去年日本に帰国したとき、一番とまどったのは、至るところでセルフレジになっていたことだ。しかもセルフレジと言ってもいろいろなやり方があり、その機械をぱっと見ただけではお金をどこに入れるもわからないことがあった。

 以前からイオンの食料品売り場はセルフレジがあったので、バンコクのTOPSでも同様の機械を使うのは全く抵抗がなかった。日本で違和感を感じたのはコンビニで、バーコードの読み取りは店員さんがするのに、支払いだけ横にある機械にお金を入れてくださいと言われたこと。コロナ以降の非接触のためにこうなったのだろうか。タイではまだコンビニのレジは、店員さんとのやりとりなのに。

 一番進化したセルフレジはユニクロだろうか。かごに商品を入れたまま、機械の上に置くだけでスキャンされる。これだとバーコードの読み取りに慣れていない人でも簡単にできる。

 私は今のところ困っているわけではないが、母のことだ。セルフレジでは支払い方法も選ばなくてはならないし、カードや現金を入れるところも、ぱっとみただけではわかりにくい。現金もお札と硬貨の入れるところが横に並んでいなかったりする。先日も回転すしのお店で、「私が出すよ」と母は座席カードを持って立ち上がったが、まずそのカードをスキャンするところでつまづいた。

 母がよく行く大手のスーパーは、まだ有人レジが多いので、今まで通りの買い物ができている。もうひとつ家に近い小さいスーパーは、商品のスキャンは店員が行い、「お支払いはどうなさいますか?」と聞いてくれ、現金ならその先にある支払機で払う仕組みになっている。これだと表示された金額を入れるだけなので、高齢者でも抵抗が少なさそうだ。

 実はこのスーパーは私の家の近くにもあり、安いのでよく利用している。私は少額でもクレカを使い(ポイントを貯めるため)、若い人はPayPayなどスマホ決済が多いようだ。でも私より高齢に見える人はほとんど現金。支払機だけの操作なので、高齢者でも使いやすそうだ。

 ネットニュースで「セルフレジ導入で仕事が増えた店員の悲鳴」というのがあった。操作に戸惑う客(特に中高年層)に「バーコードが読み込めない」とか「教える暇があったら、あなたがやってよ」と言われ、以前より忙しくストレスが増えたそうだ。客の方も、操作がうまくできないのを待っている人に見られるのが苦痛を感じるのだろう。 

 それで最近ちょっと話題になっているAC JapanのCMを思い出した。



 これを見ながら、自分も母のような高齢者に「寛容の心」を持たなくてはと反省させられた。ただやはりセルフレジを誰が見てもすぐ使い方がわかるようにデザインしてほしい。

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庭に咲いていた花
Googleで調べると「ランタナ」というそうだ
たぶん亡くなった姑が植えたものだろう


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