当日8時受付とのことで、少し早めに向かった。場所はAdvanced Diagnostic Centre (Check-up)という健康診断の専門科だった。タイの病院は、何科であろうとまず体温、血圧、身長、体重を測定する。それが終わってから問診票を渡されたので記入。(タイ語と英語表記)既往症の欄でCancerにチェックをつけて「もう一生がんの病歴は消えないんだなあ」と感じた。
検便の容器も一緒に渡されたが、日本のスティックとは大違いで、小さい丸いタッパというか、大昔はもう少し小さい入れ物を小学校に持っていかされたなあと思い出した。とにかく2時間以内に出すようにとのことだ。
その場所で行ったのは、血液検査と心電図。大した待ち時間もなくあっという間に終わった。次は私にとってはお馴染みの1階検査室。でもちゃんと看護師が付き添って連れて行ってくれる。
検査着に着替えてまずCT。これもちょうど1年前、がん告知されたときに撮ったから、全然不安はない。それにここの機械は、ちゃんと日本語で「息を止めてください、吐いてください」と指示してくれるのだ。
終わるとすぐにマンモグラフィーへ。実はこれは生まれて初めての経験で、これまでやった友人から「死ぬほど痛い」と聞かされていたので、もうビクビクものだ。最初に正面を向いて、右乳房を台の上に乗せる。しかし私ははっきり言って胸が小さい。こんなので大丈夫なんだろうか。でも検査技師さん(もちろん女性)は、小さい胸でも無理やり寄せ集めて、上からプレスされた。
「痛いけど、別に死ぬほど痛いって...そんなに痛くないんだけど。」なんだか不思議な気分で、次は左。でもやっぱり普通に我慢できる痛さ。その後は、また右側を横から集めて挟んで撮る。そして左も同様に挟んで撮る。
つまり上からと横からを左右2回ずつ、4回機械でプレスされたわけだが、やっぱり4回とも声もあげなかった。あまり痛くなかったので、これでちゃんと撮れているのだろうかと不安になる。それとも私は痛みに鈍感なのだろうか。
ちょっと思い当たる節はある。がん手術の前に、同程度の手術の方のブログで、その晩は眠れないほど痛かったとか、3ヶ月間くらい痛み止めを飲んでいたという経験談を読んだ。でも私は、本当にあまり痛くなかったのだ。確か手術の日も、痛いとは思ったがちゃんと眠れたし、痛み止めは退院して2週間ほどでやめてしまった。そのために大量の痛み止めの薬が残っている。
まあこれはラッキーと思うことにしよう。でも全ての痛みに鈍感というわけではなく、大昔の長女の出産は、やはり言葉にできないくらい痛かったし、7、8年前に受けた大腸検査もかなり痛かった。
話が逸れたが、マンモグラフィーもあっという間に終わり、次は腹部エコー。看護師さんから、水を飲めと言われた。とりあえず待合に置いてある水を2パック飲んで待つ。10分ほどで看護師に呼ばれてゼリーを塗られて、下腹部のエコー。
「全然、膀胱に溜まっていないから、もっと水を飲んで待っててね。」
確かにトイレに行きたい気持ちは全くない。
外に出て、また水を3パックも飲む。でも私はあまり水が好きではなく、日頃から水分を取るのが少なくて、旅行中に何度か脱水を起こしたこともある。だからその3パックはかなり苦痛だった。
15分ほどでまた呼ばれてゼリーを塗られてエコー。「まだ30%くらいね。水はどれだけ飲んだの?」「5杯です。」「じゃあそれで十分だからもう少し待ってね。」
私の体は飲んでもすぐに下がっていかないのか!
そして10分、ようやくOKが出た。今度は検査技師さん(女性)が入ってくる。でも今度はもう尿意を感じているから、エコーで下腹部を押されると苦しい。しかも5杯も水を飲んで、エアコンのよくきいた部屋でほぼ裸状態なので、寒くて仕方がない。
このエコーは胸部も含まれているので、胸、脇の下あたりも丁寧に見てくれる。腹部に移った途端、技師さんと看護師さんが画面を見ながらタイ語で早口で何かを言い出した。
「えっ?これって、なんか異常があるってこと?」急に怖くなる。
「ごめんなさい、ちょっと部屋を移ってもらえますか?機械の調子が悪くなったので。」あ、そういうこと。ホッとしながら部屋を移ったが、もうかなり尿意もあり、苦しい。
「震えてるけど、寒い?」そんな話はどうでもいいから早く終わってください!
そしてようやく解放されてトイレに駆け込んだ。お腹を押された刺激もあり、ちゃんと検便も終了。
「次は婦人科です」と看護師さんが、連れて行ってくれる。子宮がん検診だ。ここでちょっとびっくりするいいものを見つけた。日本だと内診は椅子が自動的に動いて、カーテンがあるので、医者の姿は見えないが、向こう側は丸見えだと思うとかなり恥ずかしい。でもここでは巻きスカート(下は穴があいたショートパンツのようなもの)を渡された。カーテンはないけれど、医者が診察する時だけスカートの上の部分をめくるのだ。だから看護師に見られることもない。ちょっと言葉で説明しにくいから、写真を撮ってくればよかった。でも本当にアイデア商品になりそうだと思う。日本では使われていないのだろうか。
最後は眼科だ。これも看護師が連れて行ってくれる。まず視野検査。これは以前日本で人間ドックの後、検査を受けろという結果が出て、近くの眼科で受けたことが2回ある。片目ずつ画面を覗いて、光ったら手元のスイッチを押すのだ。最近目の疲れがひどいし、かなりスマホやiPadばかり見ているので、ちょっと不安。
次に視力検査と眼圧検査をした後、瞳孔を開くための目薬を3種類、時間をおきながらさしてもらう。その後、医師の診断で、もうそれまでの検査結果も出ていて、緑内障の心配もなく、何も問題はないと言われほっとした。
これで検査は全て終了、最初の受付した科に戻り検便を提出した。すると看護師がこんなロボットに置いてボタンを押した。
おもむろに動き出したロボットは、ちゃんと廊下を右に曲がり、しばらくすると帰ってきた。
少し待って最後の医師の所見。もうすでに検便の結果も出ていたので、全ての検査結果を伝えてもらえる。日本だといつもは簡単に所見を聞いて、2週間後くらいに郵送されてくるけど、もう全部わかるなんてすごい。
血液検査の結果から、生まれて初めてコレステロールが基準値をわずかに超えた。これは最近の運動不足のせいだろうか。そしてマンモグラフィーとエコーの結果から、右胸に7mmと3mmの小さなnodle(結節)があると言われた。この言葉は、あの衝撃的な告知の日に覚えた単語だ。そのため専門医の診察を勧められ、受けることにした。
医師から「どうやって帰るの?」と聞かれた。なぜかなと思ったら、瞳孔が開いたままなので、外に出るとかなり眩しいそうなのだ。
「サングラスとか日傘は持ってる?」どちらも持っていない。そうこれが、HPに載っていた注意事項だったのだ。
友人とサラデーン近くのレストランへ行こうということになり外に出ると、本当に目が開けられない。ハンカチで目の上に影を作り、下を向いて歩いた。レストランの中に入ると、目はしょぼしょぼするが眩しくない。でも1時間ほどして外に出ると、やはり眩しかった。あの瞳孔を広げる薬は、何時間持つんだろう。
そして家に帰ると、なんだか疲れて寝てしまったのだ。たかだか人間ドックで疲れてしまうなんて。やっぱりこのところの運動不足が思いやられる。とにかく定期的に運動しなくてはと強く思った1日だった。
検便の容器も一緒に渡されたが、日本のスティックとは大違いで、小さい丸いタッパというか、大昔はもう少し小さい入れ物を小学校に持っていかされたなあと思い出した。とにかく2時間以内に出すようにとのことだ。
その場所で行ったのは、血液検査と心電図。大した待ち時間もなくあっという間に終わった。次は私にとってはお馴染みの1階検査室。でもちゃんと看護師が付き添って連れて行ってくれる。
検査着に着替えてまずCT。これもちょうど1年前、がん告知されたときに撮ったから、全然不安はない。それにここの機械は、ちゃんと日本語で「息を止めてください、吐いてください」と指示してくれるのだ。
終わるとすぐにマンモグラフィーへ。実はこれは生まれて初めての経験で、これまでやった友人から「死ぬほど痛い」と聞かされていたので、もうビクビクものだ。最初に正面を向いて、右乳房を台の上に乗せる。しかし私ははっきり言って胸が小さい。こんなので大丈夫なんだろうか。でも検査技師さん(もちろん女性)は、小さい胸でも無理やり寄せ集めて、上からプレスされた。
「痛いけど、別に死ぬほど痛いって...そんなに痛くないんだけど。」なんだか不思議な気分で、次は左。でもやっぱり普通に我慢できる痛さ。その後は、また右側を横から集めて挟んで撮る。そして左も同様に挟んで撮る。
つまり上からと横からを左右2回ずつ、4回機械でプレスされたわけだが、やっぱり4回とも声もあげなかった。あまり痛くなかったので、これでちゃんと撮れているのだろうかと不安になる。それとも私は痛みに鈍感なのだろうか。
ちょっと思い当たる節はある。がん手術の前に、同程度の手術の方のブログで、その晩は眠れないほど痛かったとか、3ヶ月間くらい痛み止めを飲んでいたという経験談を読んだ。でも私は、本当にあまり痛くなかったのだ。確か手術の日も、痛いとは思ったがちゃんと眠れたし、痛み止めは退院して2週間ほどでやめてしまった。そのために大量の痛み止めの薬が残っている。
まあこれはラッキーと思うことにしよう。でも全ての痛みに鈍感というわけではなく、大昔の長女の出産は、やはり言葉にできないくらい痛かったし、7、8年前に受けた大腸検査もかなり痛かった。
話が逸れたが、マンモグラフィーもあっという間に終わり、次は腹部エコー。看護師さんから、水を飲めと言われた。とりあえず待合に置いてある水を2パック飲んで待つ。10分ほどで看護師に呼ばれてゼリーを塗られて、下腹部のエコー。
「全然、膀胱に溜まっていないから、もっと水を飲んで待っててね。」
確かにトイレに行きたい気持ちは全くない。
外に出て、また水を3パックも飲む。でも私はあまり水が好きではなく、日頃から水分を取るのが少なくて、旅行中に何度か脱水を起こしたこともある。だからその3パックはかなり苦痛だった。
15分ほどでまた呼ばれてゼリーを塗られてエコー。「まだ30%くらいね。水はどれだけ飲んだの?」「5杯です。」「じゃあそれで十分だからもう少し待ってね。」
私の体は飲んでもすぐに下がっていかないのか!
そして10分、ようやくOKが出た。今度は検査技師さん(女性)が入ってくる。でも今度はもう尿意を感じているから、エコーで下腹部を押されると苦しい。しかも5杯も水を飲んで、エアコンのよくきいた部屋でほぼ裸状態なので、寒くて仕方がない。
このエコーは胸部も含まれているので、胸、脇の下あたりも丁寧に見てくれる。腹部に移った途端、技師さんと看護師さんが画面を見ながらタイ語で早口で何かを言い出した。
「えっ?これって、なんか異常があるってこと?」急に怖くなる。
「ごめんなさい、ちょっと部屋を移ってもらえますか?機械の調子が悪くなったので。」あ、そういうこと。ホッとしながら部屋を移ったが、もうかなり尿意もあり、苦しい。
「震えてるけど、寒い?」そんな話はどうでもいいから早く終わってください!
そしてようやく解放されてトイレに駆け込んだ。お腹を押された刺激もあり、ちゃんと検便も終了。
「次は婦人科です」と看護師さんが、連れて行ってくれる。子宮がん検診だ。ここでちょっとびっくりするいいものを見つけた。日本だと内診は椅子が自動的に動いて、カーテンがあるので、医者の姿は見えないが、向こう側は丸見えだと思うとかなり恥ずかしい。でもここでは巻きスカート(下は穴があいたショートパンツのようなもの)を渡された。カーテンはないけれど、医者が診察する時だけスカートの上の部分をめくるのだ。だから看護師に見られることもない。ちょっと言葉で説明しにくいから、写真を撮ってくればよかった。でも本当にアイデア商品になりそうだと思う。日本では使われていないのだろうか。
最後は眼科だ。これも看護師が連れて行ってくれる。まず視野検査。これは以前日本で人間ドックの後、検査を受けろという結果が出て、近くの眼科で受けたことが2回ある。片目ずつ画面を覗いて、光ったら手元のスイッチを押すのだ。最近目の疲れがひどいし、かなりスマホやiPadばかり見ているので、ちょっと不安。
次に視力検査と眼圧検査をした後、瞳孔を開くための目薬を3種類、時間をおきながらさしてもらう。その後、医師の診断で、もうそれまでの検査結果も出ていて、緑内障の心配もなく、何も問題はないと言われほっとした。
これで検査は全て終了、最初の受付した科に戻り検便を提出した。すると看護師がこんなロボットに置いてボタンを押した。
おもむろに動き出したロボットは、ちゃんと廊下を右に曲がり、しばらくすると帰ってきた。
配達終了し帰還中
血液検査の結果から、生まれて初めてコレステロールが基準値をわずかに超えた。これは最近の運動不足のせいだろうか。そしてマンモグラフィーとエコーの結果から、右胸に7mmと3mmの小さなnodle(結節)があると言われた。この言葉は、あの衝撃的な告知の日に覚えた単語だ。そのため専門医の診察を勧められ、受けることにした。
医師から「どうやって帰るの?」と聞かれた。なぜかなと思ったら、瞳孔が開いたままなので、外に出るとかなり眩しいそうなのだ。
「サングラスとか日傘は持ってる?」どちらも持っていない。そうこれが、HPに載っていた注意事項だったのだ。
友人とサラデーン近くのレストランへ行こうということになり外に出ると、本当に目が開けられない。ハンカチで目の上に影を作り、下を向いて歩いた。レストランの中に入ると、目はしょぼしょぼするが眩しくない。でも1時間ほどして外に出ると、やはり眩しかった。あの瞳孔を広げる薬は、何時間持つんだろう。
そして家に帰ると、なんだか疲れて寝てしまったのだ。たかだか人間ドックで疲れてしまうなんて。やっぱりこのところの運動不足が思いやられる。とにかく定期的に運動しなくてはと強く思った1日だった。
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