ヒューストンに住むキャメロン・ウェルチさんは11歳の時に、お母さんから言われたリストをずっと心にとめて行動しているということだ。「風をよむ」ではあまり詳しく述べられなかったので、検索してハフポストの記事を見つけた。
キャメロンさんは、TikTokにビデオを投稿し、1400万回以上も再生されているそうだ。
Don't put your hand in your pockets. 手をポケットに入れてはいけない。
Don't put your hoody on. パーカーのフードをかぶってはいけない。
Don't be outside without a shirt on. シャツを着ないまま外に出てはいけない。
Check in with your people, even if you're down the street.
Don't be out too late. 遅い時間まで外を出歩いてはいけない。
Don't touch anything you're not buying. 買わないものを触ってはいけない。
Never leave the store without a receipt or a bag, even if it's a pack of gum.
たとえそれがガム1個でも、レシートや袋なしに店を出てはいけない。
Never make it look like there's an alteraction between you and someone else.
あなたと他の誰かに違いがあるようにみせてはいけない。
Never leave the house without your ID. 身分証明書を持たずに家の外に出てはいけない。
Don't drive with a wifebeater on. wifebeater*姿で運転してはいけない。
*白いタンクトップシャツ
Don't drive with a du-rag on. du-rag*をかぶって運転してはいけない。
*黒や白い布製の頭にぴったりした帽子
Don't go out in public with a wifebeater or a du-rag.
wifebeaterやdu-rag姿で公共の場所に行ってはいけない。
Don't ride with the music too loud. 大きな音で音楽をかけてはいけない。
Don't stare at Caucasian Women. 白人女性をじっと見てはいけない。
If a cop stops you randomly and starts questioning you, don't talk back, just compromise.
もし警官から止められ質問されても、言いかえさずにおとなしくするだけ。
If you ever get pulled over, put your hands on the dashboard and ask if you can get your license and registration out.
もし警官に車を止められたら、ダッシュボードに両手を置き、免許証と登録書をだしてよいか聞く。
*一文だけ訳せない文章があります。単語は難しくないのですが、check inをどう訳してよいのかわからず・・・。もしご存知の方がおられたら、ぜひ教えてください。また誤訳がありましたら、どうぞご指摘ください。
彼は18歳なので2001年か2002年生まれだろう。アメリカ初の非白人アフリカ系のオバマ大統領は2009年から2017年まで任期を務めた。そのオバマ政権の時期から、彼は母に教えられたいいつけを頭に入れて生きてこなければならなかったのだ。
これが「自由の国アメリカ」のことなのか。私たちの世代は、英語を学ぶことはアメリカをまねることと思っていた人も多いと思う。私も大人になるまでずっとアメリカにあこがれていて、生まれてはじめて訪れた国はアメリカで、映画で見たような世界に夢見心地だった。
大人になってアメリカ公民権運動について勉強し、わたしなりに理解してきたと思っていた。でも21世紀の今になって、黒人の方たちが、これほどの制約を受けた生活を強いられているとは知らなかった。
「風をよむ」で紹介された文化人類学者ルース・ベネディクト氏の言葉を忘れてはいけないと思う。
「マイノリティ(少数派)の生活を保障するこは、マジョリティ(多数派)の将来の生活について安心できる仕組みをつくること」
彼女は、少数派、多数派のどちらも安心して生活できる社会をつくることが目指すべき道だと、80年近くも前に「レイシズム」の中で書いておられる。どうしてこの80年間の間に、私たち人間は、そんな仕組みを作れなかったのか。
でも知ることから始められる。ネット情報は、私にも新たなことを教えてくれた。これからを生きる若い人たちが、いろいろな知識を吸収し、差別のない世界に向かっていくことを信じたい。

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