5年前にタイに来たときは、実は母が遊びがてら行きたいというので、二人分の荷物で50Kgほどを持ち込んだ。特大のスーツケース2個、機内持ち込みサイズを2個だったが、母がいたので移動はタクシーを使い問題はなかった。確か最後に泊まったホテルから今のコンドまでが歩いて10分ほどなので、そこを3往復したことを覚えている。

 以降日本から持ち込んだものも多いし、こちらで買ったものもたくさんある。そして何よりも多いのは仕事やタイ語の勉強で使った本や書類だ。本は分別して郵送しようと思うが、プリント状態の物が大量にあった。

 それらも郵送しようと思って調べたら、最近船便でも郵送料がかなり高くなっていることがわかった。やはり燃料費高騰のためだろう。昔タイから船便で送ったとき、ずいぶん安いと思ったのに、今は10㎏でも1800バーツ(航空便だと3260バーツ)。はたしてこのプリントにそれだけの価値があるのか・・・とケチな精神が待ったをかけてしまった。

 こんなに多くの書類や資料が、日本に帰っても必要なんだろうか。帰国してすぐ働きたいとは思わないが、実家の片づけが住んだら、週2,3回程度働くのもいいなと思う。可能性としては日本語教師か英語教師。となると教材を処分するわけにはいかないか。

 スキャンするのはどうだろう。プリンターは持っているのでスキャンできるが、一枚一枚手作業でするとなると気が遠くなる。日本の職場にはScan Snapというスキャナーがあったので、本一冊スキャンしても大変じゃなかったなあと思いながら、ネットサーフィンをしていた。

 するとiPhone や iPadで簡単にスキャンできることに気がついた。まず一つ目は、iPhoneに入っている「メモ」を使ってスキャンする方法。
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 写真を撮るだけで、4角を判断し修正してPDFにしてくれる。便利すぎてびっくりした。今までこれを知らなかったことが悔やまれる。これを使って本一冊分をスキャンした。

 そしてもう一つのやり方はAdobe Scanというアプリを使ってiPadでスキャン。このアプリも無料で使えるが、OCR機能は枚数制限がある。

*OCR (Optical Character Recognition) 機能:手書きや印刷された文字を、イメージスキャナーやデジタルカメラによって読み取り、コンピューターで利用できるデジタル文字コードに変換する。

 このOCR機能で手書きのタイ文字が判読されるかはわからないので、タイ語の資料についてはこの機能はなくてもよい。Adobe Scanは自動的に書類を認識し、自動的にシャッターを切ってくれる。でもiPadを書類の上に固定しなければ、手で支えたままでは大変だ。

 これがあれば便利だろうなあ。
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 ということで、家にあるものを使って作り出したのがこれ。観音開きの棚の戸の上に突っ張り棒を置き、その上にiPadを置く。段ボールには黒い服を載せ、それを書類台にした(黒台だと4角が判別しやすい)そしてスタンドで照らす。

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 この方法だと、書類を入れ替えて、iPadの続行ボタンを押すだけた。後は自動的にシャッターが下りる。でもリビングの床に座り込んでの作業は、大変だった。学生のレポート、多くはないが手紙類、PCにデータとして残っている書類、タイ語の勉強に使ったノート類や資料と数百ページにもなった。そして3日間で費やした時間は、約22時間。いやー本当に嫌になった。

 ということで捨てた書類は大きなゴミ袋が2つになった。それでも捨てられない本や書類がかなり残っている。それは郵便局から船便で送ることにした。

 郵便局へ、これだけの量をどうやって持っていこう。うちは郵便局まで歩いて10分ほどだが、コンドのカートを借りて持っていっても、帰りにカラのカートを押して帰るのも面倒だ。ということでバイクで2往復することにした。

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 近くの郵便局は、これまで何回もお世話になっているが本当に親切だ。あまり英語は通じないが、うちのコンドにも外国人が多いので、局員さんたちは対応に慣れている。

 上の荷物を半分持っていき、梱包をしてくれる局員さん(珍しく女性だけだった)に、「残りを取りに行って戻ります。10分で戻ってきます」と言うと、カウンターに置いていいよと言ってくれた。

 戻ってきて荷物を見た局員さんは、すぐ大きな段ボールを用意して、どんどん詰めてくれる。リュックの中も本だったが、とにかくどんどん放り込まれた。上部には隙間もあったが、そのままビニールテープを貼り、あっという間に紐もかけてくれてカートに乗せてくれた。
「あっちのカウンターへ行ってね。箱は40バーツよ。」

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 送り状には「Books, Notebooks, Document」で価格は3000バーツ、Category of Itemはอื่น ๆ (Other)を選び Personal belongings(私物)と記入。さて何キロでいくらになるんだろう。

 家で別々に計った時は22㎏くらいかなと思ったが実際は、23.340kgで船便(International Parcel Surface)は3285バーツ(約12000円)だった。

 とにかく一番の大物である書類、本の整理が済んだことで気が楽になった。私より早く日本に到着するはずで、早ければ5月中。さあちゃんと箱もつぶれずに届くだろうか。