白浜は何度も行っているので、行きたいところが思いつかない。いつも通りGoogle mapでいろいろ探してみたが、一応白浜近辺の観光地は、どこも行ったことがあった。それでふと和歌山市内を探すと、和歌山城、美術館、博物館があることに気づいた。

 和歌山城に行こう。7月に母と岡城跡に行ったし、先日は友人と大阪城にも行った。日本にいるのだから、いろいろなお城へ行ってみよう。

 和歌山城は小高い丘の上にあるので、こんな階段を5分(若い人なら)ほど登らなければならない。母に聞くと「行ける」というので登り出した。でもすぐ最初の踊り場でしんどそうだったので、そこからは階段を登るタイミングに合わせて、お尻を押してみた。母は「ずいぶん楽やわ」と言いながら、残りをなんとか登り切った。

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 ここの石垣は大阪城とはずいぶん違う。まあ豊臣秀吉の居城と比べてはいけないか。大阪城に石垣の石は、もっと大きくて形がそろっている。でもここは逆にこんな不揃いの石でちゃんと石垣を作っているのがすごいと思った。

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徳川御三家のひとつ「紀州徳川家」の居城で、8代将軍吉宗はここの出身だそうだ。太平洋戦争時に空襲で天守閣が焼失したが、1958年にコンクリートで再建された。だから城自体はオリジナルではないが、中に展示されているものは、江戸時代のものもあり、とてもおもしろかった。
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 この写真を撮っていると、忍者姿のおじさんが近づいて来て、私たち二人の写真を撮ってくれた。たぶんこのお城のボランティアさんだと思う。
「この階段で上がってきたんか、すごいなあ。」と母に言ってくれ、気をよくした母は、また色々話し始める。
「子供の頃、親がよく山歩きに連れて行ってくれたから、86になってもこれだけ歩けるんや」と自慢げ。そしていつも通り、いろんなところに行って歩いたとか、海外旅行もたくさん行ったとかの話になる。(もう知らない人に、そんな話をするのはやめてくれー) そしてまた私がタイから帰ってきた話になり、母の頭の中では、私が文科省の派遣か何かで行って、定年で帰ってきたことになっている。

 母の話につきあって下さった忍者のおじさん、本当にありがとうございました。

 話をして機嫌良く門をくぐっていく母
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入ったところに敷き詰められた白石がハート型
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鎧を見ると、いつも小さいなと思う
昔の人はかなり小柄だったのだろうか
 
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これにはびっくり。明治時代初期までは、郵便配達員は銃を携帯していた!

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 昔のお殿様は、こんな鉄仮面のようなものをつけていたんだ。でもマスクでも汗をかいて、呼吸するのが苦しくなるのに、鎧を来て、こんなものを被っていたら、戦なんてできないよ。私がそう言うと、母が言った。
「昔のお殿様は、動く必要がなかったんやない?」
 確かに・・・母に一本取られた。
 
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 鯱を初めてお城に造ったのは、織田信長だそうだ。その後それを真似て、お城には鯱となったらしい。
 
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    天守閣からの景色は素晴らしかった。紀ノ川から瀬戸内海を眺めることができる。丘の上にあるので、風も心地よかった。

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 和歌山から白浜へは、高速を使ってもまだ1時間半ほどかかる。お城に向かうときに目についたカフェで一休みしていくことにした。ちょうど高速の入り口に向かう側にあるので、すぐにわかった。

 最初母がブレンドを私はアイスラテだけを注文したが、その後メニューを見ていた母が、「このケーキ美味しそう」と言った。見ると飲み物とセットにできることがわかった。もう一度店員さんを呼んで、ブレンドをセットにしてもらう。実は母は私より甘いもの好き。私はお昼の丼が多すぎてまだお腹に残っている感じだったので、「二人で一つでいいよね」とこのケーキを選んだ。

星乃珈琲店
アイスオーレに瀬戸内レモンと柚子のチーズタルト
 
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 食べてみると甘さと酸味がマッチして本当に美味しかった。もう来ることはないかもしれないが、ちょっと他のケーキも食べて見たかったなあ。

 レジで母が「星のやホテルと関係があるの?」と聞いていた。店員さんは「よく言われるんですけど、違うんですよ。でもそう思ってもらえたら、嬉しいです。」と笑って答えてくれた。おばあちゃんの相手をしてくれてありがとうと、私は心の中で感謝。
 
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 外出することで、母は他人と話をする機会が増える。これだけでもプラスになると考えるべきか。私には母の自慢話に聞こえることも、知らない人が皆そう思うわけではないかもしれない。

 果たして今日私は母を生徒だと思って話せただろうか。いやー、難しい。


  
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