リュブリャーナに着いて一泊。この日は、スロベニアで一番行きたいと思っている世界遺産の2つの鍾乳洞に行く日だった。同時に、レンタカーを予約しているので、一番不安を感じていた。
前日の夜に、予約したSIXTリュブリャーナ駅支店の場所と営業時間を確認。予約は朝8時なので、オープンと同時に駅のホームの端にある支店に行った。
予約したのはフォルクスワーゲンのPoloというマニュアルの小型車で一日56ユーロ。私は若い頃はずっとマニュアル車に乗っていたし、オーストラリアでの3年間もマニュアル車だった。だから今でもマニュアル車の運転は自信があったのだが、左ハンドルはずいぶん昔にドイツでレンタカーを借りて以来なので、少し不安がある。
一人だし、万が一のことも考えてフルカバーの保険もつけた。でも店頭で、その保険ではボディのみで窓ガラスなどがカバーされないのでそれもつけるように言われ、追加の21ユーロも了承。これで87ユーロになるので15,000円ほど。高いのだが、この日に行くシュコツィアン洞窟とポストイナ洞窟を一日で行くためには、レンタカーしか手段がなかった。
支店から車の貸し出し場までは歩いて15分ほどかかるのが予想外だったが、貸出はすんなり終わり、係員の車のチェックもビデオに撮った。というのは、Google mapのクチコミに、自分でつけたはずのない傷の修理代を、返却後に請求されたという悪評が数件あったからだ。
さて久しぶりのマニュアル車。半クラの感覚は足が覚えているが、右手のギアチェンジはちょっと慣れない。それに昔も何度か間違えたのだが、ウインカーを出そうとしたら、ワイパーが動く(ウインカーは右側)という事態が何度かあった。その上、なぜかローギアの半クラで2回もエンストしたのだ。
「なんかおかしい。」そう、この感覚をもっと信じればよかった。でも自分の半クラがまずかったのかとそのまま郊外に向けて走った。車にカーナビはついていないので、iPhoneのGoogle mapだより。でも高速に入るところを間違えてしまい、また市内方向へ戻ってしまった。ただこの失敗が、私を救ってくれたのだ。
この日は土曜日で、郊外へ出る道はかなりの渋滞。とにかくトロトロしか進まない。道を間違えて少し経った頃、なぜか煙の臭いがして、どこかで何かを燃やしているのだろうかと思った。でもしばらくしても臭いが消えない。そう思っていると、後ろの車からパッシングされ、不安を感じて車を右に寄せた。
後ろの車も停まってくれて、ボンネットを開けろと言われた(英語で言ってくれた)。するとすでにそこから煙が上がっていた!
あまりのことに私は茫然自失。そのスロベニア人が、「レンタカーか?電話しろ」と言ってくれたが、私はその時点で自分のSIMカードが音声通話つきか自信がなかった。自分で電話できないというと、その人が電話をかけてくれて、ここで待っていれば、迎えがくると言ってくれた。
しかし、30分待っても音沙汰なし。ずっと渋滞なので、私の横をトロトロ進む車から、「何事?」みたいな顔をして眺められている。少し気持ちが落ち着いたので、自分でもコールセンターにかけてみた。さっきのスロベニア人が伝えてくれたはずの私のことが、まったく伝わっていない。その上、場所はどこだと聞かれるが、答えられるはずがない。もう1度、こちらから電話すると言われて、そのまま切られた。(これについては、私の日本の携帯番号に着信があり、その後メールで、こちらに連絡してくれとあった)。
不安がますます膨らんでいく。仕方がないので、また人を頼ろうと思い、車から降りて助けてほしいというアピールをすると、すぐに2台の車が停まってくれた。先に停まった1台の男性二人が、自分たちが面倒をみるからみたいなことを言って(これは想像)、1台は去っていった。
その人達がもう1度電話をかけてくれて、必ずここに車が来ることを確認してくれた。まあ待つしかないんだ。また車に入って座る。相変わらず車からジロジロ見られているが、仕方がない。と思っていると、自転車で横を通った女性が戻ってきて、「どうしたの?何かお手伝いしましょうか?」と声をかけてくれた。
でもここはロードサービスの場所で、ここの人たちが私の車がレンタカーだということも知らなかった。でも右端の英語を話せる男性がとても親切で、借りたリュブリャーナ駅支店に電話をしてくれたが、まったく電話に出ないという。コールセンターにもかけて、番号を3つも聞いてかけてくれたのに、やはり応答なし。この場所は駅から5kmほどのところらしいので、結局タクシーで戻るしかなかった。
支店で修理場が出してくれた「クラッチが原因」と書かれたレポートも出したが、キャンセルも出来ず、タクシー代も出してくれない。唯一出された提案は、オートマティックにアップグレードした車を貸してくれるということ。この時点ですでに12時前だが、契約は元のままの翌朝8時が最長時間。
あきらめてその提案を受け入れて、シュコツィアン鍾乳洞に行くことに決めた。もう15,000円は帰ってこないし、車がないと洞窟には行けない。
しかし借りてたった5,6km、30分ちょっと走っただけで、クラッチにトラブルなんて整備不良としか思えない。SIXTの対応に怒りを覚え、インフォーメーションのメルアドとGoogle mapのクチコミに事次第を詳しく書いたものを送った。Google mapには、支店長に連絡するとコメントが返っていたが、インフォーメーションからも、支店に連絡するとあっただけ。
車の運転を始めてすでに40年以上。エンジンルームから煙が出る経験は生まれて始めてだ。確かに4時間という時間を失ったが、大きな事故にならず、とても親切なスロベニア人に助けてもらい、この旅での最大の難関を乗り切った。今思うと、道を間違えて高速に入っていなかったことが、ラッキーガールの証拠だなと思う。
まあ今私は無事日本に戻り、これも経験だと思えている。それだけでもラッキーだろう。
(旅の目次はこちら)
前日の夜に、予約したSIXTリュブリャーナ駅支店の場所と営業時間を確認。予約は朝8時なので、オープンと同時に駅のホームの端にある支店に行った。
予約したのはフォルクスワーゲンのPoloというマニュアルの小型車で一日56ユーロ。私は若い頃はずっとマニュアル車に乗っていたし、オーストラリアでの3年間もマニュアル車だった。だから今でもマニュアル車の運転は自信があったのだが、左ハンドルはずいぶん昔にドイツでレンタカーを借りて以来なので、少し不安がある。
一人だし、万が一のことも考えてフルカバーの保険もつけた。でも店頭で、その保険ではボディのみで窓ガラスなどがカバーされないのでそれもつけるように言われ、追加の21ユーロも了承。これで87ユーロになるので15,000円ほど。高いのだが、この日に行くシュコツィアン洞窟とポストイナ洞窟を一日で行くためには、レンタカーしか手段がなかった。
支店から車の貸し出し場までは歩いて15分ほどかかるのが予想外だったが、貸出はすんなり終わり、係員の車のチェックもビデオに撮った。というのは、Google mapのクチコミに、自分でつけたはずのない傷の修理代を、返却後に請求されたという悪評が数件あったからだ。
さて久しぶりのマニュアル車。半クラの感覚は足が覚えているが、右手のギアチェンジはちょっと慣れない。それに昔も何度か間違えたのだが、ウインカーを出そうとしたら、ワイパーが動く(ウインカーは右側)という事態が何度かあった。その上、なぜかローギアの半クラで2回もエンストしたのだ。
「なんかおかしい。」そう、この感覚をもっと信じればよかった。でも自分の半クラがまずかったのかとそのまま郊外に向けて走った。車にカーナビはついていないので、iPhoneのGoogle mapだより。でも高速に入るところを間違えてしまい、また市内方向へ戻ってしまった。ただこの失敗が、私を救ってくれたのだ。
この日は土曜日で、郊外へ出る道はかなりの渋滞。とにかくトロトロしか進まない。道を間違えて少し経った頃、なぜか煙の臭いがして、どこかで何かを燃やしているのだろうかと思った。でもしばらくしても臭いが消えない。そう思っていると、後ろの車からパッシングされ、不安を感じて車を右に寄せた。
後ろの車も停まってくれて、ボンネットを開けろと言われた(英語で言ってくれた)。するとすでにそこから煙が上がっていた!
あまりのことに私は茫然自失。そのスロベニア人が、「レンタカーか?電話しろ」と言ってくれたが、私はその時点で自分のSIMカードが音声通話つきか自信がなかった。自分で電話できないというと、その人が電話をかけてくれて、ここで待っていれば、迎えがくると言ってくれた。
しかし、30分待っても音沙汰なし。ずっと渋滞なので、私の横をトロトロ進む車から、「何事?」みたいな顔をして眺められている。少し気持ちが落ち着いたので、自分でもコールセンターにかけてみた。さっきのスロベニア人が伝えてくれたはずの私のことが、まったく伝わっていない。その上、場所はどこだと聞かれるが、答えられるはずがない。もう1度、こちらから電話すると言われて、そのまま切られた。(これについては、私の日本の携帯番号に着信があり、その後メールで、こちらに連絡してくれとあった)。
不安がますます膨らんでいく。仕方がないので、また人を頼ろうと思い、車から降りて助けてほしいというアピールをすると、すぐに2台の車が停まってくれた。先に停まった1台の男性二人が、自分たちが面倒をみるからみたいなことを言って(これは想像)、1台は去っていった。
その人達がもう1度電話をかけてくれて、必ずここに車が来ることを確認してくれた。まあ待つしかないんだ。また車に入って座る。相変わらず車からジロジロ見られているが、仕方がない。と思っていると、自転車で横を通った女性が戻ってきて、「どうしたの?何かお手伝いしましょうか?」と声をかけてくれた。
私が大丈夫ですと答えると、颯爽と去っていった女性
それにしてもスロベニアの人は親切だ。日本ならどうなんだろう。
結局待つこと1時間半。レッカー車がやってきた。英語は話せなさそうな男性が、車を動かし淡々と作業をしてくれる。そして連れて行かれたのがこの場所
でもここはロードサービスの場所で、ここの人たちが私の車がレンタカーだということも知らなかった。でも右端の英語を話せる男性がとても親切で、借りたリュブリャーナ駅支店に電話をしてくれたが、まったく電話に出ないという。コールセンターにもかけて、番号を3つも聞いてかけてくれたのに、やはり応答なし。この場所は駅から5kmほどのところらしいので、結局タクシーで戻るしかなかった。
支店で修理場が出してくれた「クラッチが原因」と書かれたレポートも出したが、キャンセルも出来ず、タクシー代も出してくれない。唯一出された提案は、オートマティックにアップグレードした車を貸してくれるということ。この時点ですでに12時前だが、契約は元のままの翌朝8時が最長時間。
あきらめてその提案を受け入れて、シュコツィアン鍾乳洞に行くことに決めた。もう15,000円は帰ってこないし、車がないと洞窟には行けない。
しかし借りてたった5,6km、30分ちょっと走っただけで、クラッチにトラブルなんて整備不良としか思えない。SIXTの対応に怒りを覚え、インフォーメーションのメルアドとGoogle mapのクチコミに事次第を詳しく書いたものを送った。Google mapには、支店長に連絡するとコメントが返っていたが、インフォーメーションからも、支店に連絡するとあっただけ。
車の運転を始めてすでに40年以上。エンジンルームから煙が出る経験は生まれて始めてだ。確かに4時間という時間を失ったが、大きな事故にならず、とても親切なスロベニア人に助けてもらい、この旅での最大の難関を乗り切った。今思うと、道を間違えて高速に入っていなかったことが、ラッキーガールの証拠だなと思う。
まあ今私は無事日本に戻り、これも経験だと思えている。それだけでもラッキーだろう。
ワタシはヨーロッパではクルマを運転したことがないですが、タクシーを拾ってもベンツはボロボロ(でも走ることができる)ワーゲンは綺麗に見えて(も中身はボロボロ)なので日本車一択ですよーと教えてもらいました。
ちなみにこういう場合、フランス人なら絶対に後に引かない、弁償させるか、新車に交換の上乗車時間も伸ばすまで(相手が分からなくても)フランス語でまくしたてるそうです。
nakko
が
しました