ネットニュースは、まずオリンピックのことが出てくるが、今日は広島平和記念式典だということは、昨夜から少し意識していた。今、NHKプラスでその式典を見ている。

 4月に話題作「オッペンハイマー」を見た。広島長崎の原爆投下後の映像が出てきたわけではないが、原爆の父と言われたオッペンハイマーが、想像以上の被害を知って、悪夢のようなシーンに苦しむシーンがあった。

 「原爆が戦争を終わらせた」と今も確信しているアメリカ人は多いという。その破壊力を世界中が知ったために、冷戦中の核兵器使用が防がれたと言う意見もある。そしてユダヤ人大虐殺をしたドイツと連盟を組んでいた日本も、他のアジアの国にひどいことをしたのだから、原爆の被害ばかり訴えるのもおかしいと考える人もいる。

 虐殺されたユダヤ人も、日本人がひどいことをしたアジアの人々にも、原爆で亡くなった人たちにも、戦争前には普通の生活があり、大切な家族や友人がいた。でも戦争中、「敵国」にそんな生活があることを考える人はいたのだろうか。

 「皆さん、自国の安全保障のためには核戦力の強化が必要だという考え方をどう思われますか。また他国より優位に立ち続けるために繰り広げられている軍備拡大競争についてどう思いますか。」

 これが今日の平和宣言の冒頭の部分だった。去年広島サミットに出席した各国のリーダーたちは、今この質問に答えることができるのだろうか。

 私も外国人と原爆について話をすることはほとんどない。今いるボルネオ島も、第2次世界大戦中の3年間、日本の占領下にあった。日本人だからといって、そのことについて質問する人も全くいない。でも博物館に行けば、その記録が残っている。

 話をするのを避けてはいけないのだと思う。もし戦争の時の話題になったら、相手の話に耳を傾けて、理解しようと努めなければならないと思う。そしてもし原爆の正当性を述べる人と話をする機会があったら、原爆の恐ろしさを伝え、だからこそ2度とそんなことが起こってはならないのだと話をしなければならないと思う。


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