レンタカーのトラブルで気持ちがめげそうになったが、この日予定していた2つの鍾乳洞に行きたいという気持ちはある。もう12時なので、2つとも行くのはあきらめて、遠くて交通の便の悪いシュコツィアン鍾乳洞に行くことに決めた。
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 シュコツィアン鍾乳洞はリュブリャーナから南西に約82㎞離れたカルスト地方にある。カルスト地形の語源になったのは、この地方の名前からだそうだ。このあたりは石灰岩が多く、川や雨水の侵食で多くの鍾乳洞が作られた。

 シュコツィアン鍾乳洞は3億年前からあり、紀元前3000〜1700年に、人が住んでいたそうだ。紀元前3000年というと、古代エジプトの王朝が始まった頃。鍾乳洞の中で、どんな生活をしていたのだろう。1986年に、ユネスコ世界遺産に登録されている。

 最初はリュブリャーナから電車で行こうと思っていた。ただ土日は電車の本数が減る上、最寄り駅のディヴァチャという駅から交通手段がない。コロナ以前は、駅から無料バスがあったようだが、今は平日にこの地域のGrabのようなタクシーサービスがあるようだ。でも土日はないので、駅から鍾乳洞まで3㎞を歩かなければならない。

 それだともうひとつのポストイナ鍾乳洞には行く時間がなくなると思い、レンタカーを借りることにしたのだが、結局ポンコツレンタカーのせいで、2つ回るのは無理になってしまった。

 この鍾乳洞は、6月から9月は長いルートを行くことができる。それ以外も短いルートなら行けるが、どちらもガイドと一緒でなければ入れない。定員もあるそうなので、私は10時のチケットをオンラインで購入していた。でもあらためてレンタカーで出発したのは、12時過ぎ。道が混んでいなければ1時間ちょっとで着くが、朝のように渋滞していたら2時のツアーにも間にあわなくなってしまう。

 新しく借りた車もフォルクスワーゲンの少し大きめのオートマティックだったが、最初からスムーズでエンジン音も問題なかった。やはり自分の最初のカンを信じて、一台目の車が変だというべきだったのか。でもどこがおかしいか指摘できるほど、私は車に詳しくないし。

 午前中のような渋滞はなかったが、高速道路に入っても、事故車があったりして、思ったより時間がかかってしまった。ちなみにスロベニアの高速料金は、ヴィニェッタというETCカードのようなものが必要だが、レンタカーでは含まれていることが多いようだ。1週間で15ユーロ、1年間で220ユーロなので、たぶんすべての車に付随しているのだと思う。

 市街地の制限速度は時速50㎞、高速道路は時速130㎞だが、高速道路もまあまあ混んでいたので、私は走行車線を他の車の速度に合わせて100㎞から110㎞で走った。標識もわかりやすいので、ディヴァチャという降り口もすぐにわかった。そこからシュコツィアンの表示もすぐにわかり、無事駐車場に着いた。

 時計は13時55分。私は車を飛び出して、チケット売り場に走った。
「朝の10時のチケットをネットで買ったんですが、車が調子悪くて、その時間に来れなくて・・・」
「大丈夫よ。14時のツアーに間に合うわね。」
係の人は、QRコードのついたチケットを渡してくれた。

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 すぐに2時のツアーの出発の声がかかる。スタート地点までは少し歩かなければならない。

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「地球の歩き方」より でも公式HPに同じ絵があった

こんな森の中を歩いていく
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入る前にガイドから説明を聞く
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 ツアーに何人いたのかわからないが、鍾乳洞の入口で、スロベニア語と英語に分けられると、スロベニア語のほうはたったの4人で、結局ほとんどが外国人だった。ただ見たところアジア系は一人もいない。残念ながらツアーで回る主な鍾乳洞は、写真撮影が禁止されている。(でも私の前を歩いていた若い男が、こっそりスマホで撮っていた!)

 鍾乳洞の中は、本当にすごかった。これまで割と多くの鍾乳洞を見てきたが、ここはスケールが違う。本当に映画の中の世界のようで、すごいという言葉しか浮かばない。

公式HPから拝借した写真
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 ツアーは1時間半ほどで終わった。終了地点からは、3つのコースを選んで戻ることができる。せっかくなので、私は2.5㎞ほどを1時間半かけて歩く③を選んで帰ることにした。

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パンフレットより

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少しアップダウンはあるが、そんなしんどさは気にならないほど美しい景色が続く

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 すごいとかすばらしいという言葉しか思いつかない自分が情けない

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鍾乳洞も少し見ることができる



 パンフレットには、2.5㎞で1.5時間とあったのだが、私はどんどん歩いたので、1時間ほどで駐車場のところへ戻ってきた。4時20分頃で、ポストイナ鍾乳洞の最後の5時ツアーに間に合うかもと考えたが、やはり無理をしないでおこうと決めた。

 帰りの道路は空いていたので、市内に入ってからガソリンを満タンにして、SIXTのパーキングのところへ戻ったのが6時半頃。キーを返すだけで済んだが、そこにいた従業員は私のトラブルのことは知らないようで、「ドライブはどうだった?」と気楽に聞いてきて、ちょっとムカッとした。

 翌日、最終領収書がメールで送られてきて、追加料金はなかった。当然だ、車はどこかにかすりもしていない。でも怒りがおさまらなかったので、かなり詳細な事実と、「絶対にSIXTを信用しない」と書いたメールを出した。

 でもシュコツィアンだけでも行くことができて本当によかった。もしもっと大きな事故に巻き込まれていたら、この後の旅もどうなっていたかわからない。まあ不幸中の幸いだったなと思う。


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