今日の新聞にも、埼玉県の虐待禁止条例改正案について疑問視する声が載っていた。小学3年生以下の子供を自宅などに残して外出したり、公園などに放置したりすることを禁じた「留守番禁止」「放置禁止」の規定を、自民党県議団が県議会に提出したのだ。SNSで「現実的ではない」などと疑問の声が噴出しているそうだ。

 私の母は働いているわけではなかったが、身体が弱ってきた祖母の様子を見に行ったり、また母の茶道、華道に関することで、出かけることもあった。我が家はちょうど私が小学5年生になるときに、今の実家がある場所へ引っ越した。そのため、小学4年生までの記憶と、5年生の記憶にはっきり線引きをすることができるのだが、小学3,4年生の頃に、3学年離れた弟と夕食前の時間まで留守番することはあった。

 まあ今と違って下町の付き合いの深いところだったので、親がいなくても困ることはなかった。隣でおやつを食べさせてもらったり、夕食までお世話になることもあった。だから母も私たちだけで留守番させることに、不安は感じなかったのだと思う。

 今は近所に頼りになる人がいない子育て中の若い人たちもたくさんいる。そしてシングルマザー、シングルファーザーで頑張っている人も多い。そんな人たちに、埼玉県はどうしろというのだろう。共働きでも、同様に厳しい状況になる。

 小学校の学童保育は5時までだ。だから子どもたちが帰宅するのは5時すぎ。でも5時すぎに仕事から戻れる人が、どれほどいるというのだろう。私も子どもたちが小さいときは、なるべく早く帰るようにしても6時だった。

 改正案では、養護者の義務として、小学3年生(9歳)以下の児童の放置禁止のほか、同6年生(12歳)以下の児童についても努力義務とされる。養護者に当たるのは保護者や保育士、教職員など。自民県議団は、未成年のきょうだいと一緒に自宅にいても「放置」として扱うと言っている。

 これもとんでもない話だ。小学校高学年の子が、保育所へお迎えにくるのはよくあることだ。確かに10歳から12歳の子どもは、個人差が大きいかもしれないが、保育所のお迎えに来るような子は、小さい頃から弟妹の世話をしている。それさえも許されないなんて、本当にその自民党県議団たちは自分で「子育て」をしたことがあるのだろうか。

 この改正案が通ると、「埼玉に住めるのは、子どものいない人だけ」とさえ言われているらしいが、たしかにその通りだと思う。

写真は本文とは全く関係のない慶州の市場での一枚
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韓国で料理を頼むと、こんな辛そうな副菜が5,6種出てくる


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