ロックダウンに入って以来、ネット中毒と言われても仕方のない状態だが、この間に何度か「女性指導者の国がコロナを抑えこむ」という内容の記事を読んだ。台湾、ドイツ、ニュージーランド、デンマーク、フィンランド、特にニュージーランドは感染者数が他国よりはるかに少ない時点でロックダウンを決め、先日、勝利宣言がでた。

 ニュージーランドには次女が暮らし、私自身も若い頃4ヶ月ほど短期留学をしたことがあるので、大好きな国の一つだ。2017年37歳のときに歴代最年少で首相になったアーダーン首相は、翌年には首相で初めて産休を取り、育児をしながら国政を行なっておられる。

 3月始めに国境を封鎖し、6月までは海外からの渡航を禁止。そして3月25日には緊急レベル4(最高)のロックダウンを決める一方、ロックダウン中の給与を保証し、パートタイムでさえも受け取ることができる。実際私の娘はパートタイムで働いているが、そのお給料はちゃんともらっている。

 そして何よりも素晴らしいのは、国民に対する共感力なのだ。彼女は毎日facebookにスピーチを載せ、誰が読んでもわかるように呼びかけている。文章の最後には、「ニュージーランドの皆さんの健康を守ることが一番重要で、必ず情報をシェアし、アドバイスします」と書かれ、「質問はコメントに書いてくれれば、すぐに返事します」とあり実行されている。

 文章だけでなく、ライブ配信もされており、忙しい中、自宅からの配信もあったようだ。中には子ども向けのものもあり、イースターのライブは、子どもでも「家にいなければならない」ことがわかるように、優しい言葉で語りかけておられた。

 子供向けの記者会見は、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、ベルギーの女性首相も行なっておられる。日本の政治家は子ども向けに会見を行うことなど、考えもしないのだろうか。ステイホームで我慢しているのは、大人より子どもたちなのに。

 ドイツのメルケル首相は「強い女性」と思っていたが、物理学者として冷静に科学的に判断し、徹底した検査と行動制限を行い、ヨーロッパの中では唯一押さえ込みに成功した国だ。彼女のスピーチも、国民を納得させるだけの根拠と、強い意志で、多くの共感を呼んだそうだ。

 本来は男女に共感力の差はないはずだ。男女ではなく、個々の違いだ。ただ、数々の研究から、女性の方が「人の感情を読み取ったり、感情を表現する力が強い」と言う結果が出ているそうだ。確かに女性の方が、人の気持ちを察し、悲しみや不安に寄り添うことをためらわない人が多いと思う。

 共感力のない政治家を選び続けてきたのは、私たち日本人だ。でも今の日本の政治家は、共感力で支持されている女性指導者を見習ってほしいものだ。



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