串本は本州最南端にある町だ。白浜からは1時間ほどなので、前に行ったことがある。本州最南端である潮岬とそこから「くしもと大橋」を渡った紀伊大島。その紀伊大島に以前からどうしても行きたい場所があったからだ。

 明治23年(1890年)、トルコ皇帝特派施設として来日したエルトゥールル号は、帰国途中に熊野灘で暴風雨に遭い、串本・樫野崎灯台下の岩礁で難破し、587名が亡くなり、69名が救助された。樫野崎の村人たちは、自分たちの蓄えていた食料も提供し、負傷者たちの世話をした。それ以降、串本町とトルコの交流が始まった。そしてここにその歴史を感じることのできるトルコ記念館がある。

 私はトルコに2回行ったことがある。と言っても1980年代後半なので、もうずいぶん昔のことだ。その時にもトルコは親日的で親切だと聞いていた。その通り、2回ともとても親切にしてもらった記憶がある。でもそれがこのエルトゥールル号事件のためで、トルコの小学校の教科書にも載っている話だとは知らなかった。

 イランイラク戦争の時、テヘランに取り残された外国人たちは、救援に来た自国の飛行機で次々と避難した。でも日本政府の判断が遅れ、日本人だけが空港に取り残された。そこへトルコ航空機がやってきて、216名全員を成田まで運んでくれたのだ。そのことを駐日トルコ大使が「エルトゥールル号の恩返し」だと話した。2015年には、「海難1890」という映画も作られている。

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 母ははっきり覚えていないかもしれないし、以前行ったとき、もうすぐ改装すると聞いたので、もう一度行ってみることにした。

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 館内はそれほど大きくはないが、見やすく展示されている

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エルトゥールル号の模型

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 2015年に公開された映画「海難1890」の紹介ビデオもある。前から見ようと思っていたのに、残念ながらまだ見ていない。

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    屋上から事故現場が見える。たくさんの岩があり、この近くまで入ってくると、座礁してしまうだろうなと思った。
 
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 トルコ初代大統領ケマル・アタチュルク像
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トルコ軍艦遭難慰霊碑

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 樫野崎灯台は、慶応2年(1866年)の江戸条約で建設が決められた8灯台の内のひとつ。明治3年(1870年)6月10日に点灯され、日本で最古の石造灯台で、約34㎞先まで光が届くそうだ。

 灯台に登ってご機嫌な母
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 この樫野崎灯台旧官舎は、1869年(明治2年)4月に着工、1870年(明治3年)7月に竣工した日本最古の石造灯台官舎で、2003年には国登録有形文化財に登録されている。
 入館料は100円かかるが、中に年配の男性がいて、詳しく説明をしてくださった。ドアに使われている木の年輪は、櫛のようなもので手で描いたものだそうだ。残念ながら館内は写真撮影は禁止だった。

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 この日は朝から温泉に入って、かなりゆっくり出ていったので、トルコ記念館に行く前に食事へ行った。串本は新鮮な魚介類が食べられる場所で、マグロとカツオは絶品と言われている。そして記念館から車ですぐのところにある樫野釣公園センターにある食堂は、一流レストランにも引けを取らない。

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 パンフレットに夏にはアワビ会席が食べられるとあったのだが、今年は貝が不作らしく、メニューにはないとのことだった。でもこの海鮮丼(上)の最高だった。特に中トロが絶品で、日本に帰ってきて一番美味しい刺身だった。


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 私たちが行ったのは8月最後の土曜日に昼過ぎ。あまり広くない食堂だが、席は7割方埋まっていた。この海鮮丼はいい値段だったが、他にお手頃なメニューもあり、それも美味しそうだった。
 10月になると伊勢海老が解禁となり、それを目当てに来るお客さんがたくさんいるそうだ。今度はぜひ伊勢海老のシーズンに行ってみたい。



  
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