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がんになっても地球旅行

病気には無縁と思ってた元バックパッカー、タイの大学で日本語教師をしていた2019年4月バンコクで肺腺癌(1A)手術。2022年6月に日本に帰国後もタイをメインに地球旅行に出かけています。

入院

バンコクでの入院、がん手術費用

 もうがんの手術から1年9ヶ月も経った。ずっと費用のことは書かなければならないと思っていた。なのに、今頃になってしまった。海外で入院やがんの手術をすることは、めったにないことだと思う。もちろん永住権を持っていたり、現地の保険に入っている人なら、それほど心配をしなくてもいいかもしれないが。

 当時
私は、ノンイミグラントBというビザを持ち、ワークパーミットも持っていた。そして社会保険は給与から天引きされているので、指定の国立病院であれば診察は無料だ。でもその病院は、かなり待ち時間があり、タイ語しか通じない。そのために、ずっと海外旅行保険で対応してきた。→海外旅行保険

  B3A2C017-C5FA-4FB5-B7AA-0EFF73E236B9私が手術を受けた病院は、外国人やタイ人富裕層が行く病院でBNH病院という。BTSシーロム線のサラデーン駅から歩いて10分くらいのところだ。

 入り口を入るとすぐ左手に受付がある。前日までに海外旅行保険の会社に連絡を入れておくと、Faxを確認してくれてキャッシュレスで診療を受けることができる。その受付で日本語の通訳をお願いすると、診察時には日本人通訳の人が来てくれる。
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 私はこれまで眼科、婦人科で受診したことがあり、今回の内科や外科でも、受付、看護師全員が英語のコミュニケーションができる。そしてもちろんすべての医師が英語を話してくれる。ただし、日本人通訳は4人だけらしいので、入院中、いつになるかわからない回診に合わせて通訳をお願いするのは難しいようだ。入院前に、夫が聞くときは通訳をお願いしたいと言っておいたが、結局、私の意識がないときの説明はなかったため、通訳は来てもらえなかった。

 でもそれ以外は全く不満を感じない入院生活だった。日本で入院するよりはるかに快適だったと思う。ほぼ手ぶらで入院し、期間も短く、家族の付き添いもICUの一泊だけ必要だと言われただけだ。

 大学のレントゲン検査で引っかかったとき、あまり深刻に考えず、いつも通りクレジットカードの保険を使って検査をすればいいと思った。まさかその時は、がんとは夢にも思わず、気楽に病院を訪れた。
 
がん告知の日   医師診察代(2名) 2,000バーツ   看護師 100バーツ 
         診察パッケージ 350バーツ                X線 1,500バーツ 
         CT  9,500バーツ                            肺活量検査 920バーツ
         総額14,370バーツ(約5万円)
 
 その日の入院手術費用の見積もりは、最大で50万バーツ(173万円)と言われた。
クレジットカードの使用付帯を使った保険の限度額は100万円。保険会社に電話をして1週間後には、総額282,486バーツまでが保険額だという連絡をもらった。

 でも以前に書いたように、4月に日本へ帰ってから診察を受け、手術となるとどれほど早くても5月。しかもその年は令和元年を迎えるため、長期のGWとなるはずだった。結局、命には変えられないと思い、その日中にバンコクでの手術を決意した。

 タイの病院の明細はかなり細かい。BNH病院は全て英語で記載されているのだが、項目は、投薬、検査、使用機器、手術室、医師、看護師、部屋、その他多岐にわたる。細か過ぎてわかりにくいので、ここでは主だったものだけ取り上げてみる。
 医師による手術費用 13万バーツ
 一般病棟(個室)  1日3,600バーツ✖️4 14,400バーツ
 ICU         1日1,100バーツ
 投薬        34639.2バーツ
 それ以外は細かくあるが、全て合計すると 392,472バーツ(約136万円)となった。

 日本だと個室に入るといくらするのだろう。ふと気になって調べてみた。大阪赤十字病院のサイトに載っていたのは、一番高い個室で44000円。ここでトイレ、シャワー、ミニキッチン、TV、冷蔵庫、応接セット付きの25㎡。私がいた病室も多分20㎡以上あったように思うし、設備はこれと同じだ。次に高い個室が15㎡で16500円。

 そう考えると、あれほど居心地がよく、毎日体を拭いてもらったりと、至れり尽くせりで、上記の金額だと思うと納得もできる。確かに日本だと医療高額療養費制度もあるので、私と同様の手術で、大部屋を使えば、実際支払う額はもっと少ないだろう。でも幸い海外旅行保険が使えたので、告知を受けた日の費用と入院手術での自己負担は、41万円ほどになった。

 バンコクは、他にも外国人御用達の病院がいくつかあり、日本人がよく行くサミティベート病院やバンコク病院、アラブ人が多いバムルンラート病院は、もう少し高いかもしれない。バムルンラートは一度行ったことがあるが、日本人サロンがあり、通訳もずっとついてもらえる。サミティベートは日本語がわかる医師もおられるそうだ。つまりバンコクでは、お金を出せば、最高の環境と最高の医療を受けられるということなんだと思う。

 でも私は本当にこのBNH病院で手術してもらえてラッキーだったと思う。もう保険は使えないので、ずっと実費で検診を受けているが、担当医の先生は本当に信頼できるし、レントゲンも予約時間に行けばすぐ撮ってもらえ、診察もあっという間だ。だから今は日本に帰れないが、不安なく検診を続けている。




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術後5日目ー退院 [2019/04/08]

    朝の検温で熱は下がっていてホッとした。朝食も一人で、パン、バナナ、ジュースを用意して食べた。もう基本的なことはなんでもできそうだ。夫が9時過ぎに来てくれて、私はもう退院する気満々なのに、内科のM先生の回診後じゃないと退院できない。でも回診時間がいつなのか分からず、ちょっといらいらする。まあこれがタイなんだけど。

   せめて歩く練習をしよう。昨日より速度を上げて20分ほど歩いた。息は切れないし、ふらつきもなくなった。トライボールもふたつは確実に上がるようになった。毎食後に痛み止めを飲んでいるからか、傷口もそれほど痛くない。でも他の人が書いているような「痰を出しなさい」という指示は受けなかったので、無理して痰を出すこともしていない。咳は術後2日目くらいからよく出るので、咳止めの薬ものんでいる。

   昼前になったが、まだ来られる気配はない。仕方がないので、またおにぎりを買いに行ってもらった。もうずっと昼食と夕食は同じおにぎりを2個ずつ食べている。入院中、合計いくつのおにぎりを食べたんだろう!

   13時半、M先生からも退院許可をもらった。あとは退院手続きだけど15時ごろになるそうだ。最後までNHKを見て時間をつぶす。まあ日頃は見れないNHKなので、十分堪能したと言えるか。十数年ぶりの「のど自慢」も見て、なんだか懐かしかった。

   手続きはまず会計。タイの病院の領収書は、本当に細かい。普通の診察でも、医師の診療代、看護師の費用、検査技師の費用、検査料、薬代と全て記載される。保険でカバーされる額を除いて、残りはクレジットカードで支払った。(費用詳細については、後日まとめるつもり)

   次に看護師さんが薬を持ってきてくれた。ずっと飲み続けている痛み止め、パラセタモール(アセトアミノフェン)が2週間分。これはアメリカやヨーロッパで最も利用されている鎮痛剤だそうだ。日本ではカロナールとして売られている。

   そして次回の予約カード。前に聞いていたが、今週はタイのお正月ソンクラン休暇があるために、W先生は海外へ行かれる。そのため抜糸は来週になった。ソンクランの前に夫も帰国してしまうし、その休み中に体調が悪くなったらどうするんだと、ちょっぴり不安ではある。
   
   全て病室で済ませて、16時ごろ病院からタクシーで家に戻った。結局5泊6日の入院で済んだ。一息ついて夫と近くの市場に買い物に出た。まだまだ歩くのはゆっくりだけど、人の邪魔になる程でもないので少し安心した。

   タイはおかずやご飯も安く買うことができるので、こんなときは本当に助かる。夕食は買ってきたものですませ、学生からの留学相談のラインに対応する。仕事していると、本当に痛みを忘れていられるのがありがたい。




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術後4日目ー病理結果 [2019/04/07]

   朝6時にベッドの上でレントゲン、検温もいつも通り。7時に買いおきしている食パンとバナナ、ジュース。日頃と同じようなものしか食べたいと思わない。8時ごろに看護師さんが着替えを持って来てくれたが、今日は傷口のチェックの後シャワーを浴びられるそうなので、その時に着替えよう。

   10時、内科のM先生の回診。便秘が気になるので座薬を出してもらうことにした。動いていないことも原因かと、頑張ってフロアを4往復。15分くらいゆっくり歩いた。それでも昨日より少し早く歩けた。昼食は、やはりおにぎり2個。日本のコンビニのものと比べると、ご飯が固くて美味しいとは言いがたいのに、なぜか他のものを食べたくない。

   午後の検温(13時半)で37度9分。これまで37度ちょっとくらいで、タイではそれは平熱扱い。自分ではあまり熱いという自覚もないが、看護師さんには「熱があるね」と言われてしまった。その後座薬を入れてもらったが、がまんしたものの結局薬しか出なかった。

   16時ごろ、ようやく外科のW先生が来られた。ここでは先生の回診時間が日によって全然違う。検査結果はまだだけど、傷口を見てもらい、明日の退院許可がおりた。そして傷口のテープを耐水性のものに張り替えてもらっている間に、ちょうど病理結果が届いた。

   「やっぱり悪性だったけど、リンパ転移はないから、何もしなくていいからね」と言ってもらえて、涙が出てきた。癌だったけどリンパ節転移なしのステージ1A。癌かもしれないと言われた時も、一人で思い悩んだ日々も、一度も泣かなかったのに。先生の「これで大丈夫」の言葉に本当に心が明るくなった。

   その後、看護師さんがシャワーを浴びさせてくれた。私はイスに座っているだけで、丁寧に身体も髪も洗ってくれた。本当に至れり尽くせりだ。もうひとりでトイレには行けるし、歩くのもしっかりしてきたので、今夜は夫に帰ってもらうことにした。でも夜の検温でやはり熱が下がっていなくて、ちょっと不安になる。明日も熱があったら退院できないのだろうか。



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術後3日目 [2019/04/06]

   朝はいつも6時ごろに検温がある。個室なので、起きるとすぐテレビをつけて一日中NHKを見ている。といっても真剣に見てるのはその一部だが。でもテレビがなかったら暇すぎてどうしようもなかったろうなあ。見ているうちに、うつらうつらということもよくあった。

   7時ごろに朝食。もう注文はせずに、買ってきてもらったパンとヨーグルトを食べる。この時間ぐらいに食べておかないと、看護師さんが薬を持ってきてくれるし、8時を過ぎると、また看護師さんが身体を拭いて、新しい寝巻きに着替えさせてくれる。シーツも毎日変えてくれる。

   8時半ごろ、外科医のW先生が来られた。「もう1本のドレーンを抜くよ。昨日より痛くないからね」とニコニコしながら言われるが、昨日、他の方のブログを読んで、抜くときに息を吐くと痛くないとあったので、試してみると本当に痛くなかった。といっても先生のやり方は昨日と同じで、グッと押さえつけてズボッ。 W先生は本当に明るくておおらか。細かいことは気にしないという感じだ。これは、タイ人によくあるタイプ。

   身体に付いているものが全てなくなって、すごく身軽になった。先生は何も言わないが、なるべく歩いた方がいいはずなので、廊下フロアをゆっくり歩いた。そろりそろりと5分間。息は切れないが、足元は宙に浮いているような感じだ。

   夕食は夫が私のお気に入りの店のカオパット(焼き飯)を買って来てくれた。エビ入りを頼んだけど、全部を食べられなかった。やはり油っこさを感じると食べられない。それに入院してずっと便秘状態なのが気になる。

   夜に2人の学生からラインが入った。また留学の相談で、すぐに返事を書く。タイ人の先生に確認することもあり、1時間くらいラインでやりとりを続けた。仕事をしていると一切痛みも感じず、時間が過ぎるのも早い。病室に戻った日にiPadも持ってきてもらったので、痛みがあっても入力が楽だ。

   タイの病院は、決められた就寝時間もないようだ。今夜も夫は泊まってくれるので、二人「そろそろ寝ようか」と電気を消した。夜中に1度トイレに行ったが、夫を起こすこともないかと、一人で済ませた。もうかなりの事ができると自信がついた。



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術後2日目 [2019/04/05]

   夜中に何度か起きたけど、痛みはそれほどひどくなかった。他の人のブログを見ると、数日間は痛みがひどいと書いてある方が多かったので、想像しながら覚悟はしていた。でも私は痛みに鈍感なのか、もうベッドをあげて座っていても、ひどい痛みは感じない。

   6時にベッドの上でレントゲン。8時ごろ豚肉入りお粥を食べようとしたが、2、3口食べだけで、なんか気持ちが悪くなり食べられなかった。油っこさを感じると無理なようだ。その後、看護師さんが二人がかりで身体を拭いたり洗ったりしてくれた。着替えもさせてくれて、至れり尽くせり。本当に気持ちが良くてありがたかった。

   もちろん個室のお金は払うわけだが、もし日本で手術を受けていたら、希望しても個室なんて無理じゃないだろうか。ホテルのような病室で、当然テレビもあるので、日頃は見れないNHKをずっとつけっぱなし。ただ身体にはまだ左脇下にドレーン2本、尿管、右手の甲の点滴は入ったままでほとんど動けない。

   11時40分、内科のM先生の回診。トライボールが2個上がったというと、褒めてくださった。昼食はメニューを見ても食べたいと思わなかったので、夫に食パンとヨーグルトを買いに行ってもらい、アップルジュースも飲んだ。部屋の水は、朝掃除をする人がペットボトルを補充してくれる。だから夫もそれを飲んでいる。

   13時40分、外科のW先生が来られて「ドレーンを1本外すよ。ちょっと痛いけどがまんして」と、いきなり思いっきり押さえつけられて、ズボッという感じで抜かれた。でもその瞬間かなり力が入り、首すじから胸にかけて筋肉がつったようになり、激痛で動けなくなった。看護師さんに枕を取ってもらって、肩の下に入れると少しましになった。

   他の方のブログには、ドレーンを抜くのはあまり痛くないと書かれていたのに、私はこの1本目のドレーンを抜く時が一番痛みを感じた。でも尿管を抜く時は全く痛みも感じず、その後看護師さんに支えられて立ってみた。少しふらついたが、一歩二歩と歩くと足元がしっかりしてきた。そのままトイレにいく。これも部屋にあるので、それほど大変ではなかった。

   夕食は夫に外のコンビニで、おにぎりを買ってきてもらった。実はこれまでタイではおにぎりを買ったことも食べたこともなかった。でも他に食べれそうと思えるものがなく、実際おにぎりは1個半くらい食べることができた。とにかく食べないと薬が飲めない。

   日中だけでなく寝る前と夜中にも検温がある。タイでは平熱が高めなので、37.3度くらいでも、ノーマルと言ってもらえる。夜中のトイレも、必ずナースコールをと言われていたので、一度来ていただいた。寝ているうちにつったような痛みもだんだんましになった。



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手術翌日 [2019/04/04]

   いつ目を覚ましたのかはっきりしないが、気づくと外は明るくなっていた。何度か水が欲しいと、看護師に飲ませてもらった。部屋は空調がきいているので適温が保たれているが、なぜか冷や汗がでる。痛みはずっと続いているが、我慢できないこともない。朝の検温の時、看護師に「痛みは10のうちどれくらい?」と聞かれたが、どんな基準で答えてよいかわからず、「6か7くらい」と答えた。

   9時半過ぎに夫が来てくれた。看護師から何かを食べた方がいいと言われ、メニューからポタージュスープを選んだ。丸1日何も食べていないがあまり食欲もおきない。それでもスープは全部食べた。 その食事だが、病院に調理システムはなく、病院に入っている外部のレストランに注文する。病室の名札の下には食事制限があるかどうかも記載されており、私は制限なしなので、手術翌日でも何を食べてもかまわないと言われた。前もって注文すると、食事時間に部屋まで届けられる。でも他の時間でも、しばらくすると届けてくれる。ただ好きなものを注文して栄養バランスはどうなんだと疑問に思う。

   午後、学生の一人から留学についての質問のラインが入った。私が病院にいるなんて夢にも思わないだろうなあ。詳しい書類は来週にメールで送ると返事をしておいた。

1449BDD5-ECF7-4F77-B53D-CCB8754A5AD116時ごろ、内科のM先生の回診。状態は良いので病棟に戻っていいと言われた。そしてトライボールという呼吸練習機をもらった。思いっきり吸おうとしても途中で引っかかる感じだ。ボールは一つしか上がらなかった。「初めてにしては、上出来。朝昼晩とやってみてね」と励ましてくださった。

夫が試しにやってみると、最初は2個だったけど、2回目には3個のボールが上がった。やっぱり今は全然ダメなんだと実感。あくびをしようとすると、できない。鼻からも息がちゃんと入っていかない感じがする。まあとにかく練習するしかないなあ。

   17時半、病室へ移動。心電図と鼻からの酸素はなくなったけど、点滴や足のマッサージもつけたまま。まだ歩いていないので、ストレッチャーに乗せられての移動だった。

   夕食は鶏団子入りのお粥を注文した。いつもなら大好きなお粥なのに、鶏団子がなぜか気持ち悪くて食べれない。まあずっと寝ているだけだから、お腹も空かないからいいや。食後は化膿止めと痛み止めを服用。熱は今のところない。今夜は付き添いが必要と言われ、夫もソファで寝てくれることになった。
 



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手術当日② [2019/04/03]

   病室からストレッチャーに乗せられ、そのままエレベーターで別の階へ、そして手術室に入った。普通に動ける私はストレッチャーから手術台へ自分で移動した。すぐに麻酔医が横に来て、「今から点滴のラインから麻酔薬を入れますね。」「あれっ?吸入で全身麻酔じゃないのかなあ」と思っているうちに意識がなくなった。

   夫によると18時30分にICU(集中治療室)に戻ってきて、すぐに意識を取り戻したそうだ。手術自体は2時間ほどしかかからなかったことになる。身体にはドレーン2本、尿管カテーテル、鼻腔カヌラ(酸素吸入)、右手に点滴、心電図もつながれている。日本だと手術後T字帯を つけるそうだが、私は下着も胸帯もつけていなかった。それと日本だと「硬膜外麻酔」を行うそうだが、この病院ではなかった。

   最初に思ったことは、「なんか痛い。」看護師さんに「大丈夫ですか?」と聞かれて、「水が欲しいです」と答えると、ペットボトルにストローを入れて飲ませてくれた。「痛かったら手元のボタンを押せば、点滴で麻酔が入りますからね」「いつでもこちらのナースコールで、呼んでくださいね」と優しく声をかけてくれる。でも通訳は付いてもらえなかったようで、全て自分で聞いて理解しなければならない。

   だんだん痛みがひどくなるようで、とにかく気をそらしたい。夫に「何でもいいから、何か話してよ!」と叫ぶが、元々口数の少ない夫はなんだかしどろもどろ。痛みをそらす方法を、もっと考えておけばよかった。そしてICUなので夫は8時過ぎに帰っていった。

   いろいろなものがつながれているから、身体を横に向けることは出来ず、あおむけのまま。でも足には定期的マッサージをしてくれる装置が巻かれていて、それがとても気持ちがいい。夜中に何度も目を覚ましたけれど、激痛のためというより、動けなくて目が覚めたようだ。もちろんずっと痛みはあった。何度か麻酔薬のボタンをを押したような気もするが、それもあまり覚えていなかった。




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