サナームルアンの近くにあるバンコク国立博物館へ初めて行ったのは、たぶん最初のタイ訪問のときなので、もう40年以上前かもしれません。その後も、結婚前の気楽なバックパッカー時代は、カオサンの近くに泊まることも多かったので、時々行きました。でもそれ以後、30年近く行ってなかったんです。

 40年も昔の印象は、なにか雑然とした展示だったように覚えていましたが、今はとても立派な博物館になっていると聞いて、行きたいと思いながらも、バンコクに住んでいる間には行く機会がありませんでした。というより、結局機会を作らなかったんですよね。

 それが大学に勤めている間に知り合ったリタイヤメントビザで住んでおられる御夫婦の奥様のほうが、数年前に国立博物館の日本語ボランティアガイドを始めたということを聞きました。それで2年前に、重い腰を上げて行ってみたのです。

 2年前はなぜか雨の多い2月で、その日はMRTサナームチャイの駅に着いたときは土砂降り。何とかトゥクトゥクをつかまえて博物館の前まで行きましたが、入口までの道路が完全に水に浸かっていました。まあ、わたしはいつもクロックス(偽物です)みたいのを履いているので、もうジャバジャバ行きましたが、入ってくる皆さんは、本当に大変そうでした。

 バンコク国立博物館
  開館:水曜日から日曜日までの8時半から16時(チケット販売は15時半まで)
  料金:200バーツ(現金のみ)
  日本語ボランティアガイド:毎週水曜日と木曜日9時半から11時半

 9時25分ごろにチケットを買って、待っていれば日本人が集まってくるのでわかります。

まずプッタイサワン仏殿から
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これは2年前の写真です
ブッダの生涯を描く壁画は、今年は見られませんでした

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王族の葬儀に使う品々の展示
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6世紀後半から現チャクリー王朝までの数々の宗教美術品が
数え切れないほど展示しています

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ヴィシュヌ神立像
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2003年にユネスコ「世界の記憶」遺産に認定された
ラームカムヘーン大王碑文
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 スコータイに3回行ったことがあります。毎回そこの博物館に行き、この碑文のレプリカを見て、「本物じゃないんだ・・・」と思ったものでした。1833年に出家中のラーマ4世が、旧市街で発見したと言われています。(ラーマ4世は、王様と私の王様)

スコータイ時代の遊行仏
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左側は消失してしまったそうですが、とても精巧に彫られている木製のドア
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 実はここまでの写真はすべて2年前のものです。今年も何枚かは撮ったのですが、やはり私の好みで撮ると、結局同じ仏像ばかりでした。

 ただ今年は2年前にはなかった展示物がありました。それがこの「ゴールデンボーイ」です。

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 これは11世紀のロッブリー美術時代のもので、ブリラム県で見つかったものだそうです。アメリカ人に持ち去られ、ニューヨークのメトロポリタン美術館に展示されていました。でもこれがタイのものだと証明され、2024年5月に返還されました。

 まだ公開から半年あまりしか経っていない「ゴールデンボーイ」。これを見ただけでも今回訪れた価値がありました。