場合には、G-CSFの一次的予防投与を考慮する。
  • 採血検査を近医で行うことも考慮する。
  • 化学放射線療法後の限局型小細胞肺癌に対する予防的全脳照射(PCI)は行うべきである。

10) 維持療法は続けるべき?

  • 続けることが望ましい。
  • 3から4週の休薬期間または治療と治療の間隔を延長することは考慮しても良い。

11) 新規治療は導入すべき?

新しく診断された転移のあるがん患者に対して治療の種類に関わらず標準的治療を提供し、疾患を制御し、生活の質を維持し、より良いPSを維持または達成すべきである。

12) 分子標的治療薬・免疫チェックポイント阻害薬の治療は?

  • 分子標的治療は行うべきである。経過観察の期間は個人の状況により6週から12週程度まで延長しても良い。
  • 抗PD- (L) 1抗体薬の投与では、例えば2-3週サイクルから4-6週サイクルの治療に変更または遅らせることを考慮する。
  • 局所進行非小細胞肺癌の放射線化学療法後の地固め療法としてDurvalumabの適応がある場合は、行うべきである。
  • 抗PD-(L)1抗体薬を12あるいは18ヶ月以上投与している症例では、次サイクルを遅らせる、サ イクル数を減らす、あるいは全体に治療間隔を長くすることを考慮しても良い。

※Content 4 was written referring to the guideline of The International Association for the Study of Lung Cancer (IASLC) with permission of IALC.
以上の内容は世界肺癌学会議の了承を得て、IALCの指針を参考に記載しました。

※各がん腫に対する治療方針の詳細はESMOの診療指針を参照 (ESMOの了解取得済み):
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ワクチンを打てない人の権利は?

 日本でもワクチン2回接種した人が優遇されるような事例が出てきているそうだが、タイではすでにワクチン証明かPCR検査や抗体検査の証明がないと、隔離が必要な県がある。一方、国立公園が再オープンというニュースもあるし、来月から規制が緩和される可能性もある。それでもワクチンを打っていないと、気楽に旅行もできないということになる。

 でもアレルギーや何かの疾患でワクチンを打てない人はかなりいるのではないだろうか。もちろん打ちたくないと思っている人もいるだろう。でもその人たちが行動制限されたり、またワクチン未接種者という偏見の目で見られるのは問題があると思う。

 私が読んだネットの記事は、東京在住のアレルギーのためにワクチンを打てない女性が、「ワクチンパスポートが導入されれば、地方に帰省したり、イベントに参加することもできなくなるのではないかとと感じる」と話されていて、ちょっと怖くなった。日本はタイよりも同調主義が強いような気がするし、気楽に皆が「ワクチン打った?」と聞くかもしれない。

 私は肺切除を受けているし、年齢的にもコロナにかかったら重症化する可能性が高いと思っているので、ワクチンを打つことには疑問はなかった。日本で先に打った母や娘の様子も聞いて、体質的にも副反応は少ないのではないかと思っていた。そして実際2回目に少し発熱があっただけですんだ。でもアレルギー体質の人は、やはり不安が大きいだろうし、またニュースでワクチン後に亡くなった人の話も出ていれば、打ちたくない気持ちもわかる。

 これからwithコロナの世の中だとよく聞くが、ワクチン接種者と未接種者も共存しながらwithコロナの世界に生きていくのは難しいのだろうか。でもそれは、人の意識の問題ではないのだろうか。と、理想論を書きながら、もし私に中高生の子どもがいて、クラスに4,5人(10%)ワクチン接種をしていない子がいると言われたら、「その子たちには気をつけて」と言わない自信がない。やはり子どものことなら、身勝手になりそうだ。

 少なくとも、あまり親しくない人に「ワクチン打った?」と聞くのはやめようと思う。まあバンコクの接種率は1回目はすでに96.59%、2回目も46.3%になっているので、きっと私の知っている人はみんな接種済みだろう。それでも打ちたくても打てない人がいることを、忘れないでいようと思う。

 さて、今日は2か月ぶりに友人と家で食事をした。相変わらず飽きもせずインド料理。4種類のカレーがついたタリー(セット)にナン一枚とチキンティッカを追加して522バーツ(1800円)くらい。お昼に食べたけど、実は夕食もお腹に入らないほど満腹になった。


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 友人と食事をし、コーヒーを飲み、延々と5時間近くも話し込んだ。おかげで気分はすっきり。やはり人と話すことは、ストレス発散になるのだなと実感する。


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(世界肺癌学会議 IASLCの指針を参考に作成)

1) どのようにがんの診療をすべきか?

  • 通常の時と同様に、病理診断、病期診断、および点滴治療が必要な患者さんは入院あるいは外来で診療を行う。現在治療している患者さんは、そのまま継続を試みるが、長期経過観察中やがんサバイバーの方の診察は延期を考慮される。
  • 抗がん薬の点滴による治療は継続する。点滴の投与スケジュールを変更(毎週投与から3週毎への投与、3週毎の投与から4~5週毎への投与)し、外来受診の回数を減らすことも考慮する。病勢が安定していれば、1サイクル分の休薬期間を設けることも考慮する。画像評価を少し延期することも可能である。血液検査は、近医にて施行することを考慮する。

2) 肺がん疑いの患者への検査は?

  • 前もって電話で、あるいは診察室に入る前にCOVID-19に関する症状スクリーニングを行う。
  • CTガイド下針生検が困難になる重大な合併症がなければ、CTガイド下針生検で病理診断を行う(日本ではまず気管支鏡を行うことが多いが、COVID-19流行地域では気管支鏡の施行自体が医療者の曝露リスクが高い)。
  • 気管支鏡やEBUSは、マスクと透明なプラスチック・シールドなどの個人防護具(PPE)を用いて行う。症例により異なるが、緊急性のない検査なら2~4週の延期は可能である(特に病院内にCOVID-19患者が急増しているとき)。

3) 肺がんの疑われる、高齢者や基礎疾患のある患者への生検は?

  • 肺がんが疑われた場合には、COVID-19流行前と同様に、病理診断や病期診断の検査を行う。
  • 経胸壁(CTガイド下あるいはエコー下)針生検による確定診断が望ましい。
  • 症例により異なるが、気管支鏡検査は2~4週の延期を考慮できる。

4) 新しく診断されたがん患者に対する手術は?

  • 術前治療がすでに終了している場合、あるいは新しく診断されたsolid-typeの結節影の場合は、遅延無く手術が行われるべきである。
  • 肺がん部位のsolid componentの程度、PETでのSUV値、solid部分の大きさ、あるいは肺野条件でのすりガラス部分の縦隔条件での消失割合など総合的な判断に基づき手術延期が可能か否かを決定するが、極めて難しい判断となる。
  • 低リスクの早期がん病変、CT画像で微少浸潤腺がん、50%未満のsolid component、3 cm以下の原発巣など比較的早期のがんでは、4週間の手術延期は可能と考える。腫瘍量が大きい場合(例えば4 cm以上、N1陽性、明らかなN2陽性)には、腫瘍内科医は術前の化学療法や化学放射線療法を推奨する。

5) 高齢や基礎疾患を有する患者に対する手術は?

  • 体幹部定位放射線治療(SBRT)などの有効な局所療法が可能な施設が近くにあればそこでの治療が適切であると思われるが、遠距離を移動することは避けたほうが良い。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者であっても、外科手術の対象となるか否かはCOVID-19流行前と同じ基準で判断するのが望ましい。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者の手術適応の判断が難しい場合は、SBRTの可能施設か腫瘍内科へ紹介する。

6)術後化学療法は?

  • 術後再発リスクの高い患者(T3/4 or N2)で、65歳未満で全身状態が良ければ、化学療法が行われるべきである。
  • 再発リスクが中等度の患者(T2b-T3N0 or N1)では、個々の症例のリスクとベネフィット (年齢、基礎疾患の有無、全身状態、副作用など)を考慮するが、治療することが望ましい。
  • 再発リスクが低い患者(T1A-T2bN0)では、個々の症例における化学療法のリスクとベネフィットを考え、治療のメリットが低ければ治療の延期を考慮する。
  • 術後6~12週後の化学療法開始も許容される。
  • 高齢者(年齢≥70歳)や基礎疾患のある患者では、中止も考慮する。
  • 発熱性好中球減少症のリスクが10-15%<のレジメンでは、G-CSF投与を考慮する。
  • 術前・術後療法の適応は、COVID-19流行前と同じ基準で行う。
  • 切除可能なcStage III症例では、術前化学療法を行うべきである。

7)化学放射線療法は続ける?どうして?

  • 限局型小細胞癌、切除不能非小細胞肺癌 (stage III)では同時化学放射線療法を行うべきである。
  • 化学放射線療法は、通常がんの根治を目指して行っているので、既に治療が開始されている場合には完遂するべきである。
  • 切除不能非小細胞肺癌 (stage II)の治療オプションとして、化学放射線療法を考慮することができる。
  • 上大静脈症候群、喀血、脊髄圧迫、骨転移による疼痛、他の生命を脅かすようなOncology emergencyに対して放射線照射を行うべきである。

8)新規化学療法の導入は?

新しく診断された患者には、通常化学療法が行われるべきである。患者がCOVID-19に罹患している場合は、肺炎の状態を考慮して治療を少し遅らせるべきかどうかを慎重に判断する。

9)化学療法は続けるべき?

  • 一般に、切除不能肺癌に対する化学療法は続けるべきである。
  • 治療プロトコールを2週間に1回から3週間に1回のものに変更する、可能であれば点滴治療から内服薬に変更する、など受診回数を減らすことが考慮される。
  • 適切な用量調整にもかかわらず発熱性好中球減少症のリスクが10%<の場合には、G-CSFの一次的予防投与を考慮する。
  • 採血検査を近医で行うことも考慮する。
  • 化学放射線療法後の限局型小細胞肺癌に対する予防的全脳照射(PCI)は行うべきである。

10) 維持療法は続けるべき?

  • 続けることが望ましい。
  • 3から4週の休薬期間または治療と治療の間隔を延長することは考慮しても良い。

11) 新規治療は導入すべき?

新しく診断された転移のあるがん患者に対して治療の種類に関わらず標準的治療を提供し、疾患を制御し、生活の質を維持し、より良いPSを維持または達成すべきである。

12) 分子標的治療薬・免疫チェックポイント阻害薬の治療は?

  • 分子標的治療は行うべきである。経過観察の期間は個人の状況により6週から12週程度まで延長しても良い。
  • 抗PD- (L) 1抗体薬の投与では、例えば2-3週サイクルから4-6週サイクルの治療に変更または遅らせることを考慮する。
  • 局所進行非小細胞肺癌の放射線化学療法後の地固め療法としてDurvalumabの適応がある場合は、行うべきである。
  • 抗PD-(L)1抗体薬を12あるいは18ヶ月以上投与している症例では、次サイクルを遅らせる、サ イクル数を減らす、あるいは全体に治療間隔を長くすることを考慮しても良い。

※Content 4 was written referring to the guideline of The International Association for the Study of Lung Cancer (IASLC) with permission of IALC.
以上の内容は世界肺癌学会議の了承を得て、IALCの指針を参考に記載しました。

※各がん腫に対する治療方針の詳細はESMOの診療指針を参照 (ESMOの了解取得済み):
https://www.esmo.org/guidelines/cancer-patient-management-during-the-covid-19-pandemi



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同じ意味を持つタイと日本のことわざ

 この前、タイと日本で同じ内容を持つことわざについて書いた。教えてもらったことわざは、ビジネスに関するものだが他にも応用できるものが多い。その中で、日本と同じ意味があることわざが他にもあったので、自分の復習メモ代わりに書いておこうと思う。

“น้ำขึ้นให้รีบตัก”  「水面が上がったら急いですくえ」
  タイでは雨季になると川の水面が上がってくるので、こんな言い方をするらしいが、意味は、良い機会があれば急いでその機会をつかめということ。日本語だと、「チャンスは前髪をつかめ」だと思ったが、実は語源をはっきり知らなかった。たぶん英語から来ているのだろうなと思い調べてみると、"Seize the fortune by the forelock"(幸運の女神は前髪しかない)の訳だった。つまり日本が発祥の同じことわざはないということかな。

“เก็บเบี้ยใต้ถุนร้าน” 「店の軒下の小銭を集めよ」 
 これはタイの昔の建物は、高床式で建てられていたので、軒下に小銭のような小さなものが落ちていることが多かったからだそうだ。意味は「小銭でも少しずつ集めれば、大きなお金になる」ということなので、日本語だと、「ちりも積もれば山となる」。でもこれはタイの方が、現実的かなと思う。タイ人はお金のことを平気で口にするし、宝くじも大好きだ。「ちりも積もれば」だとあまり頑張る気になれないように思う。


“จับปลาสองมือ” 「両方の手で魚を捕まえろ」
これにはこのイラストが載っていた
OIP
 イラストを見ると、両手を使うと2匹捕まえられるからいいのかと思ったら、説明を読んでびっくり。これは二つのことを同時にすると、どちらもうまくいかないかもしれないということらしい。つまり日本語だと「二兎を追う者は一兎をも得ず」。  
 でもこのイラストはちょっとややこしい。

“เข้าเมืองตาหลิ่ว ต้องหลิ่วตาตาม” 
「片目の国に入ったら、それにならって片目をつむらなければならない」
 これは訳しただけでもわかる。日本語で「郷に入っては郷に従え」英語の "When in Rome, do as the Romans do"
 

กำแพงมีหู ประตูมีช่อง 
「壁に耳があり、ドアには窓口がある」
 これも日本語とほとんど同じだ。「壁に耳あり、障子に目あり」


งมเข็มในมหาสมุทร 
「大海で針を探す」 これは四字熟語で全く同じ意味をもつものがあった。「大海撈針(たいかいろうしん)」と言うらしいが、これも聞いたことがあるようなないような。四字熟語ということは中国語が起源なんだろうか。(でも調べていないのでわからない)。

 最後は授業で習ったものではなく、今のコロナ禍で希望を持てるようなことわざをひとつ。
「雲の上はいつも晴れ」今うまくいっていなくても、それを乗り越えた後には、明るい未来があるはず!

去年のチェンライでの写真、雲が消えれば朝日が見える
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(世界肺癌学会議 IASLCの指針を参考に作成)

1) どのようにがんの診療をすべきか?

  • 通常の時と同様に、病理診断、病期診断、および点滴治療が必要な患者さんは入院あるいは外来で診療を行う。現在治療している患者さんは、そのまま継続を試みるが、長期経過観察中やがんサバイバーの方の診察は延期を考慮される。
  • 抗がん薬の点滴による治療は継続する。点滴の投与スケジュールを変更(毎週投与から3週毎への投与、3週毎の投与から4~5週毎への投与)し、外来受診の回数を減らすことも考慮する。病勢が安定していれば、1サイクル分の休薬期間を設けることも考慮する。画像評価を少し延期することも可能である。血液検査は、近医にて施行することを考慮する。

2) 肺がん疑いの患者への検査は?

  • 前もって電話で、あるいは診察室に入る前にCOVID-19に関する症状スクリーニングを行う。
  • CTガイド下針生検が困難になる重大な合併症がなければ、CTガイド下針生検で病理診断を行う(日本ではまず気管支鏡を行うことが多いが、COVID-19流行地域では気管支鏡の施行自体が医療者の曝露リスクが高い)。
  • 気管支鏡やEBUSは、マスクと透明なプラスチック・シールドなどの個人防護具(PPE)を用いて行う。症例により異なるが、緊急性のない検査なら2~4週の延期は可能である(特に病院内にCOVID-19患者が急増しているとき)。

3) 肺がんの疑われる、高齢者や基礎疾患のある患者への生検は?

  • 肺がんが疑われた場合には、COVID-19流行前と同様に、病理診断や病期診断の検査を行う。
  • 経胸壁(CTガイド下あるいはエコー下)針生検による確定診断が望ましい。
  • 症例により異なるが、気管支鏡検査は2~4週の延期を考慮できる。

4) 新しく診断されたがん患者に対する手術は?

  • 術前治療がすでに終了している場合、あるいは新しく診断されたsolid-typeの結節影の場合は、遅延無く手術が行われるべきである。
  • 肺がん部位のsolid componentの程度、PETでのSUV値、solid部分の大きさ、あるいは肺野条件でのすりガラス部分の縦隔条件での消失割合など総合的な判断に基づき手術延期が可能か否かを決定するが、極めて難しい判断となる。
  • 低リスクの早期がん病変、CT画像で微少浸潤腺がん、50%未満のsolid component、3 cm以下の原発巣など比較的早期のがんでは、4週間の手術延期は可能と考える。腫瘍量が大きい場合(例えば4 cm以上、N1陽性、明らかなN2陽性)には、腫瘍内科医は術前の化学療法や化学放射線療法を推奨する。

5) 高齢や基礎疾患を有する患者に対する手術は?

  • 体幹部定位放射線治療(SBRT)などの有効な局所療法が可能な施設が近くにあればそこでの治療が適切であると思われるが、遠距離を移動することは避けたほうが良い。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者であっても、外科手術の対象となるか否かはCOVID-19流行前と同じ基準で判断するのが望ましい。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者の手術適応の判断が難しい場合は、SBRTの可能施設か腫瘍内科へ紹介する。

6)術後化学療法は?

  • 術後再発リスクの高い患者(T3/4 or N2)で、65歳未満で全身状態が良ければ、化学療法が行われるべきである。
  • 再発リスクが中等度の患者(T2b-T3N0 or N1)では、個々の症例のリスクとベネフィット (年齢、基礎疾患の有無、全身状態、副作用など)を考慮するが、治療することが望ましい。
  • 再発リスクが低い患者(T1A-T2bN0)では、個々の症例における化学療法のリスクとベネフィットを考え、治療のメリットが低ければ治療の延期を考慮する。
  • 術後6~12週後の化学療法開始も許容される。
  • 高齢者(年齢≥70歳)や基礎疾患のある患者では、中止も考慮する。
  • 発熱性好中球減少症のリスクが10-15%<のレジメンでは、G-CSF投与を考慮する。
  • 術前・術後療法の適応は、COVID-19流行前と同じ基準で行う。
  • 切除可能なcStage III症例では、術前化学療法を行うべきである。

7)化学放射線療法は続ける?どうして?

  • 限局型小細胞癌、切除不能非小細胞肺癌 (stage III)では同時化学放射線療法を行うべきである。
  • 化学放射線療法は、通常がんの根治を目指して行っているので、既に治療が開始されている場合には完遂するべきである。
  • 切除不能非小細胞肺癌 (stage II)の治療オプションとして、化学放射線療法を考慮することができる。
  • 上大静脈症候群、喀血、脊髄圧迫、骨転移による疼痛、他の生命を脅かすようなOncology emergencyに対して放射線照射を行うべきである。

8)新規化学療法の導入は?

新しく診断された患者には、通常化学療法が行われるべきである。患者がCOVID-19に罹患している場合は、肺炎の状態を考慮して治療を少し遅らせるべきかどうかを慎重に判断する。

9)化学療法は続けるべき?

  • 一般に、切除不能肺癌に対する化学療法は続けるべきである。
  • 治療プロトコールを2週間に1回から3週間に1回のものに変更する、可能であれば点滴治療から内服薬に変更する、など受診回数を減らすことが考慮される。
  • 適切な用量調整にもかかわらず発熱性好中球減少症のリスクが10%<の場合には、G-CSFの一次的予防投与を考慮する。
  • 採血検査を近医で行うことも考慮する。
  • 化学放射線療法後の限局型小細胞肺癌に対する予防的全脳照射(PCI)は行うべきである。

10) 維持療法は続けるべき?

  • 続けることが望ましい。
  • 3から4週の休薬期間または治療と治療の間隔を延長することは考慮しても良い。

11) 新規治療は導入すべき?

新しく診断された転移のあるがん患者に対して治療の種類に関わらず標準的治療を提供し、疾患を制御し、生活の質を維持し、より良いPSを維持または達成すべきである。

12) 分子標的治療薬・免疫チェックポイント阻害薬の治療は?

  • 分子標的治療は行うべきである。経過観察の期間は個人の状況により6週から12週程度まで延長しても良い。
  • 抗PD- (L) 1抗体薬の投与では、例えば2-3週サイクルから4-6週サイクルの治療に変更または遅らせることを考慮する。
  • 局所進行非小細胞肺癌の放射線化学療法後の地固め療法としてDurvalumabの適応がある場合は、行うべきである。
  • 抗PD-(L)1抗体薬を12あるいは18ヶ月以上投与している症例では、次サイクルを遅らせる、サ イクル数を減らす、あるいは全体に治療間隔を長くすることを考慮しても良い。

※Content 4 was written referring to the guideline of The International Association for the Study of Lung Cancer (IASLC) with permission of IALC.
以上の内容は世界肺癌学会議の了承を得て、IALCの指針を参考に記載しました。

※各がん腫に対する治療方針の詳細はESMOの診療指針を参照 (ESMOの了解取得済み):
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タイのワクチン接種率、意外にがんばってる

 自分が2回の接種を終えてほっとしていることもあり、最近、あまりアプリのモープロームหมอพร้อมでワクチン接種率を見ていなかった。でも昨日バンコクの1回目の接種率が100%を超えたという不思議なニュースを見たので確かめてみた。

タイ全体
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 これはまだ一回目の接種なのだが、ずいぶん頑張っているなと思った。この前まで20%くらいだったのに、急に増えたようだ。

バンコク1回目
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 やっぱり100%には至らず95.46%、それでももうワクチン1回目を打っていない人を探すのが難しいほどだ。100%を超えてしまうのは、住居登録がバンコク以外にあるのに、バンコクで打つ人が多いためらしい。

バンコク2回目
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 これももう40%を超えていた。政府は70%になれば海外から旅行者を受け入れるバンコクサンドボックスを始めると言っているそうだが、もう10月中には達成できるような気がする。というのは、やはりバンコクは感染率が高かったために、急にワクチン接種をする人が増えたと思う。私の周りも、知っている人はもうほとんど1回目を終えている。

 旅行者を受け入れるのはまだ不安が大きいけれど、タイ国内だけでも自由に行き来できるようになってほしい。金持ち外国人だけでなく、在住者だった少しは経済に貢献できるはずなのだ(まあ雀の涙かもしれないが)。今はお金を使いたくても、内こもり生活だと限界がある。

 内こもり生活の楽しみは、もう食事しかない。前回のインド料理は、本当に量が多くて、2日かけても食べきれなかった。さすがにちょっと飽きたので、今日はそれをアレンジしてみた。野菜カレーが残っていたので、それを使ってカレードリア。

 ホワイトソースは、一人分だと電子レンジで10分もかからない。大さじ1の小麦粉、バター(ないのでいつも食べているオリーブマーガリン)大さじ1、牛乳150㏄を耐熱ボールに入れ電子レンジへ。1分ごとにかき混ぜて、途中で水50㏄程度もいれてかき混ぜる。そうしているうちにドロッとしてきたら出来上がり。後は塩コショウで味を整えるだけ。

 タマネギ粗みじん切りにしたものを電子レンジで加熱したあと、ご飯と混ぜる。そこに温めたカレーも適当量を入れて混ぜる。グラタン容器がないので、プラスチック容器を使い、2重のアルミ箔で型取りをして、カレーご飯を入れ、ホワイトソースと粉チーズをかけて、15分オーブントースターで焼いてできあがり。

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 いつもよりご飯の量が多かったのに、一気に食べてしまった。断面はこんな感じ。
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 いやー今回のインド料理は丸3日分の夕食になった(ご飯だけは別)。来週も別のインド料理屋からデリバリーを頼もうかとGrabを見ていたが、さすがに7日中3日もインド料理では、来週もという気持ちはなくなった。今度も、自分で作れない料理を探してみよう。



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(世界肺癌学会議 IASLCの指針を参考に作成)

1) どのようにがんの診療をすべきか?

  • 通常の時と同様に、病理診断、病期診断、および点滴治療が必要な患者さんは入院あるいは外来で診療を行う。現在治療している患者さんは、そのまま継続を試みるが、長期経過観察中やがんサバイバーの方の診察は延期を考慮される。
  • 抗がん薬の点滴による治療は継続する。点滴の投与スケジュールを変更(毎週投与から3週毎への投与、3週毎の投与から4~5週毎への投与)し、外来受診の回数を減らすことも考慮する。病勢が安定していれば、1サイクル分の休薬期間を設けることも考慮する。画像評価を少し延期することも可能である。血液検査は、近医にて施行することを考慮する。

2) 肺がん疑いの患者への検査は?

  • 前もって電話で、あるいは診察室に入る前にCOVID-19に関する症状スクリーニングを行う。
  • CTガイド下針生検が困難になる重大な合併症がなければ、CTガイド下針生検で病理診断を行う(日本ではまず気管支鏡を行うことが多いが、COVID-19流行地域では気管支鏡の施行自体が医療者の曝露リスクが高い)。
  • 気管支鏡やEBUSは、マスクと透明なプラスチック・シールドなどの個人防護具(PPE)を用いて行う。症例により異なるが、緊急性のない検査なら2~4週の延期は可能である(特に病院内にCOVID-19患者が急増しているとき)。

3) 肺がんの疑われる、高齢者や基礎疾患のある患者への生検は?

  • 肺がんが疑われた場合には、COVID-19流行前と同様に、病理診断や病期診断の検査を行う。
  • 経胸壁(CTガイド下あるいはエコー下)針生検による確定診断が望ましい。
  • 症例により異なるが、気管支鏡検査は2~4週の延期を考慮できる。

4) 新しく診断されたがん患者に対する手術は?

  • 術前治療がすでに終了している場合、あるいは新しく診断されたsolid-typeの結節影の場合は、遅延無く手術が行われるべきである。
  • 肺がん部位のsolid componentの程度、PETでのSUV値、solid部分の大きさ、あるいは肺野条件でのすりガラス部分の縦隔条件での消失割合など総合的な判断に基づき手術延期が可能か否かを決定するが、極めて難しい判断となる。
  • 低リスクの早期がん病変、CT画像で微少浸潤腺がん、50%未満のsolid component、3 cm以下の原発巣など比較的早期のがんでは、4週間の手術延期は可能と考える。腫瘍量が大きい場合(例えば4 cm以上、N1陽性、明らかなN2陽性)には、腫瘍内科医は術前の化学療法や化学放射線療法を推奨する。

5) 高齢や基礎疾患を有する患者に対する手術は?

  • 体幹部定位放射線治療(SBRT)などの有効な局所療法が可能な施設が近くにあればそこでの治療が適切であると思われるが、遠距離を移動することは避けたほうが良い。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者であっても、外科手術の対象となるか否かはCOVID-19流行前と同じ基準で判断するのが望ましい。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者の手術適応の判断が難しい場合は、SBRTの可能施設か腫瘍内科へ紹介する。

6)術後化学療法は?

  • 術後再発リスクの高い患者(T3/4 or N2)で、65歳未満で全身状態が良ければ、化学療法が行われるべきである。
  • 再発リスクが中等度の患者(T2b-T3N0 or N1)では、個々の症例のリスクとベネフィット (年齢、基礎疾患の有無、全身状態、副作用など)を考慮するが、治療することが望ましい。
  • 再発リスクが低い患者(T1A-T2bN0)では、個々の症例における化学療法のリスクとベネフィットを考え、治療のメリットが低ければ治療の延期を考慮する。
  • 術後6~12週後の化学療法開始も許容される。
  • 高齢者(年齢≥70歳)や基礎疾患のある患者では、中止も考慮する。
  • 発熱性好中球減少症のリスクが10-15%<のレジメンでは、G-CSF投与を考慮する。
  • 術前・術後療法の適応は、COVID-19流行前と同じ基準で行う。
  • 切除可能なcStage III症例では、術前化学療法を行うべきである。

7)化学放射線療法は続ける?どうして?

  • 限局型小細胞癌、切除不能非小細胞肺癌 (stage III)では同時化学放射線療法を行うべきである。
  • 化学放射線療法は、通常がんの根治を目指して行っているので、既に治療が開始されている場合には完遂するべきである。
  • 切除不能非小細胞肺癌 (stage II)の治療オプションとして、化学放射線療法を考慮することができる。
  • 上大静脈症候群、喀血、脊髄圧迫、骨転移による疼痛、他の生命を脅かすようなOncology emergencyに対して放射線照射を行うべきである。

8)新規化学療法の導入は?

新しく診断された患者には、通常化学療法が行われるべきである。患者がCOVID-19に罹患している場合は、肺炎の状態を考慮して治療を少し遅らせるべきかどうかを慎重に判断する。

9)化学療法は続けるべき?

  • 一般に、切除不能肺癌に対する化学療法は続けるべきである。
  • 治療プロトコールを2週間に1回から3週間に1回のものに変更する、可能であれば点滴治療から内服薬に変更する、など受診回数を減らすことが考慮される。
  • 適切な用量調整にもかかわらず発熱性好中球減少症のリスクが10%<の場合には、G-CSFの一次的予防投与を考慮する。
  • 採血検査を近医で行うことも考慮する。
  • 化学放射線療法後の限局型小細胞肺癌に対する予防的全脳照射(PCI)は行うべきである。

10) 維持療法は続けるべき?

  • 続けることが望ましい。
  • 3から4週の休薬期間または治療と治療の間隔を延長することは考慮しても良い。

11) 新規治療は導入すべき?

新しく診断された転移のあるがん患者に対して治療の種類に関わらず標準的治療を提供し、疾患を制御し、生活の質を維持し、より良いPSを維持または達成すべきである。

12) 分子標的治療薬・免疫チェックポイント阻害薬の治療は?

  • 分子標的治療は行うべきである。経過観察の期間は個人の状況により6週から12週程度まで延長しても良い。
  • 抗PD- (L) 1抗体薬の投与では、例えば2-3週サイクルから4-6週サイクルの治療に変更または遅らせることを考慮する。
  • 局所進行非小細胞肺癌の放射線化学療法後の地固め療法としてDurvalumabの適応がある場合は、行うべきである。
  • 抗PD-(L)1抗体薬を12あるいは18ヶ月以上投与している症例では、次サイクルを遅らせる、サ イクル数を減らす、あるいは全体に治療間隔を長くすることを考慮しても良い。

※Content 4 was written referring to the guideline of The International Association for the Study of Lung Cancer (IASLC) with permission of IALC.
以上の内容は世界肺癌学会議の了承を得て、IALCの指針を参考に記載しました。

※各がん腫に対する治療方針の詳細はESMOの診療指針を参照 (ESMOの了解取得済み):
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保健所職員さん達が過労死寸前

 昨日ネットでニュースを読んでいたら、埼玉県越谷市の保健所職員の方が、実名で労働環境の改善を訴えたという記事を見つけた。保健所は約90人体制で自宅療養者の入院調整や健康視察に追われ「2日間で2時間しか寝ていない」という状況まであるそうだ。4月から8月の時間外労働が月平均で80時間を超えた職員も13人だとか。こんなことでは本当に過労死してしまう人も出てしまうのではないか。

 保健所から連絡をもらえずに自宅療養中の患者さんもたくさんおられると聞く。でも現存のメンバーでこれ以上仕事量を増やすのは、きっと無理だろう。ならばどうしてもっと非常勤職員を増やすことができないのだろう。今、仕事を失って生活できなくなっている人もいるし、学生もアルバイトができなくて大学をやめざるを得ない場合もあると聞く。どうしてそんな人たちを雇って、仕事量を分散することができないのか。

 専門的な知識をする電話対応などを任せることはできないだろうが、データ入力であれば、学生であれば誰でもできるだろうし、PCが不得意な人でも、入力チェックとかの仕事はできるだろう。病院も資格がなくてもできる仕事はあるはずだ。看護師でなくてもできる仕事をアルバイトで賄うことができれば、看護師さん達の負担もずっと減るだろうに。

 それでふと思い出したことがある。がん手術で入院した時とても手厚い対応をしてもらったのだが、その一つが毎日体を拭いてもらえることだった。体の下にビニールシートを敷いて、お湯をかけながら拭いてもらったのだ。でもこれをしてくれるのは、看護師ではないことに気づいた。制服とネームカードが、検温や薬を飲ませてくれる看護師とは違ったからだ。つまり日本だと看護師が行っている仕事が分散化されている。

 ただ私は日本での入院はもう30年ほど前の出産時だけで、最近の病院事情を知っているわけではないので、現状が違っていたと思う方がおられれば、ぜひ指摘していただければと思う。
 
 ようやく週末だが、最近ちょっとインド料理にハマっている。もともと大好きだが、バンコクは意外にインド料理が割高で、これまであまり食べていなかった。でもGrabや Food Pandaを見ていると、意外に安くタリ(セットのようなもの)があることに気がついて、このところ週末によく注文している。昨日のお店は南インド料理で、ナンではなくドーサという薄いクレープのようなものがあるのだが、私はこれが大好きなのだ。大昔にインドで食べて感激し、その後日本のインド料理店でお目にかかれず、最近ようやく見かけるようになった。
カレー味のポテトが入ったドーサ
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 運ばれてきた袋を持った時、ずしりと重かったのでびっくりしたが、開いてみるとこんなにたくさん入っていた。
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 お皿(と言っても小鉢とか持っていないので、保存容器に入れているので味気ない)に盛り付けてみると、量が多いのがはっきりわかる。これでたったの169バーツ!(600円弱)
 お店はシーロムにあるSungam Indian Veg Restaurant、パンダで配達料無料!
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 ということで、私は今夜も残りの南インド料理を堪能する予定。それでも食べ終わらないかもしれない。


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(世界肺癌学会議 IASLCの指針を参考に作成)

1) どのようにがんの診療をすべきか?

  • 通常の時と同様に、病理診断、病期診断、および点滴治療が必要な患者さんは入院あるいは外来で診療を行う。現在治療している患者さんは、そのまま継続を試みるが、長期経過観察中やがんサバイバーの方の診察は延期を考慮される。
  • 抗がん薬の点滴による治療は継続する。点滴の投与スケジュールを変更(毎週投与から3週毎への投与、3週毎の投与から4~5週毎への投与)し、外来受診の回数を減らすことも考慮する。病勢が安定していれば、1サイクル分の休薬期間を設けることも考慮する。画像評価を少し延期することも可能である。血液検査は、近医にて施行することを考慮する。

2) 肺がん疑いの患者への検査は?

  • 前もって電話で、あるいは診察室に入る前にCOVID-19に関する症状スクリーニングを行う。
  • CTガイド下針生検が困難になる重大な合併症がなければ、CTガイド下針生検で病理診断を行う(日本ではまず気管支鏡を行うことが多いが、COVID-19流行地域では気管支鏡の施行自体が医療者の曝露リスクが高い)。
  • 気管支鏡やEBUSは、マスクと透明なプラスチック・シールドなどの個人防護具(PPE)を用いて行う。症例により異なるが、緊急性のない検査なら2~4週の延期は可能である(特に病院内にCOVID-19患者が急増しているとき)。

3) 肺がんの疑われる、高齢者や基礎疾患のある患者への生検は?

  • 肺がんが疑われた場合には、COVID-19流行前と同様に、病理診断や病期診断の検査を行う。
  • 経胸壁(CTガイド下あるいはエコー下)針生検による確定診断が望ましい。
  • 症例により異なるが、気管支鏡検査は2~4週の延期を考慮できる。

4) 新しく診断されたがん患者に対する手術は?

  • 術前治療がすでに終了している場合、あるいは新しく診断されたsolid-typeの結節影の場合は、遅延無く手術が行われるべきである。
  • 肺がん部位のsolid componentの程度、PETでのSUV値、solid部分の大きさ、あるいは肺野条件でのすりガラス部分の縦隔条件での消失割合など総合的な判断に基づき手術延期が可能か否かを決定するが、極めて難しい判断となる。
  • 低リスクの早期がん病変、CT画像で微少浸潤腺がん、50%未満のsolid component、3 cm以下の原発巣など比較的早期のがんでは、4週間の手術延期は可能と考える。腫瘍量が大きい場合(例えば4 cm以上、N1陽性、明らかなN2陽性)には、腫瘍内科医は術前の化学療法や化学放射線療法を推奨する。

5) 高齢や基礎疾患を有する患者に対する手術は?

  • 体幹部定位放射線治療(SBRT)などの有効な局所療法が可能な施設が近くにあればそこでの治療が適切であると思われるが、遠距離を移動することは避けたほうが良い。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者であっても、外科手術の対象となるか否かはCOVID-19流行前と同じ基準で判断するのが望ましい。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者の手術適応の判断が難しい場合は、SBRTの可能施設か腫瘍内科へ紹介する。

6)術後化学療法は?

  • 術後再発リスクの高い患者(T3/4 or N2)で、65歳未満で全身状態が良ければ、化学療法が行われるべきである。
  • 再発リスクが中等度の患者(T2b-T3N0 or N1)では、個々の症例のリスクとベネフィット (年齢、基礎疾患の有無、全身状態、副作用など)を考慮するが、治療することが望ましい。
  • 再発リスクが低い患者(T1A-T2bN0)では、個々の症例における化学療法のリスクとベネフィットを考え、治療のメリットが低ければ治療の延期を考慮する。
  • 術後6~12週後の化学療法開始も許容される。
  • 高齢者(年齢≥70歳)や基礎疾患のある患者では、中止も考慮する。
  • 発熱性好中球減少症のリスクが10-15%<のレジメンでは、G-CSF投与を考慮する。
  • 術前・術後療法の適応は、COVID-19流行前と同じ基準で行う。
  • 切除可能なcStage III症例では、術前化学療法を行うべきである。

7)化学放射線療法は続ける?どうして?

  • 限局型小細胞癌、切除不能非小細胞肺癌 (stage III)では同時化学放射線療法を行うべきである。
  • 化学放射線療法は、通常がんの根治を目指して行っているので、既に治療が開始されている場合には完遂するべきである。
  • 切除不能非小細胞肺癌 (stage II)の治療オプションとして、化学放射線療法を考慮することができる。
  • 上大静脈症候群、喀血、脊髄圧迫、骨転移による疼痛、他の生命を脅かすようなOncology emergencyに対して放射線照射を行うべきである。

8)新規化学療法の導入は?

新しく診断された患者には、通常化学療法が行われるべきである。患者がCOVID-19に罹患している場合は、肺炎の状態を考慮して治療を少し遅らせるべきかどうかを慎重に判断する。

9)化学療法は続けるべき?

  • 一般に、切除不能肺癌に対する化学療法は続けるべきである。
  • 治療プロトコールを2週間に1回から3週間に1回のものに変更する、可能であれば点滴治療から内服薬に変更する、など受診回数を減らすことが考慮される。
  • 適切な用量調整にもかかわらず発熱性好中球減少症のリスクが10%<の場合には、G-CSFの一次的予防投与を考慮する。
  • 採血検査を近医で行うことも考慮する。
  • 化学放射線療法後の限局型小細胞肺癌に対する予防的全脳照射(PCI)は行うべきである。

10) 維持療法は続けるべき?

  • 続けることが望ましい。
  • 3から4週の休薬期間または治療と治療の間隔を延長することは考慮しても良い。

11) 新規治療は導入すべき?

新しく診断された転移のあるがん患者に対して治療の種類に関わらず標準的治療を提供し、疾患を制御し、生活の質を維持し、より良いPSを維持または達成すべきである。

12) 分子標的治療薬・免疫チェックポイント阻害薬の治療は?

  • 分子標的治療は行うべきである。経過観察の期間は個人の状況により6週から12週程度まで延長しても良い。
  • 抗PD- (L) 1抗体薬の投与では、例えば2-3週サイクルから4-6週サイクルの治療に変更または遅らせることを考慮する。
  • 局所進行非小細胞肺癌の放射線化学療法後の地固め療法としてDurvalumabの適応がある場合は、行うべきである。
  • 抗PD-(L)1抗体薬を12あるいは18ヶ月以上投与している症例では、次サイクルを遅らせる、サ イクル数を減らす、あるいは全体に治療間隔を長くすることを考慮しても良い。

※Content 4 was written referring to the guideline of The International Association for the Study of Lung Cancer (IASLC) with permission of IALC.
以上の内容は世界肺癌学会議の了承を得て、IALCの指針を参考に記載しました。

※各がん腫に対する治療方針の詳細はESMOの診療指針を参照 (ESMOの了解取得済み):
https://www.esmo.org/guidelines/cancer-patient-management-during-the-covid-19-pandemi



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タイ語と日本語で同じ意味を持つことわざ

 私が今受講しているチュラロンコン大学のタイ語コースは、上級に入るとまるで大学の授業のようで、かなり内容も難しい。中級までは、会話にも重点が置かれていたが、上級は先生方の説明が増え、課題も内容を重視されるので、ますます負担が大きい。

 5人の先生が違うテーマで教えてくださるのだが、ある先生のテーマはビジネスに関することわざや慣用句だった。タイのことわざを学んだ後の課題は、学生の国のビジネスに関することわざについて説明するプレゼンテーションだった。

 私が選んだのは、「蟹は甲羅に似せて穴を掘る」である。人は自分の身の丈に合った考えや行動をとることが一番いい、ビジネスにおいても、自分の実力に見合った仕事をするべきだということだ。

 実はタイ語にもほぼ同じ意味のことわざがあった。
“นกน้อยทำรังแต่พอตัว”  「小鳥は自分の身体にあった巣を作る」そしてその説明も、ほぼ同じだった。“ทำสิ่งต่าง ๆ ตามอัตภาพให้เหมาะสมฐานะของตน” 「自分の立場や身のほどに沿った行動をする」

 私は自分のプレゼンの中で以下のように説明した。
 若い頃であれば、このことわざに納得しなかったかもしれない。なぜなら若い頃の私は、こう思っていたからだ。自分の実力に見合った仕事をするだけでは、進歩がないかもしれない。自分の能力を超えて挑戦するからこそ、人間は成長するのではないか。

 でももうリタイヤする年代になった今、このことわざが身にしみる。チャレンジする気持ちがなくなったわけではない。でも自分の能力や可能性を的確に判断する力が付いたと思うし、それに従ってチャレンジする方が良いと思うようになったのだ。

 そしてこれはがんになったことも影響していると思う。3年前までは、年齢の割には体力にかなり自信があり、仕事量が多くても平気だったし、この前書いたミャンマー旅行のようなハードスケジュールの旅も平気だと思っていた。あの時、一晩だけダウンしたが、その翌々日の1月2日からは授業が始まり、実はその日は3年生のインタビューテストをしたのだ。確かほとんど休憩なしの4時間だったと思う。

 今このコロナ禍で、いろいろな意味で身の丈に合った暮らしができていると思う。何よりもコロナにかかれないし、病気になれないと思っているので、決して無理はしないし、感染の可能性があるようなことは絶対にしない。がんも再発や転移はないと信じたいが、100%大丈夫という保証はないので、適度な運動をし食事にも気をつけている。

 蟹は自分の殻と同じ大きさの穴を掘るわけではない。全く同じだと身動きが取れないはずだ。その動けるだけのゆとりが大切なのだと思う。私も身の丈に合った、でも少しだけゆとりを求めた生活をしていければいいなと思う。

久しぶりにモッツェレチーズを買ったので、トマトとチーズのスパゲティ
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(世界肺癌学会議 IASLCの指針を参考に作成)

1) どのようにがんの診療をすべきか?

  • 通常の時と同様に、病理診断、病期診断、および点滴治療が必要な患者さんは入院あるいは外来で診療を行う。現在治療している患者さんは、そのまま継続を試みるが、長期経過観察中やがんサバイバーの方の診察は延期を考慮される。
  • 抗がん薬の点滴による治療は継続する。点滴の投与スケジュールを変更(毎週投与から3週毎への投与、3週毎の投与から4~5週毎への投与)し、外来受診の回数を減らすことも考慮する。病勢が安定していれば、1サイクル分の休薬期間を設けることも考慮する。画像評価を少し延期することも可能である。血液検査は、近医にて施行することを考慮する。

2) 肺がん疑いの患者への検査は?

  • 前もって電話で、あるいは診察室に入る前にCOVID-19に関する症状スクリーニングを行う。
  • CTガイド下針生検が困難になる重大な合併症がなければ、CTガイド下針生検で病理診断を行う(日本ではまず気管支鏡を行うことが多いが、COVID-19流行地域では気管支鏡の施行自体が医療者の曝露リスクが高い)。
  • 気管支鏡やEBUSは、マスクと透明なプラスチック・シールドなどの個人防護具(PPE)を用いて行う。症例により異なるが、緊急性のない検査なら2~4週の延期は可能である(特に病院内にCOVID-19患者が急増しているとき)。

3) 肺がんの疑われる、高齢者や基礎疾患のある患者への生検は?

  • 肺がんが疑われた場合には、COVID-19流行前と同様に、病理診断や病期診断の検査を行う。
  • 経胸壁(CTガイド下あるいはエコー下)針生検による確定診断が望ましい。
  • 症例により異なるが、気管支鏡検査は2~4週の延期を考慮できる。

4) 新しく診断されたがん患者に対する手術は?

  • 術前治療がすでに終了している場合、あるいは新しく診断されたsolid-typeの結節影の場合は、遅延無く手術が行われるべきである。
  • 肺がん部位のsolid componentの程度、PETでのSUV値、solid部分の大きさ、あるいは肺野条件でのすりガラス部分の縦隔条件での消失割合など総合的な判断に基づき手術延期が可能か否かを決定するが、極めて難しい判断となる。
  • 低リスクの早期がん病変、CT画像で微少浸潤腺がん、50%未満のsolid component、3 cm以下の原発巣など比較的早期のがんでは、4週間の手術延期は可能と考える。腫瘍量が大きい場合(例えば4 cm以上、N1陽性、明らかなN2陽性)には、腫瘍内科医は術前の化学療法や化学放射線療法を推奨する。

5) 高齢や基礎疾患を有する患者に対する手術は?

  • 体幹部定位放射線治療(SBRT)などの有効な局所療法が可能な施設が近くにあればそこでの治療が適切であると思われるが、遠距離を移動することは避けたほうが良い。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者であっても、外科手術の対象となるか否かはCOVID-19流行前と同じ基準で判断するのが望ましい。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者の手術適応の判断が難しい場合は、SBRTの可能施設か腫瘍内科へ紹介する。

6)術後化学療法は?

  • 術後再発リスクの高い患者(T3/4 or N2)で、65歳未満で全身状態が良ければ、化学療法が行われるべきである。
  • 再発リスクが中等度の患者(T2b-T3N0 or N1)では、個々の症例のリスクとベネフィット (年齢、基礎疾患の有無、全身状態、副作用など)を考慮するが、治療することが望ましい。
  • 再発リスクが低い患者(T1A-T2bN0)では、個々の症例における化学療法のリスクとベネフィットを考え、治療のメリットが低ければ治療の延期を考慮する。
  • 術後6~12週後の化学療法開始も許容される。
  • 高齢者(年齢≥70歳)や基礎疾患のある患者では、中止も考慮する。
  • 発熱性好中球減少症のリスクが10-15%<のレジメンでは、G-CSF投与を考慮する。
  • 術前・術後療法の適応は、COVID-19流行前と同じ基準で行う。
  • 切除可能なcStage III症例では、術前化学療法を行うべきである。

7)化学放射線療法は続ける?どうして?

  • 限局型小細胞癌、切除不能非小細胞肺癌 (stage III)では同時化学放射線療法を行うべきである。
  • 化学放射線療法は、通常がんの根治を目指して行っているので、既に治療が開始されている場合には完遂するべきである。
  • 切除不能非小細胞肺癌 (stage II)の治療オプションとして、化学放射線療法を考慮することができる。
  • 上大静脈症候群、喀血、脊髄圧迫、骨転移による疼痛、他の生命を脅かすようなOncology emergencyに対して放射線照射を行うべきである。

8)新規化学療法の導入は?

新しく診断された患者には、通常化学療法が行われるべきである。患者がCOVID-19に罹患している場合は、肺炎の状態を考慮して治療を少し遅らせるべきかどうかを慎重に判断する。

9)化学療法は続けるべき?

  • 一般に、切除不能肺癌に対する化学療法は続けるべきである。
  • 治療プロトコールを2週間に1回から3週間に1回のものに変更する、可能であれば点滴治療から内服薬に変更する、など受診回数を減らすことが考慮される。
  • 適切な用量調整にもかかわらず発熱性好中球減少症のリスクが10%<の場合には、G-CSFの一次的予防投与を考慮する。
  • 採血検査を近医で行うことも考慮する。
  • 化学放射線療法後の限局型小細胞肺癌に対する予防的全脳照射(PCI)は行うべきである。

10) 維持療法は続けるべき?

  • 続けることが望ましい。
  • 3から4週の休薬期間または治療と治療の間隔を延長することは考慮しても良い。

11) 新規治療は導入すべき?

新しく診断された転移のあるがん患者に対して治療の種類に関わらず標準的治療を提供し、疾患を制御し、生活の質を維持し、より良いPSを維持または達成すべきである。

12) 分子標的治療薬・免疫チェックポイント阻害薬の治療は?

  • 分子標的治療は行うべきである。経過観察の期間は個人の状況により6週から12週程度まで延長しても良い。
  • 抗PD- (L) 1抗体薬の投与では、例えば2-3週サイクルから4-6週サイクルの治療に変更または遅らせることを考慮する。
  • 局所進行非小細胞肺癌の放射線化学療法後の地固め療法としてDurvalumabの適応がある場合は、行うべきである。
  • 抗PD-(L)1抗体薬を12あるいは18ヶ月以上投与している症例では、次サイクルを遅らせる、サ イクル数を減らす、あるいは全体に治療間隔を長くすることを考慮しても良い。

※Content 4 was written referring to the guideline of The International Association for the Study of Lung Cancer (IASLC) with permission of IALC.
以上の内容は世界肺癌学会議の了承を得て、IALCの指針を参考に記載しました。

※各がん腫に対する治療方針の詳細はESMOの診療指針を参照 (ESMOの了解取得済み):
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