大学の授業で、「タイと日本の違い」とか「日本へ行ってびっくりしたこと」というテーマで話し合いをさせて、意見を聞くことがある。その中で、私自身が知らなくて、とても驚いたことがある。
「日本でトイレに入ろうとしたら、フタが閉まっていて困りました。」
「フタが閉まっていて困る?何のこと?」と私は逆に頭の中が「・・・」。
「フタって、便座のフタのことですか?」
「はい。」
ますますわからなくなってきた。どうしてフタが閉まっていると困るのか。
「タイではフタを閉めません。フタを閉めると汚いっていうことです。」
えー!?そうなんだ。言われてみると、ショッピングセンターのトイレもフタが閉まっていることはない。そして私もいつの間にかフタを閉めなくなっていた。
日本にいるときは、必ずフタを閉めていたように思う。家でも暖房便座を使っているので、フタを閉めていた方が保温率が高いはずと思い、冬場は特に気をつけていた。家のトイレの中に暖房はないので、座ったときに暖かいとほっとするのだ。
タイでは冷たい便座に座ることは決してないので(なんせ、年中30度ちかい)、自分の家でもフタのことは気にしなくなっていた。でも、この前友人が泊まりに来ていて、便座のフタが閉まっていて、思い出した。「そうか、日本人は閉めるのが普通なんだ。」
その友人はもう何十回もタイに来ているのに、この話は知らなかった。私自身も、30年以上前からタイに来ていて、かなりタイ通だと思っていたが、トイレのフタのことを考えたこともなかった。
このことをもっと多くの観光客が知るべきだと感じたことがあった。いつだったか、スワンナプーム空港のトイレに行ったとき、かなりの人が並んでいた。それなのに、二つのトイレはドアが開いているのに、私の前に並んでいる人たちは入ろうとしない。
「どうして入らないのですか?」と聞くと「だって汚いから」との返事。それで学生が言っていたことを思い出した。でもここは空港。使っているのは、外国人のほうが多い。私はちょっと勇気を出して、ふたつのトイレのフタを開けてみた。
「大丈夫、きれいです」と言って、前の二人に入るようにうながしたら、二人は笑って「ありがとう」と言ってくれた。
このトイレの習慣はいつからなのかと学生に聞いてみても「ずっとそうです」との返事。フタが閉まっているのは、流れていないということらしい。日本では、トイレが詰まることは少ない。だからそんな心配は不要なのだと思うが、タイは今でもトイレットペーパーを流してはいけないというルールが一般的だ。
バンコクのトイレは、この20年間ほどですっかりきれいになった。以前は、ホテル以外でトイレに入るのは、かなり勇気がいったものだ。洋式トイレも少なくて、便座の横に水ガメが置いてあり、自分で流す必要があった。今でも田舎に行くと、そんなトイレをたくさん見かける。
「トイレであまり紙を流してはいけない」というのは、ガイドブックで見たこともあるような気がする。でも「トイレのフタを閉めてはいけない」とは、どこにも書いていない。でも、本当はその情報の方が大切ではないか。日本人団体旅行客が、一斉にトイレに行ってフタを閉めてしまったら、タイ人たちは、みんな困ってしまう。
これを読んでくださったみなさんに、タイでトイレを使うとき、「あまり紙を流さない方がいいこと」と、「便座のフタを閉めないこと」を、覚えていただければと思う。

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「日本でトイレに入ろうとしたら、フタが閉まっていて困りました。」
「フタが閉まっていて困る?何のこと?」と私は逆に頭の中が「・・・」。
「フタって、便座のフタのことですか?」
「はい。」
ますますわからなくなってきた。どうしてフタが閉まっていると困るのか。
「タイではフタを閉めません。フタを閉めると汚いっていうことです。」
えー!?そうなんだ。言われてみると、ショッピングセンターのトイレもフタが閉まっていることはない。そして私もいつの間にかフタを閉めなくなっていた。
日本にいるときは、必ずフタを閉めていたように思う。家でも暖房便座を使っているので、フタを閉めていた方が保温率が高いはずと思い、冬場は特に気をつけていた。家のトイレの中に暖房はないので、座ったときに暖かいとほっとするのだ。
タイでは冷たい便座に座ることは決してないので(なんせ、年中30度ちかい)、自分の家でもフタのことは気にしなくなっていた。でも、この前友人が泊まりに来ていて、便座のフタが閉まっていて、思い出した。「そうか、日本人は閉めるのが普通なんだ。」
その友人はもう何十回もタイに来ているのに、この話は知らなかった。私自身も、30年以上前からタイに来ていて、かなりタイ通だと思っていたが、トイレのフタのことを考えたこともなかった。
このことをもっと多くの観光客が知るべきだと感じたことがあった。いつだったか、スワンナプーム空港のトイレに行ったとき、かなりの人が並んでいた。それなのに、二つのトイレはドアが開いているのに、私の前に並んでいる人たちは入ろうとしない。
「どうして入らないのですか?」と聞くと「だって汚いから」との返事。それで学生が言っていたことを思い出した。でもここは空港。使っているのは、外国人のほうが多い。私はちょっと勇気を出して、ふたつのトイレのフタを開けてみた。
「大丈夫、きれいです」と言って、前の二人に入るようにうながしたら、二人は笑って「ありがとう」と言ってくれた。
このトイレの習慣はいつからなのかと学生に聞いてみても「ずっとそうです」との返事。フタが閉まっているのは、流れていないということらしい。日本では、トイレが詰まることは少ない。だからそんな心配は不要なのだと思うが、タイは今でもトイレットペーパーを流してはいけないというルールが一般的だ。
バンコクのトイレは、この20年間ほどですっかりきれいになった。以前は、ホテル以外でトイレに入るのは、かなり勇気がいったものだ。洋式トイレも少なくて、便座の横に水ガメが置いてあり、自分で流す必要があった。今でも田舎に行くと、そんなトイレをたくさん見かける。
「トイレであまり紙を流してはいけない」というのは、ガイドブックで見たこともあるような気がする。でも「トイレのフタを閉めてはいけない」とは、どこにも書いていない。でも、本当はその情報の方が大切ではないか。日本人団体旅行客が、一斉にトイレに行ってフタを閉めてしまったら、タイ人たちは、みんな困ってしまう。
これを読んでくださったみなさんに、タイでトイレを使うとき、「あまり紙を流さない方がいいこと」と、「便座のフタを閉めないこと」を、覚えていただければと思う。

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