今年に入って、血液や尿からがんを発見できるようになるという記事を読んだ記憶があった。でも11月末から立て続けにそんな記事を見つけた。もちろんこれを読んでくださっている方は、すでにご存知かもしれないが。

 まずは11月末に報道されたのは、東芝が血液1滴で13種類のがんにかかっているかわかる検査キットを、国立がん研究所などと共同開発したというニュース。このキットを用いれば、2時間以内に99%の確率でがんを検出できるそうだ。ステージ0でも発見可能で、早ければ2021年から実用化され、費用も2万円くらいだそうだ。

 もう一つはつい先日ネットで目にしたニュースで、やはり小さなチップに数滴の血液を垂らすだけで、大きさ0.1ミリ以下という超早期のがんまで見落とすことがないバイオチップ「プロテオ」を、小さなバイオベンチャーが開発したそうだ。

 こちらのニュースにはとても驚いた。発明者は兵庫県神戸市のバイオベンチャー「マイテック」の研究者である長谷川克之さんという方で、これは、ご本人、息子さん、そしてもう1人の研究者だけで開発されたのだ。しかもこの長谷川さんという方、最終学歴は地元の公立中学校だとか。

 どうして医療とは無関係で、勉強もされていない長谷川さんが、これほどの発明ができたのだろうか。ご本人の弁によると、「できるまでやる。絶対にやめない」だからだそうだ。

 10年間の開発期間中に、お母さんを肺がんで亡くされている。この悔しさもバネにされ、絶対に負けたくないという気持ちで開発を続けられたそうだ。でもこの発明が妻の幸子さんのステージ0の乳がんを発見した。医者から、全く症状もないのに、なぜがんを疑ったのかと言われたそうだ。

 本当に世の中の技術は進化している。30年前なら「がん」になったと聞いたら、誰でも死ぬのだと思っていたかもしれない。でも今はいろいろな治療薬や治療法もあり、ステージ4から完治される方もある。私のように2cm以下の小さな肺がんも、X線検査で見つけてもらえることもある。でも何よりも、血液だけで早期発見できるようになれば、がんはもう怖い病気ではなくなるはずだ。ステージ0やステージ1であれば、生存率は随分高くなるのだから。

 「プロテオ」を開発された長谷川さんは、現在59歳。私と同じ年だ。「がんを早期に見つけ、亡くなる人を1人でも少なくしたい。日本だけでなく世界に広めていきたい」と話しておられる。「できるまで絶対にあきらめない」気持ちでずっとチャレンジされるのだろうと思う。

 この長谷川さんの記事に、とても大きな勇気をもらった。私のチャレンジは、長谷川さんに比べると米粒ほどもないが、「できるまで絶対にあきらめない」で、いつまでもがんばり続けたい。

 今回、以下の記事を参考にしています。
「血液1滴でがん検出」キットで劇的に変わりそうな死亡率と平均寿命
「血液数滴でガン診断 中卒研究者が世界仰天の発明できた理由」



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