今、何気なしにネットでニュースを読んでいたら、HUFFPOSTの「なぜ中絶の権利を支持するのか」男性記者の質問に米報道官がピシャリと回答。「決めるのは女性」という記事を見つけた。

 全く知らなかったのだが、テキサス州では9月1日に、妊娠六週目以降の人工妊娠中絶を禁止する州法が施行されたそうだ。禁止されただけでなく、中絶の手助けをする医師などに、関係ない市民が訴訟を起こすこともでき、「報奨金」を与えるとか。戦争中の治安維持法下の、戦争反対者への密告を思い出すような法律だ。しかもこの法律は、レイプ被害者に対しても適用される。

 この法律を認めた人間は、妊娠6ヶ月がどんな状態かわかっているのだろうか。もし毎月正確に生理が来る女性であれば、妊娠4ヶ月に入ったところで気づく場合もあるかもしれないが、外見上も健康上も全くいつもと変わらない状態であることが多い。実際、私が次女の妊娠に気付いたのは7週目に入った頃で、胸焼けがすると友人に話すと、婦人科受診を勧められたのだ。胸焼けはつわりだったのだが、それがなければもっと遅くまで気づかなかったかもしれない。当時かなり生理不順の状態だったからだ。

 もちろん妊娠を望んでいる人であれば構わない。でもレイプ被害者とか、もし重い病気を持っていて妊娠が自身の命に関わる場合の人もいるはずだ。今だと妊娠発覚後にコロナに感染してしまった場合も、中絶を考える要因になるかもしれない。とにかく出産を望まない理由は一人一人違うのだ。

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 サキ報道官の対応は見事だった。
記者「バイデン大統領は、自身のカトリックの信仰では中絶は道徳的に間違っていると教えているのに、なぜ中絶を支持するのか。」
サキ報道官「彼は、それが女性の権利だと信じています。それは女性の身体であり、その女性の選択なのです。

記者「では彼は、誰が胎児に気を配るべきだと考えているのですか。」
サキ報道官「決めるのは女性次第であり、その決断を医師とともに行うのも女性です。

さらに続けた言葉が素晴らしい!
あなたはそのような選択に迫られたことがないし、妊娠したこともないでしょうが、その選択に直面したことのある女性にとっては、これは信じられないほど難しいことです。大統領はその権利が尊重されるべきだと考えています。
(ハフポストジャパンより)
 
 記事の中ではビデオクリップも見れるのだが、この男性記者はさらに何か言おうとしているが、サキ報道官は「あなたは十分な時間を使ったわ、はい次」と打ち切った。これも見ていてすっきりした。

 アメリカにはカトリック信者も多いので、日本より中絶に対して否定的な考えがあるのは知っていたが、21世期の今、こんな法律が制定されてしまったことに驚きを隠せない。そして記者とサキ報道官のやりとりを見て、かつて私が日本で教師をしていたときのことを思い出した。

 今から10数年前、生理休暇の申請を前日に行うのはダメだという管理職がいた。当日朝、体調が悪ければ直接電話連絡するようにと言うのだ。その当時、管理職はほとんどが年配男性だった。私はすでに中年で図太い性格だったので、そうできないこともなかったが、まだ若い女性やそんなことを言いたくない女性にとっては、その電話は苦痛だった。

 私は組合活動をしていたので、そのことについて教育委員会との交渉で、法的には前日届出も問題がないはずだということ、そして電話連絡を要求するのは管理職のパワハラにも値すると述べた。実際、生理痛は個人差が大きいが、いつも苦しんでいる女性であれば、毎月のその時の体調を予測することもできる。

 その時一番腹立たしかったのは、教育委員会からの出席者の90%が男性だったことだ。その場は女性教員との交渉の場なので、こちら側は全て女性。そして女性特有の問題がほとんどだった。
「どうして女性の問題についての話し合いの場に、男性ばかりが出席されるのですか?生理も妊娠も出産もしたことのない男性に、どうして女性の苦しみが理解できるのでしょうか。そして皆さんの中に、女性教員を配偶者としてお持ちの方が、どれほどいるのですか。」

 結局この答えは得られなかった。ただ、電話を要求する管理職のやり方が間違っていることは認めた。

 男女平等、男女同権という言葉は簡単に使われる世の中になったが、身体的な違いはあり区別は必要だ。サキ報道官の言うとおり、女性が自分の身体のことを決めるのは、その女性自身であり、たとえ夫婦や恋人であってもその女性の意志を尊重しなければならない。そんな当たり前のことを当たり前として受け入れられる社会であるべきだ。



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(世界肺癌学会議 IASLCの指針を参考に作成)

1) どのようにがんの診療をすべきか?

  • 通常の時と同様に、病理診断、病期診断、および点滴治療が必要な患者さんは入院あるいは外来で診療を行う。現在治療している患者さんは、そのまま継続を試みるが、長期経過観察中やがんサバイバーの方の診察は延期を考慮される。
  • 抗がん薬の点滴による治療は継続する。点滴の投与スケジュールを変更(毎週投与から3週毎への投与、3週毎の投与から4~5週毎への投与)し、外来受診の回数を減らすことも考慮する。病勢が安定していれば、1サイクル分の休薬期間を設けることも考慮する。画像評価を少し延期することも可能である。血液検査は、近医にて施行することを考慮する。

2) 肺がん疑いの患者への検査は?

  • 前もって電話で、あるいは診察室に入る前にCOVID-19に関する症状スクリーニングを行う。
  • CTガイド下針生検が困難になる重大な合併症がなければ、CTガイド下針生検で病理診断を行う(日本ではまず気管支鏡を行うことが多いが、COVID-19流行地域では気管支鏡の施行自体が医療者の曝露リスクが高い)。
  • 気管支鏡やEBUSは、マスクと透明なプラスチック・シールドなどの個人防護具(PPE)を用いて行う。症例により異なるが、緊急性のない検査なら2~4週の延期は可能である(特に病院内にCOVID-19患者が急増しているとき)。

3) 肺がんの疑われる、高齢者や基礎疾患のある患者への生検は?

  • 肺がんが疑われた場合には、COVID-19流行前と同様に、病理診断や病期診断の検査を行う。
  • 経胸壁(CTガイド下あるいはエコー下)針生検による確定診断が望ましい。
  • 症例により異なるが、気管支鏡検査は2~4週の延期を考慮できる。

4) 新しく診断されたがん患者に対する手術は?

  • 術前治療がすでに終了している場合、あるいは新しく診断されたsolid-typeの結節影の場合は、遅延無く手術が行われるべきである。
  • 肺がん部位のsolid componentの程度、PETでのSUV値、solid部分の大きさ、あるいは肺野条件でのすりガラス部分の縦隔条件での消失割合など総合的な判断に基づき手術延期が可能か否かを決定するが、極めて難しい判断となる。
  • 低リスクの早期がん病変、CT画像で微少浸潤腺がん、50%未満のsolid component、3 cm以下の原発巣など比較的早期のがんでは、4週間の手術延期は可能と考える。腫瘍量が大きい場合(例えば4 cm以上、N1陽性、明らかなN2陽性)には、腫瘍内科医は術前の化学療法や化学放射線療法を推奨する。

5) 高齢や基礎疾患を有する患者に対する手術は?

  • 体幹部定位放射線治療(SBRT)などの有効な局所療法が可能な施設が近くにあればそこでの治療が適切であると思われるが、遠距離を移動することは避けたほうが良い。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者であっても、外科手術の対象となるか否かはCOVID-19流行前と同じ基準で判断するのが望ましい。
  • 高齢者や基礎疾患を有する患者の手術適応の判断が難しい場合は、SBRTの可能施設か腫瘍内科へ紹介する。

6)術後化学療法は?

  • 術後再発リスクの高い患者(T3/4 or N2)で、65歳未満で全身状態が良ければ、化学療法が行われるべきである。
  • 再発リスクが中等度の患者(T2b-T3N0 or N1)では、個々の症例のリスクとベネフィット (年齢、基礎疾患の有無、全身状態、副作用など)を考慮するが、治療することが望ましい。
  • 再発リスクが低い患者(T1A-T2bN0)では、個々の症例における化学療法のリスクとベネフィットを考え、治療のメリットが低ければ治療の延期を考慮する。
  • 術後6~12週後の化学療法開始も許容される。
  • 高齢者(年齢≥70歳)や基礎疾患のある患者では、中止も考慮する。
  • 発熱性好中球減少症のリスクが10-15%<のレジメンでは、G-CSF投与を考慮する。
  • 術前・術後療法の適応は、COVID-19流行前と同じ基準で行う。
  • 切除可能なcStage III症例では、術前化学療法を行うべきである。

7)化学放射線療法は続ける?どうして?

  • 限局型小細胞癌、切除不能非小細胞肺癌 (stage III)では同時化学放射線療法を行うべきである。
  • 化学放射線療法は、通常がんの根治を目指して行っているので、既に治療が開始されている場合には完遂するべきである。
  • 切除不能非小細胞肺癌 (stage II)の治療オプションとして、化学放射線療法を考慮することができる。
  • 上大静脈症候群、喀血、脊髄圧迫、骨転移による疼痛、他の生命を脅かすようなOncology emergencyに対して放射線照射を行うべきである。

8)新規化学療法の導入は?

新しく診断された患者には、通常化学療法が行われるべきである。患者がCOVID-19に罹患している場合は、肺炎の状態を考慮して治療を少し遅らせるべきかどうかを慎重に判断する。

9)化学療法は続けるべき?

  • 一般に、切除不能肺癌に対する化学療法は続けるべきである。
  • 治療プロトコールを2週間に1回から3週間に1回のものに変更する、可能であれば点滴治療から内服薬に変更する、など受診回数を減らすことが考慮される。
  • 適切な用量調整にもかかわらず発熱性好中球減少症のリスクが10%<の場合には、G-CSFの一次的予防投与を考慮する。
  • 採血検査を近医で行うことも考慮する。
  • 化学放射線療法後の限局型小細胞肺癌に対する予防的全脳照射(PCI)は行うべきである。

10) 維持療法は続けるべき?

  • 続けることが望ましい。
  • 3から4週の休薬期間または治療と治療の間隔を延長することは考慮しても良い。

11) 新規治療は導入すべき?

新しく診断された転移のあるがん患者に対して治療の種類に関わらず標準的治療を提供し、疾患を制御し、生活の質を維持し、より良いPSを維持または達成すべきである。

12) 分子標的治療薬・免疫チェックポイント阻害薬の治療は?

  • 分子標的治療は行うべきである。経過観察の期間は個人の状況により6週から12週程度まで延長しても良い。
  • 抗PD- (L) 1抗体薬の投与では、例えば2-3週サイクルから4-6週サイクルの治療に変更または遅らせることを考慮する。
  • 局所進行非小細胞肺癌の放射線化学療法後の地固め療法としてDurvalumabの適応がある場合は、行うべきである。
  • 抗PD-(L)1抗体薬を12あるいは18ヶ月以上投与している症例では、次サイクルを遅らせる、サ イクル数を減らす、あるいは全体に治療間隔を長くすることを考慮しても良い。

※Content 4 was written referring to the guideline of The International Association for the Study of Lung Cancer (IASLC) with permission of IALC.
以上の内容は世界肺癌学会議の了承を得て、IALCの指針を参考に記載しました。

※各がん腫に対する治療方針の詳細はESMOの診療指針を参照 (ESMOの了解取得済み):
https://www.esmo.org/guidelines/cancer-patient-management-during-the-covid-19-pandemi



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