ふと気づくと1年が過ぎていた。自分でブログを読み返して、手術後の痛みを思い出したが、私は他の方に比べると大したことはなかったのではないかと思った。術後の経過も順調だったし、術後9日目から1ヶ月間は、完全に一人で暮らしていたが、それほど大変ではなかったという記憶しかない。きっと苦しい思い出は忘れてしまうのだ。

 今の生活は、1年前の退院後と少し似ている。友人にもほとんど会わなかったし、娘たちにまだ話をしていなかったので、ライン電話も控えていた。午後から微熱が出たので、ベッドの上でiPadを見ながら、うつらうつらしていることが多かった。

 あの時の1ヶ月と比べると、今はずっと充実した毎日を送っている(と言ってもまだ1週間ほど)。ただ誕生日に書いたこととは、大きく状況が変わってしまった。

 本当は、この4月末で仕事を辞めようと思った。そしてあと1年くらいはチェンマイで暮らすつもりだったのだ。そのために準備もして、予定通りなら、この2、3日はチェンマイにいて、住むところを決めてくるはずだった。でも非常事態宣言が出て、引越しどころではなく、大学からも引き止めていただいて、契約を伸ばすことにした。

 4月にはニュージーランドから娘が遊びに来ることになっていて、それを利用して引越し荷物を二人で運ぶつもりだった。でもニュージーランドが先にロックダウンを決め、タイもそうなり、予約していた飛行機、ホテルも全てキャンセルとなった。

 体調にはかなり気をつけている。がん患者はコロナにかかると重症化する可能性が高いとわかったので、外出時はかなりピリピリしている。今、風邪をひいて病院へ行くことも怖いので、本当に規則正しい生活をして、食事にも気を配っている。でもこれも、去年の手術後の生活と同じなのだ。

 私たち家族は4人が別々のところに住んでいるので、もう何年も4人一緒に顔を合わせたことがない。でもこの事態で、初めて家族ライン通話を日曜日に行うことに決めた。明日が2回目なのだが、面倒くさがりの次女が、明日もちゃんと参加してくれるだろうか。でもお互いの様子を伝え合うことは、今、とても大事だと思う。

 両親は残念ながらラインを使えないので、先日電話をした。20分ほどの会話だったが、母がちゃんと外出を控えているとわかってほっとした。こちらも週1度は電話をしようと思う。

 海外では、ロックダウンのために、DVなどが増えているというニュースも聞こえてくる。でも半面、家族との時間が増えて、繋がりが強くなったという話もある。私も、一日も早くコロナが終息し、日本へ一時帰国できる日が来ることを祈りながら、いつもの一日を過ごしていきたい。
 


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