日本でフルタイムで働いているときは、朝ドラを見る時間は全く無かった。というより、ドラマを見る時間は全く無かった。それがタイで働いていたときは、夕方5時に仕事が終わり、住んでいたコンドまでは10分の距離だったので、夜がかなりヒマになった。そのおかげ(orそのせい)で、これまで見なかった日本のドラマをかなり見るようになった。

 その時は、VPNを変えるアプリを購入し(今も使い続けているが)、Tverでドラマを見ることができたので、本当にリアルタイムで毎日ドラマを見ているようなものだった。でも朝ドラはTverで見れないし、怪しい中国のフリーサイトを使うのも嫌なので、見る機会はなかった。

 2年前に帰国して、ハマったのが朝ドラ。以来ずっと見ている。特にこの前の「ブギウギ」今回の「虎に翼」は、テレビで見た後でも、NHKプラスの配信でもう1度見ることもあるほどだ。

 今回の「虎に翼」の主人公は、日本で初めて裁判官になった方がモデル。時代は第2次世界対戦を挟んで、戦前に大学で法律を学び高等試験(司法試験)に受かった彼女が、妊娠後、弁護士を辞めざるをえなくなり、戦争に突入。兄、夫、父を亡くし、また法律の世界に戻ってきたところが今週のお話。

 その中に出てくる「スン」とは、主人公がかつて回りの女性たちの態度を表していた言葉。本当は心の中で不満に思っていても、少し微笑むか、または無表情に心のうちを見せない様のこと。だから主人公は、母親や他の女性たちを「スンとしている」と表現していた。

 でも仕事に戻った主人公は、以前なら疑問に思ったことはすぐ「はて?」といい、自分の意見を口に出していたのに、せっかく雇ってもらえたのだからと、波風を立てないように、控えめな発言しかできない。かつて「スン」に疑問を感じていた主人公が「スン」としているのだ。ただちょうど昨日の放送では、ようやく主人公らしさを取り戻し、「はて?」と自分の意見を述べることができた。

 今週久しぶりにライン電話がかかってきた次女と、そんな話をした。
「日本人って、そんな人多いやん。それが嫌やねんけど」と娘が言う。「思ってること、ちゃんと言えばいいのに。」

 娘は小学校の高学年をオーストラリアで過ごし、中高校もインターナショナルが併設の学校で6年間を過ごし、その後はニュージーランドに留学したので、典型的な日本の学校、日本社会の経験がない。それでも2、3回アルバイトをして、その時に嬉しくない経験をしたようだ。

「私もスンとした経験、何度もあるよ。教師になってからは少ないけど、意外に大学時代に多かったかなあ。結局、周りを見てスンとするんだよね。」
「それ、周りに嫌われたくないってこと?」

 鋭い!そうか、大学時代の私は、周りにいい顔して嫌われたくなかったんだ。

 私は小学5年生の時に、家の引越しのために、1人も知らない学校へ転校した。その時、ちょっとしたイジメにあった。その後の中学高校は公立だったので、何人も知り合いがいた。でも大学は全く知らない人ばかりの環境だったので、私は自分のイメージを作ろうとしたのだ。そして皆に好かれるようにと努力した。

 娘の一言で当時の自分を思い出した。大学4年間は、私の人生で一番人目を気にした時期かもしれない。

 それにしてもすっかり大人になった娘との議論は楽しい。この日は、1時間ちょっと話をしたが、とても刺激的だった。こんな時間を持てることが本当に嬉しい。

今日の子ども食堂
鶏の唐揚げ、フライドポテト、ツナとキャベツのサラダ
ニンジンとパプリカのきんぴら、スナップエンドウ、もやし、ソーセージの卵炒め
野菜(大根、にんじん、もやし、えのき)とベーコンのスープ
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