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がんになっても地球旅行

病気には無縁と思ってた元バックパッカー、タイの大学で日本語教師をしていた2019年4月バンコクで肺腺癌(1A)手術。2022年6月に日本に帰国後もタイをメインに地球旅行に出かけています。

2022年12月

今年1年の感謝を込めて

 2022年もついに残り数時間となった。それなのに、のんびりブログなんか書いているのかと言われそうだが、今年の大掃除はかなり手抜きをした。まあ6月末から1か月間、家もかなり整理したり掃除したので、今回は冷蔵庫と台所だけでいいかなと思っている。夫も、外回りとワックスがけはしてくれている。

 タイも日本も、また感染者が増えているというニュースを聞くが、マスクのないニュージーランドで1ヶ月ほどを過ごして、もうそれほど心配する必要があるのだろうかと疑問に思う。ワクチンも打っているし、手洗いうがいもしているし、ある程度気をつけていれば大丈夫ではないだろうか。と言っても慎重な長女もコロナになってしまったが。

 今年は私にとって大きな変化の年だった。5年間のタイ生活に区切りをつけて日本へ帰国。そして母の老いを目の当たりにし、悪戦苦闘。4年半ぶりに次女の元へ行き、マスクのない生活を堪能。

 帰国した当初は、夫との関係、母との関係でずいぶん悩んだ。5年間も気楽な一人暮らしをしていたので、家族との距離感がつかめない。でも娘たちに叱られて、ちょっと考え直せたことも多い。

 母が以前の母に戻ることは決してない。それをわかっているのに、まだまだ受け入れられない私がいる。でも自分だって以前のように何もかもできるわけではないし、夫も5年間でずいぶん年を取ったなあと感じる。みんな5才年を取ったのだ。

 娘たちはもうすっかり自分の生活を確立していて、私の入る隙間もなくなってきた。長女はこの正月も2泊しかしない。いつだったか、「もう一番落ち着くのは自分のマンションだから」と言っていた。

 タイから離れて内容もタイ情報は減ってきているし、がん関係はもっと少ない。でも毎日何かを書くことで、自分の励みにもなるし、毎日読んでくださる人がいるというのも、大きな喜びだ。

 1年間、つたない文章を読んでいただき、本当にありがとうございました。来年も、どうぞよろしくお願いいたします。皆さま、良いお年をお迎えください。


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カンタベリー大地震(2011年2月)

 2011年は、本当に忘れてはいけない年だ。2月22日12時51分(NZ時間)にクライストチャーチはマグニチュード6.1の地震に襲われ、死者185人(日本人28人)、負傷者8700人という大きな被害となった。

 それから1ヶ月も経たない3月11日に東日本大震災が起こり、日本でのニュースはそれ一色になったために、クライストチャーチの地震がほぼ同時期だったと覚えていない人もいるだろう。でもその年の7月初めに次女はニュージーランドへ旅だったので、私にとって本当に忘れられない年となっている。

 そして8月に私は母を連れて次女の元を訪れた。彼女は大学内の寮に住んでいたので、どんなところか見たかったし、1ヶ月半ほど経って、日本から持ってきてほしいものがあれば、届けようと思ったからだ。

 娘は大学の授業があるので、私たちはウェリントンでレンタカーを借りて、パーマストンノースもモーテルを予約した。そして週末3人でウェリントンの観光をして、娘を寮まで送って別れた。
 
 その年ニュージーランドは異常気象で、50年ぶりに雪が積もった。母と私はフェリーで南島に渡り、クライストチャーチまで行く予定だったので、すごく不安だった。でもフェリーも何とか運行し、道路も道の横には雪が積もっているが走行には問題がなかった。

 わざわざクライストチャーチへ行ったのは、地震の後の様子を見たかったからだ。私はその4,5年前にも娘たちと訪れたことがあり、とても美しい町だったことを覚えていた。

 実際到着してみると、町の中心地はほとんど封鎖されたままだった。だから母には申し訳なかったが、開いていた美術館と空港近くの南極センターというところしか見学できなかった。

2011年8月のクライストチャーチ
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美術館の建物
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これは先日中に入って、内側から撮った建物
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 あの時、まるで廃墟のようなビルもあり、半年たってもほったらかしになっているところが多いことがショックだった。

 11年が過ぎ、街はほとんど復興していた。日本人犠牲者をだしたCTVビルには献花台もあるそうだが、行けなかった。

 クライストチャーチ大聖堂は、地震の被害が大きく、ステンドグラスや壁が75%も崩壊し、一度は解体が決められたものの、多くの反対を受け2017年に修復が決定した。費用は約85億円かかり、完成まで10年かかるとのことだ。

 周りに塀があり、遠目に見ることしかできない大聖堂
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 地震で大きな被害を受けて使えなくなった大聖堂に代わり、日本人も亡くなったCTVビルの近くに仮聖堂ができている。これは日本人建築家、坂茂(ばんしげる)氏によって設計されたものだ。

 震災後、大聖堂の職員がニュージーランドの建築雑誌の中に、坂氏の「緊急仮設建築」の記事を見つけ、仮聖堂建築を依頼した。そしてこの聖堂は「紙管」と呼ばれるボール紙の筒でできている。

 日本人が作った紙の聖堂のニュースを聞いた時、ぜひ訪れたいと思った。今回、クライストチャーチでどうしても行きたかった場所だ。

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 祭壇もすべて紙でできているそうだ

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入口のステンドグラスが美しい

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 大聖堂が再建されるまでの10年間の期間限定ということで2013年に建築された。坂氏は設計を無償で引き受けられ、建築費も地元の建設業者が値引きをして引き受け、500万NZドル(約3億5200万円)のほとんどは寄付でまかなわれたそうだ。

 クリスマス直前だったが、教会には人も少なく、とても静かで美しかった。大聖堂が完成したら、本当になくなってしまうのだろうか。紙製でも50年は持つそうなので、この聖堂も地震の記録として残しておけばいいのにと思った。


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なつかしのチェリーピッキング

 次女の小学4年生から5年生にかけて、オーストラリアのメルボルンに住んでいた。その時、夏になるとチェリーピッキングに行ったのだ。日本でチェリーピッキングなどしたことはなく、三人とも大興奮で採ったことを覚えている。その時は、いくら食べてもかまわなくて、持ち帰りはキロ単位で売ってもらえた。

 娘はそれをよく覚えていたためか、それともチェリーはスーパーで買うと高いためか、旅行の計画に組み込まれていた。場所は南島で、ワナカ湖からクイーンズタウンに行く途中だった。 

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 受付でピッキングをしたいというと、女性がやり方を説明してバケツを渡してくれた。一人最低1kgは取らなければならない。でも二人で2kgってかなりの量だろうなあ。

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採っているところですが、自撮りなのでうまく手元が映っていません(T_T)



 私はすぐに飽きてしまったが、娘は黙々と採っている。まるで作業員だ。結局彼女が1.5kgくらい採ってくれた。

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 本当はホワイトチェリーとレッドチェリーと分けたはずなのに混ざっていた。ホワイトの方が高くて25$/kg。でも混ざってしまったので、全部22ドルにしてくれた。

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 売店でチェリーを買うこともできる。そして、このチェリーアイスクリームがメチャ美味しかった!
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 私は真剣にチェリーを採っている娘を見ながら、昔のことを思い出していた。小学生だった二人は大喜びでチェリーを食べながら、必死で採っていた。その時も私はすぐ飽きて、そんな二人をずっと見ていた。

 もうあれから20年。特に次女は10年前に家を出たので、大人になった彼女の変化に驚いている。でもここに長女もいたらなあと思う。できればもう一度三人でメルボルンに行きたい。早く海外旅行へもっと気楽に行ける日が来てほしいなあ。



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トレッキングが大好きなキーウィ

 タイトルのキーウィはキーウィフルーツのことでもキーウィバードのことでもない。ニュージーランド人は自分たちのことを自尊心や親愛の情を示すシンボルとしてこのニックネームを使っているとウィキペディアに書いてあったが、中にはそう呼ばれることを嫌がる人もいるらしい。それでも多くの人は自分のことをキーウィと呼ぶことに抵抗はないようだ。

 ニュージーランドは日本の国土の3/4ほどの大きさだが、人口は521万人で、人口密度は17人/平方キロメートル。日本は337人なので、どれだけ人が少ないんだろう!でも国土の50%が山岳部で平野部が30%。島国なので周りは海に囲まれているし、川や湖も多い。

 そんな自然豊かな国で、気候も四季があるとはいえ暑さ寒さも厳しくなく、1年中自然を楽しむ人が多い。だから本当に外を歩くことが好きなのだ。

 今回も何度か短いトレッキングをした。と言っても、ウォーキングシューズで歩けるようなところだけだ。初夏とはいえ今年はまだ全然暑くならず、私の体感は日本の10月から11月だった。

 一番長く歩いたといっても駐車場から片道1時間で行けるタラナキフォールトラック(Taranaki Falls Track)という道で、それほど勾配もきつくなく、とても気持ちよく歩けた。

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 お天気があまり良くなかったので、写真も少し暗い。この辺りは高地で、生えている植物もニュージーランドの高山植物だ。日本と違ってニュージーランドの山には蜂がいないために、きれいな色の花を咲かせる高山植物がないそうだ。

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タラナキフォール
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 周遊道路になっており、滝から少し登らなければならないが、もうかなり限界と思った時に、息を切らしている私に降りてきた女性が「Almost there!(もう少しよ)」と声をかけてくれた。その励ましで何とか登りきれた。

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 娘はこの滝のあたりで、高山に住むバッタのエサとなる植物を採取していた。実は彼女の専門はグラスホッパー(バッタ)で、高山に生えている植物の分類も大切だそうだ。と言っても私は理系分野が苦手なので、ほとんどわからない。

 この日は平日だったが、すれ違う人は多かった。私のような気楽なスタイルの人もいたが、ちゃんと本格的な登山スタイルの人もいた。そんな人はいろいろなコースを歩いていくのだろう。

 ニュージーランドは各地にトレッキングコースがあり、気楽に30分ほどで歩けるところから、4,5日かかって歩くところまで様々だ。そしてニュージーランド人たちは、気楽に歩きに出かける。夏と言っても涼しいのだから、歩きたくなる気持ちもわかる。

 娘もちゃんとトレッキングシューズを持っていたし、リュックも何種類か持っていた。彼女はフィールドワークでも山歩きをするので必要なのだ。まあ人ごみが嫌いな彼女にはぴったりの分野なのだろう。


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まさかのダイバードor引き帰し?

 成田へはほぼ定刻についた。飛行機を降りる前に、楽天モバイルも電源を入れ、デザリングができるように用意する。そして青色画面になっている写真も用意した。

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 でも聞こえてきたのは、「Visit Japan Webの手続きが終わっている方は、QRコードを出してください」という係りの人の声。その時はなぜかデザリングができず、しかも成田空港のWiFiもつながらない。せっかく準備したつもりなのに、ここで足止めになってしまうのか。

 焦っていたら、ようやく空港のWiFiにつながり、QRコードも出すことができた。係りの人はそれを見ただけで、「あちらへ」と案内してくれた。ということは、青色画面とQRコード画面を写真に撮っておけば、それでOKということか。

 そのまま入国審査のところまで来て、機械で入国手続き。だから荷物のターンテーブルのところに来るまで、30分もかからなかった。でもほぼ満席だったので、私のスーツケースが出てこない。いらいらしながら待ったが、ようやく出てきた。

    Visit Japan Webで税関の手続きも済ませてたので、またそのQRコードを出して列に加わる。6月には機械で手続きしている人はほとんどいなかったが、今回はまあまあ多かった。でも機械にQRコードを読み込ませて、顔写真を撮るだけなので、列はどんどん進む。そして顔認証をされてゲートを出るだけ。

税関で必要なものはこれだけ
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 6月にはうっかり機内で食べなかったサンドイッチをカバンにほり込んでいて、それをワンちゃんに見つかったのだが、今回は違法物検査のワンちゃんも、私には寄ってこなかった。まあ今回は行きと違って機内持ち込みサイズのスーツケースとリュックなので、何も持っていないと思われたのだろう。
 
 次は羽田空港だ。リムジンバスのチケットを買うと、17時45分発だった。飛行機が到着して1時間後のバスに乗れるので、次の飛行機には十分間に合う。

 羽田にも約1時間で着いた。ANAのカウンターに並んでいるときに、関西空港が強風のためとか言う放送が聞こえた。チェックインで聞いてみると、私が乗る飛行機は、8時20分発だが7時30分に天候調査が行われ、最終判断が下されるという。

「えっ?飛ばないってことですか?」
「たぶん飛ぶと思います。でも状況によってはダイバード(他の空港に行く)か、羽田に戻ってくることもあります。」

 えー!ここまで来て帰れないかもしれないってこと?
「代替え空港は、伊丹か神戸ですか?」
「そうですね。神戸便は、予定通り運航ですし。」
「じゃあ、その神戸便に変えてもらうことはできますか?」
「はい、まだ3席残っているので大丈夫です。」

 実は翌日に歯医者の予約を入れているので、何としても帰らなければならない。羽田に戻ってしまったら、どうしようもない。しかも飛行機はまた乗せてもらえても、宿泊代は出ないらしい。

「神戸便でお願いします。」
神戸便は到着が21時45分。それで22時半までにポートライナーに乗れれば、24時過ぎに最寄りの駅まで行ける。

 Priority Passで入れるラウンジはないが、ゴールドカードのラウンジがあったので、そこでコーヒーだけ飲んで一息ついた。でも21時に閉まり、ゲート前で待っていたら、なんと使用機体の到着が遅れて、出発が15分遅れるとのこと。ホントにちゃんと帰ることができるのか。
 
 20時30分発予定は45分発になったが、何とか出発。飛行機は2席―2席なので、満席でもスーツケースの数は多くないはずだ。ぜったいすぐに出てくるはず!と勝手に信じて、機内ではiPadでNetflixでダウンロードした「Spy×Family」を見ていた。これだど頭を使わない。

 飛行機は22時10分に神戸空港に着いた。私の席はほぼ最後尾だったので、出るのは少し遅かったが、ターンテーブルの手前のトイレに寄って出ていくと、職員が私のスーツケースをターンテーブルから降ろしてくれていた。もう出てる!

 スーツケースを持ってポートライナー乗り場へ。たぶん22時30分ごろに乗れたと思う。三宮からは阪急電車に乗って、最寄りの駅まで1回乗りかえるだけだ。そして結局、関空から予定通り帰るはずの時間より、10分早く最寄り駅に着いた。

 あらためて関空は遠いなあと実感した。私の家からだと神戸空港の方が近いし、交通の便もいい。これから国内線で伊丹空港が取れないときは、神戸空港にしようと思った。

 オークランドのホテルを出たのが午前7時。そして家に着いたのは日が変わった24時10分。これはニュージーランド時間だと午前4時10分。つまり約21時間かけて帰宅したということか。本当に疲れたが、とにかく家に戻れただけで満足だ。
 
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NZ航空はタイ航空より厳しい

 6月末にタイから帰国した時は、My SOSというアプリで入国手続きをしたが、今回はVisit Japan Webというアプリだった。いつから登録できるのかわからないが、試しにやってみたのは、出発前の11月28日。でも帰国は12月25日なので、かなり先だ。夜9時ごろに登録を始めて個人情報を入力、ワクチン接種証明の写真ファイルを入れて、すぐ赤色の画面までは出た。
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 ただ入国2週間前の人から優先的に審査すると書いてあったので、2,3日かかるのかなと思ったら、翌日朝には青色になっていた。これで帰国する前にバタバタしなくてもいいや。ついでに税関申告も行っておいた。前回してみたら、機械の手続きだけで済んだので、気が楽だったのだ。

 さてクリスマスの朝7時前、私はIBISホテルの前から黄色いシャトルバスに乗った。国際線ターミナルに先に着くので10分もかからない。すぐに自動チェックインの機械でチェックインしようと思ったら、できなくて係員に言えというカードが出てきた。それで聞いてみると、向こうのカウンターに行けと言われた。

 カウンター前はまあまあ人が並んでいる。エコノミーで開いているカウンターが3つ。5分ほど待って順番が来た。今回はユナイテッド航空のマイレージ使用なので、メールを見せる。すると「ワクチン証明を見せてください」と言われ焦った。

 タイからの帰国のタイ航空カウンターでは必要なかったので、今回もいらないと思い込んでいた。慌ててiPhoneの写真を探すが出てこない。カウンターの職員さんは、「ちょっと後ろで探して。見つかったら私に声をかけてね」と次の人を呼んだ。

 その時ようやく思い出した。写真ファイルはメモに入れてあったんだ。それを画面に出して待つが、前の家族が何かトラブっている。そして隣の家族(こちらは日本人のよう)も同じ感じだ。

 どちらの家族も子連れだったが、たぶん夫が3回のワクチン証明を持っていても、妻が持っていなかったのではないだろうか。子どもは、6才以下であれば特例として認められるそうだ。ニュージーランドでは、3回の接種をしていない人も多いらしい。

 でも前の家族のもれ聞こえた話によると、空港内で検査を受けられるところがあり、すぐに結果も出て、それで飛行機に乗れるようだ。その家族は荷物を預けて行った。でも日本人家族のほうは、荷物を持ってカウンターを離れた。日付を変更したのだろうか。搭乗まで2時間半ほどあるが、どうされたのかわからない。

 私はタイの国際証明を見せて無事チェックインを済ませた。そして手荷物検査場へ向かった。

 出国検査は、かなりの人が並んでいると思ったが、どこのパスポートと聞かれ、日本と答えると機械の出国検査のほうに行くように言われた。入国も同じだったが、これだと時間は1分もかからない。あっという間に手続きを終えた。

 さあ、Priority Passが使えるラウンジで朝食だ。出国手続き所を出て左手に行くと、この表示を発見。ラウンジはすべて同じところにあるようだ。

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ここがPriority Passの使えるstrata LOUNGE

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 ちょうど朝食時で、数が減っていたが、このトマトとチーズをはさんだクロワッサンは美味しかった。そして手前にあるMiso Soupに惹かれ入れてみたが、まずくて残した。

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 Miso Soup以外はまあまあ。しっかり朝食をたべ、この後カプチーノを飲んだらちょうどいい時間。ゲートへ向かった。

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 成田からオークランドは夜行便だったが、今回は日中便。機内はたぶん満席だった。機体は3席ー3席ー3席で、私は希望通りまん中3席の右端だった。隣がカップルだったので、私は席を立つ必要がなく、本当に気楽だった。

 さて機内だが、NZ航空の機体はまあまあ広くて、小さい私は背もたれを倒さなくてもゆったり座れる。LCCばかり乗っていたので、やはりフラッグキャリアは高いだけあるなあと実感。イヤホンも使い捨てというか持ち帰り可能だ。

 1回目の食事はビーフの煮込みかサーモンの照り焼き(和風でご飯添え)。サーモンは、滞在中何度も食べたのでビーフを選択。まあこんなもんかという味。サラダがドレッシングがなくてまずかった。
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 2回目の食事はビーフかチキンの選択。これは鶏のから揚げで、まあまあ美味しかった。コールスローサラダは、塩コショウで食べたが、やはりドレッシングが欲しい。

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 おやつにチョコレートコーティングのアイスクリームが出た。写真は撮り忘れたが、美味しかった。

 途中で紅茶が飲みたいと思い、フライトアテンダントに言うと、座席の画面から注文してと言われた。すごい、最近はこうなっているのか。

これがトップ画面
映画とテレビしか見ていなかったが、たしかにフードドリンクがある
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私はお酒がダメなので見なかったが、バーには当然何種類かのお酒があるようだ

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おやつは2種類 メキシカーノはタコスなのでそれを選択

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 映画は日本語字幕付きを見つけて、まずそれを見たが、内容が重すぎて疲れた。後はアクション映画を英語字幕付きで2本見た。でも疲れていたので、あまり理解していない。

 実はこれは昨夜アップするつもりだった。でも帰国した夜にあまり眠れず、昨日は夜8時を過ぎたらフラフラ。それで今朝になってしまった。でも続きも今夜遅くにアップできればと思う。
 
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涙の別れと人の親切


Merry Christmas from NZ & JP

 実は今日深夜に、私は日本の家に到着している予定だ。今日はオークランド、成田、羽田、関空と長時間の移動で、時間がある時に書いているのだが、最後まで書けなければ、途中でもアップしようと思う。

 旅の最後はクライストチャーチで、昨日、娘に空港まで送ってもらって別れた。国内線でオークランドへ飛び一泊(当日の乗り継ぎは無理だったので)、空港敷地内のIBISホテルを娘が取ってくれて、そこに泊まった。

 昨日クライストチャーチ空港に1時間半ほど前に着いたので、娘は車を停めて搭乗手続きも一緒にいてくれた。ゲートの近くまで行って、座って写真を見ながら話していると、娘が「もう無理。辛くなるから帰る」と泣き出した。

 3年半ぶりに会って、24日間一緒に旅をした。これほど長い時間、ほぼ二人だけで、ずっと一緒にいたのは初めてだ。彼女の涙を見て、私も泣き出してしまった。
 
そしてハグをして、彼女と別れた。
 
 すぐに手荷物検査場に向かった。リュックからiPadを出して、全部の荷物を大きなトレイに乗せた。そしてX線検査から出てきた荷物を取って、ゲートへ向かった。でもハンドバッグを探っても搭乗券が見当たらない。トレイに置いて取り忘れたんだ。あわてて戻って聞いたが、私の名前の搭乗券はないという。でも2枚残っていたから、同じような人がいるんだ。
 
 私がたぶん泣きそうな顔をしていたからだろう。女性職員が「パニックにならないでも大丈夫。どこ行きの便?」と聞いてくれた。
「オークランドです。」
「じゃあゲートはこの奥だから、ゲートで言えば再発行してくれるわよ。」
そうなんだ。やはり失くす人もいるんだなあ。
 
 ゲートはまだ係の人がいなかったので、ソファに座って待っていた。10分ほど経った頃、先ほどの職員さんが来て、笑顔で「見つかったわよ、ほら」と渡してくれた。わざわざ届けてくれたんだ。でも100回以上も飛行機に乗っているのに、搭乗券を失くすなんて初めてだ。やはり娘との別れで気が動転していたんだろうなあ。

 IBISホテルは一応敷地内だが、歩くと15分くらいかかる。HPを見るとシャトルバスがあるとのこと。そのバスがどこから出ているのかわからないので、インフォーメーションで聞いた。道路を渡って、黄色いバスと言われたが、シャトルバスの表示に従って歩くと、バス停のような所にでた。でもホテル名とかは何もない。不安になって、待っている家族連れに聞いた。親切な男性は、他の人にも聞いてくれ、わからないので電話をしたらと言ってくれた。でも私は電話を使えないと言うと、自分の電話を使ってかけてくれ、場所が違うと教えてくれた。でもまだイエローバスというだけではっきりしない。
 
 また戻って、出口前にあるノボテルのフロントに聞くことにした。すぐに教えてくれて、左の方にバスが止まると言われたが、外に出ると右手にイエローバスが見えた。誰かが荷物を下ろしているので間に合うかも思い、スーツケースを引っ張って走る。
 
 運転手さんにIBISホテルに行くかと聞くと、少し困ったような顔をされたが、乗せてくれた。そして数分走って道路に止めて、「あそこだよ」と下ろしてくれた。ホテルの前じゃないんだ。
 
 少し歩いたが、ようやくホテルに到着。フロントにシャトルバスの時刻表があった。
「7時5分を予約したいんですが。」
「予約はいらないわ。そのチケットマシーンで切符を買って、ホテル前で待てばいいから。」
えっ?無料じゃなかったんだ。チケットは6.5ドルだった。でもあの運転手さんは、何も言わずに乗せてくれた。
 
 たぶんイエローバスでも、ホテルを通らないのがあって、それだったのではないか。でも私に同情して、ルートでホテルに一番近いところで下ろしてくれたんだ。
 
 娘と別れて弱ってた私は、何人もの知らない人の親切を受けて、ほっこりした気分になった。そしてシャワー浴びて、そのことを娘に話すためにラインした。1時間ほど話したが、今度は湿っぽくならず、また次は日本からねと切った。

IBISホテルは日本のビジネスホテルのよう

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ロビーにはクリスマスツリー

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