9月下旬から急に仕事を始めることは書いたが、最近の私は、週4日は朝から晩までずっと部屋に閉じこもって、PCに向かって教材作りをしている。来月半ばから3週間、娘のいるニュージーランドへ行くのだが、その間もオンライン授業を行うため、どんどん先取りで教材を作っているのだ。

 さてそれはどんなものだろうと思ってくださる方もいるだろうか?日本語教育で一番有名な教材は、スリーエーネットワーク社の「みんなの日本語」だと思う。これは私が学んだ「420時間日本語教師養成講座」でも教材として使われ、教案や指導法の授業ではこのテキストを使った。

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スリーネットワーク社HPより

 タイの大学では、会話や読解はアルク社の「できる日本語」を使っていた。私が教える数年前にこの教科書に変更され、そのおかげで教案もパワーポイントもできていた。会話は日本人講師がチームとして教えていたので、毎週担当者が教案とパワポを確認し、修正を加えたりして、他の講師と共有した。

 パワポは教科書のイラストを場面ごとに貼り付け、学生たちが発話できるようにしていた。音声ファイルも貼り付けてあったので、「会話」の授業はどの日本人講師が担当しても、同じ内容を教えられるようにしていた。

 「たのしい読み物」を使った「読解」の授業は、一人で担当するので、教科書を基本にオリジナルの教材を入れたり、タスクを増やしたりした。また日本の行事に関する読み物も追加した。


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「できる日本語ひろば」より

 そして今回教えることになった会社は、国際交流基金が発行している「まるごと」というシリーズを使っている。実は、大学でもこのシリーズに変更しようかという話が出たこともあり、軽く目を通したことがあった。

 最初依頼されたのは初級クラスだったので、採用が決まってすぐに「初級1,2」の2冊をアマゾンで購入した。それが買った直後に、入門のクラスが増えてしまったので、初心者クラスを担当してほしいと依頼された。私は大学でも1年生を担当することが多かったので、全くの初心者に教えるのが好きなほうだ。ほとんど英語を使って教えることにも興味があった。

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国際交流基金「まるごとサイト」より

 初級の教科書は、会社が貸してくれるとのことで、すぐに送ってくれた。それで早速準備を始めたが、Googleスライドを作るときの写真やイラストを、いちいちiPadでスキャンしてPDFにして、それをまたjpgファイルに変え、スライドに取り込むという作業がとても面倒だった。「まるごと」は幸いKindle版も出ているので、それを購入してスクリーンショットを使うようになり、とても楽になった。

 対面の授業であれば、スライドだけでなくホワイトボードも使えるが、オンラインだとZoomのホワイトボードを使うか、iPadの画面を写しだすか、アナログで小さいホワイトボードを使うかだ。でも前もってスライドに入れておくほうが便利なので、対面授業よりもスライド作りに手間がかかる。でもスライドの多用もよくない。やはり学習者さんの顔を見ながら授業をするほうがいいのだ。だからそのバランスを考えながらスライドも作らなければならない。

 第1課のスライドと教案を作るのは6時間もかかったが、だんだん慣れてきたので、今はその半分の時間でできるようになった。それでも2時間の授業のために、最低3時間の準備で、つまり2時間分の時給を頂いてもそれは5時間分の時給になる。そう考えると、国の最低賃金もはるかに下回ってしまう。まあもう少し慣れれば、2時間位でできるようになるだろうが。

 オンライン教師の仕事は決して割のいい仕事ではないが、自宅でも海外にいても行うことはできるし、マイペースで仕事ができるというメリットは大きい。通勤時間もないし、服装も上半身だけしか気にしなくてもいい(^∀^)

 今はお金よりも、教材を作ることの楽しさのほうが大切だ。授業をイメージし学習者さんたちを思い浮かべながら作るのは、本当に楽しいし頭の体操になる。やはり教師という仕事がわたしの天職なんだなと感じる。


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