もうがんの手術から1年9ヶ月も経った。ずっと費用のことは書かなければならないと思っていた。なのに、今頃になってしまった。海外で入院やがんの手術をすることは、めったにないことだと思う。もちろん永住権を持っていたり、現地の保険に入っている人なら、それほど心配をしなくてもいいかもしれないが。
当時私は、ノンイミグラントBというビザを持ち、ワークパーミットも持っていた。そして社会保険は給与から天引きされているので、指定の国立病院であれば診察は無料だ。でもその病院は、かなり待ち時間があり、タイ語しか通じない。そのために、ずっと海外旅行保険で対応してきた。→海外旅行保険
私が手術を受けた病院は、外国人やタイ人富裕層が行く病院でBNH病院という。BTSシーロム線のサラデーン駅から歩いて10分くらいのところだ。
入り口を入るとすぐ左手に受付がある。前日までに海外旅行保険の会社に連絡を入れておくと、Faxを確認してくれてキャッシュレスで診療を受けることができる。その受付で日本語の通訳をお願いすると、診察時には日本人通訳の人が来てくれる。

私はこれまで眼科、婦人科で受診したことがあり、今回の内科や外科でも、受付、看護師全員が英語のコミュニケーションができる。そしてもちろんすべての医師が英語を話してくれる。ただし、日本人通訳は4人だけらしいので、入院中、いつになるかわからない回診に合わせて通訳をお願いするのは難しいようだ。入院前に、夫が聞くときは通訳をお願いしたいと言っておいたが、結局、私の意識がないときの説明はなかったため、通訳は来てもらえなかった。
でもそれ以外は全く不満を感じない入院生活だった。日本で入院するよりはるかに快適だったと思う。ほぼ手ぶらで入院し、期間も短く、家族の付き添いもICUの一泊だけ必要だと言われただけだ。
大学のレントゲン検査で引っかかったとき、あまり深刻に考えず、いつも通りクレジットカードの保険を使って検査をすればいいと思った。まさかその時は、がんとは夢にも思わず、気楽に病院を訪れた。
がん告知の日 医師診察代(2名) 2,000バーツ 看護師 100バーツ
診察パッケージ 350バーツ X線 1,500バーツ
CT 9,500バーツ 肺活量検査 920バーツ
総額14,370バーツ(約5万円)
その日の入院手術費用の見積もりは、最大で50万バーツ(173万円)と言われた。クレジットカードの使用付帯を使った保険の限度額は100万円。保険会社に電話をして1週間後には、総額282,486バーツまでが保険額だという連絡をもらった。
でも以前に書いたように、4月に日本へ帰ってから診察を受け、手術となるとどれほど早くても5月。しかもその年は令和元年を迎えるため、長期のGWとなるはずだった。結局、命には変えられないと思い、その日中にバンコクでの手術を決意した。
タイの病院の明細はかなり細かい。BNH病院は全て英語で記載されているのだが、項目は、投薬、検査、使用機器、手術室、医師、看護師、部屋、その他多岐にわたる。細か過ぎてわかりにくいので、ここでは主だったものだけ取り上げてみる。
医師による手術費用 13万バーツ
一般病棟(個室) 1日3,600バーツ✖️4 14,400バーツ
ICU 1日1,100バーツ
投薬 34639.2バーツ
それ以外は細かくあるが、全て合計すると 392,472バーツ(約136万円)となった。
日本だと個室に入るといくらするのだろう。ふと気になって調べてみた。大阪赤十字病院のサイトに載っていたのは、一番高い個室で44000円。ここでトイレ、シャワー、ミニキッチン、TV、冷蔵庫、応接セット付きの25㎡。私がいた病室も多分20㎡以上あったように思うし、設備はこれと同じだ。次に高い個室が15㎡で16500円。
そう考えると、あれほど居心地がよく、毎日体を拭いてもらったりと、至れり尽くせりで、上記の金額だと思うと納得もできる。確かに日本だと医療高額療養費制度もあるので、私と同様の手術で、大部屋を使えば、実際支払う額はもっと少ないだろう。でも幸い海外旅行保険が使えたので、告知を受けた日の費用と入院手術での自己負担は、41万円ほどになった。
バンコクは、他にも外国人御用達の病院がいくつかあり、日本人がよく行くサミティベート病院やバンコク病院、アラブ人が多いバムルンラート病院は、もう少し高いかもしれない。バムルンラートは一度行ったことがあるが、日本人サロンがあり、通訳もずっとついてもらえる。サミティベートは日本語がわかる医師もおられるそうだ。つまりバンコクでは、お金を出せば、最高の環境と最高の医療を受けられるということなんだと思う。
でも私は本当にこのBNH病院で手術してもらえてラッキーだったと思う。もう保険は使えないので、ずっと実費で検診を受けているが、担当医の先生は本当に信頼できるし、レントゲンも予約時間に行けばすぐ撮ってもらえ、診察もあっという間だ。だから今は日本に帰れないが、不安なく検診を続けている。

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当時私は、ノンイミグラントBというビザを持ち、ワークパーミットも持っていた。そして社会保険は給与から天引きされているので、指定の国立病院であれば診察は無料だ。でもその病院は、かなり待ち時間があり、タイ語しか通じない。そのために、ずっと海外旅行保険で対応してきた。→海外旅行保険

入り口を入るとすぐ左手に受付がある。前日までに海外旅行保険の会社に連絡を入れておくと、Faxを確認してくれてキャッシュレスで診療を受けることができる。その受付で日本語の通訳をお願いすると、診察時には日本人通訳の人が来てくれる。

私はこれまで眼科、婦人科で受診したことがあり、今回の内科や外科でも、受付、看護師全員が英語のコミュニケーションができる。そしてもちろんすべての医師が英語を話してくれる。ただし、日本人通訳は4人だけらしいので、入院中、いつになるかわからない回診に合わせて通訳をお願いするのは難しいようだ。入院前に、夫が聞くときは通訳をお願いしたいと言っておいたが、結局、私の意識がないときの説明はなかったため、通訳は来てもらえなかった。
でもそれ以外は全く不満を感じない入院生活だった。日本で入院するよりはるかに快適だったと思う。ほぼ手ぶらで入院し、期間も短く、家族の付き添いもICUの一泊だけ必要だと言われただけだ。
大学のレントゲン検査で引っかかったとき、あまり深刻に考えず、いつも通りクレジットカードの保険を使って検査をすればいいと思った。まさかその時は、がんとは夢にも思わず、気楽に病院を訪れた。
がん告知の日 医師診察代(2名) 2,000バーツ 看護師 100バーツ
診察パッケージ 350バーツ X線 1,500バーツ
CT 9,500バーツ 肺活量検査 920バーツ
総額14,370バーツ(約5万円)
その日の入院手術費用の見積もりは、最大で50万バーツ(173万円)と言われた。クレジットカードの使用付帯を使った保険の限度額は100万円。保険会社に電話をして1週間後には、総額282,486バーツまでが保険額だという連絡をもらった。
でも以前に書いたように、4月に日本へ帰ってから診察を受け、手術となるとどれほど早くても5月。しかもその年は令和元年を迎えるため、長期のGWとなるはずだった。結局、命には変えられないと思い、その日中にバンコクでの手術を決意した。
タイの病院の明細はかなり細かい。BNH病院は全て英語で記載されているのだが、項目は、投薬、検査、使用機器、手術室、医師、看護師、部屋、その他多岐にわたる。細か過ぎてわかりにくいので、ここでは主だったものだけ取り上げてみる。
医師による手術費用 13万バーツ
一般病棟(個室) 1日3,600バーツ✖️4 14,400バーツ
ICU 1日1,100バーツ
投薬 34639.2バーツ
それ以外は細かくあるが、全て合計すると 392,472バーツ(約136万円)となった。
日本だと個室に入るといくらするのだろう。ふと気になって調べてみた。大阪赤十字病院のサイトに載っていたのは、一番高い個室で44000円。ここでトイレ、シャワー、ミニキッチン、TV、冷蔵庫、応接セット付きの25㎡。私がいた病室も多分20㎡以上あったように思うし、設備はこれと同じだ。次に高い個室が15㎡で16500円。
そう考えると、あれほど居心地がよく、毎日体を拭いてもらったりと、至れり尽くせりで、上記の金額だと思うと納得もできる。確かに日本だと医療高額療養費制度もあるので、私と同様の手術で、大部屋を使えば、実際支払う額はもっと少ないだろう。でも幸い海外旅行保険が使えたので、告知を受けた日の費用と入院手術での自己負担は、41万円ほどになった。
バンコクは、他にも外国人御用達の病院がいくつかあり、日本人がよく行くサミティベート病院やバンコク病院、アラブ人が多いバムルンラート病院は、もう少し高いかもしれない。バムルンラートは一度行ったことがあるが、日本人サロンがあり、通訳もずっとついてもらえる。サミティベートは日本語がわかる医師もおられるそうだ。つまりバンコクでは、お金を出せば、最高の環境と最高の医療を受けられるということなんだと思う。
でも私は本当にこのBNH病院で手術してもらえてラッキーだったと思う。もう保険は使えないので、ずっと実費で検診を受けているが、担当医の先生は本当に信頼できるし、レントゲンも予約時間に行けばすぐ撮ってもらえ、診察もあっという間だ。だから今は日本に帰れないが、不安なく検診を続けている。

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