私が初めてクロントイスラムを訪れたのは、もう30年くらい前になる。独身時代は毎年タイに来ていて、ある年、日本人ボランティアの方に「プラティープ財団」に連れていってもらった。そこでプラティープさんと結婚されて間もない秦辰也さんにお話を伺った。

 その時にスラムの中を案内していただいたが、本当にショックだった。水路の上に、板が通してあるだけの通路は、腐りかけたところも多く、歩くのも危ないと思ったし、匂いもひどかった。でも、遊んでいる子どもたちの笑顔は明るかった。

 タイに住み始める前年の2016年8月、再び「プラティープ財団」を訪れる機会があった。その時もスラムの中を案内していただいたが、私の記憶とはかなり変わっていた。確かにまだまだ貧しい暮らしをしている人は多いが、スラムの中心の通りは他の町とあまり変わらず、昔とは大違いだった。

 タイに来る前から、何かクロントイスラムでボランティアをしたいと思っていた。1年目は仕事に慣れるまでそれどころではなく、2年目は問い合わせをしたものの、授業数が前年よりも増えてしまったため、そのゆとりがなかった。

 そして今年、日本から戻ってすぐ去年に問い合わせをした「シーカー財団」にメールをした。今回は、すぐに話を聞きに行くこともでき、6月終わり頃から週1回をめどにボランティアに出かけている。

 ボランティアと言っても大したことをしているわけではなく、一番多いのは、図書館で子どもたち過ごすこと。子どもたちは容赦無くタイ語で話しかけてくるので、いつもしどろもどろになる。でもタイ人の先生方は、私にもわかりやすいようにゆっくりと話してくださる。



 図書館にはいろいろな人がボランティアに来ている。タイに住んでいる日本人だけでなく、いろいろな国の人もやってくる。この写真の時は、ちょうどフランス人学生がインターンシップとして参加していた。

 これは大きな絵本を使った読み聞かせで、子どもたちの大好きな「大きなかぶ」。先生の話し方が本当に上手で、私もすでに何度か聞いているが、いつも楽しい。

 タイ人の中にも、まだまだスラムに偏見を持つ人は多いという。タクシーも乗車拒否をされることも多いらしい。タイ人の同僚にボランティアのことを話してみたが、クロンとイスラムには行ったことがないと言われた。

 子どもたちは昔と同じように、誰にでも明るい笑顔を向けてくれる。私ができることは限られているけれど、これからもずっとその笑顔を見に行きたいと思う。

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